青い空と広い海。鳥取県の海水浴場の砂浜を夫と二人で散歩しました。とてもきれいなところで、すごくロマンティックな気分だったのです。夫にとっては当たり前の、あの行動をする前までは。夫が生まれ育った地域では当たり前でも、知識がなければ絶対NGのビックリしたお話です。
素晴らしい日本海の景色
夫と一緒に鳥取の皆生温泉に行ったのですが、風光明媚な素晴らしいところでした。日本海の景色が広がる海沿いのホテルに泊まったのですが、部屋からも海が一望できてとてもロマンティックな雰囲気でした。
海を日常的に見ることがない私は海の景色が見られるのがとてもうれしくて、夫と二人で散歩することに。海風に吹かれながら海岸を歩きました。
ロマンティックな海岸で
春に訪れたその場所は海水浴場になっていましたが、肌寒い日だったので人がいませんでした。散歩コースから離れた海岸には美しい砂浜が広がり、コンクリートブロックがたくさんありました。
私は前を歩く夫を見ていました。夫はスタスタと歩き、ゆっくりしゃがんだと思ったら、コンクリートブロックに付着する、緑の藻らしきものを、食べたのです!
日本海側の常識?
「え!? 藻を食べたの!?」と言うと、夫はこう言いました。
「藻じゃないよ! これは岩海苔。日本海側では普通に食べるよ」
日本海側の海岸沿い出身の夫は、子供のころ、よく家族で海へ行き、食べられる岩海苔を生でつまみ食いしていたそうです。幼い時から両親から教わっているため、食べられる岩海苔を見極める知識を持っていたのでした。
家族で獲った岩海苔は、煮物にしたり味噌汁に入れたりして食べていたそうです。日本海側、特に北陸3県では、冬になると岩海苔を酢の物にしたり、乾燥させておなじみのパリパリ海苔にしたりして食べると、初めて知りました。もちろん、日本海側に住む人がみんな食べるというわけではなく、人によるそうですが、夫の家は岩海苔を食べる風習があったようです。
「懐かしいな〜! 食べる? おいしいよ」と言われたのですが、食べたことがないしなーと思い丁重にお断りしました。
その後何年か経ち、今では「あの時はびっくりしたよ!!」と二人の間で笑い話になっています。
ltnライター:鈴木まさ美