ときにはパジャマを着て。【〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子による、保護猫・えいたと暮らす日常。 vol.39】

散歩が習慣の犬と違い、室内飼いの猫に服を着せるのは、傷や皮膚炎ができたなど、患部を舐めないように病院から指示された時ぐらいだが、我が家では、必ずそばで見ているときに数回だけ、ちょっと変わった着せ方をしていたことがある。兄猫のしろたろが若くてやんちゃだった頃、興奮して暴れているときにいただき物のベストを羽織らせたら、急に静かになったという前例があったので、姉猫たちをしつこく追い回しているえいたに猫用パジャマを着せたところ、おとなしくなったうえ、うとうと眠ってしまうという効果が。伸縮性のある生地がほどよく身体を包み、気持ちよくなるらしい。成長してすぐに着られなくなってしまったが、シニア猫になっても妹猫にちょっかいを出しては嫌がられているのを見て、大柄猫用を作ってみようかと目論んでいる。

えいた

ファッションブランド〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子さんと暮らすえいた。ハンサムな名前の由来は永代橋（えいたいばし）の近くでコールタールまみれになって遊んでいるところを保護されたことから。空気は読めないと、ボランティアの方からもお墨付き。すでに壮年猫なのに相変わらずやんちゃで食いしん坊。趣味で段ボールアートを作ったり、上腕二頭筋を鍛えてみたり……。以前本誌で連載していた『まこという名の不思議顔のねこ』に登場していたまこは姉猫。兄猫しろたろとまことの暮らしを経て、現在は妹猫にんにんと同居中。本誌2022年5月号にて、わたなべとしふみさんによるえいたの紹介イラストを掲載しています。