BTSと並ぶ人気者から女子高生まで!!　韓国のトロット人気を盛り上げる5人のスターたち

韓国の歌手と言えば、BTSやTWICEなど、K-POPの人気アイドルを思い浮かべる人がほとんどではないだろうか。

しかし、今の韓国では、K-POPアイドルを同じぐらいの人気と支持を受けるシンガーたちがいる。トロットの歌い手たちだ。

トロットとは、世代を超えて愛されている韓国特有の音楽ジャンルのことで、日本風に言えば“懐メロ”のイメージに近い。近年はこのトロットのオーディション番組が韓国で次々と放映されており、そこから新たなスターたちが続々と誕生しているのだ。

BTSとともに3年連続1位のトロット界プリンス

例えばイム・ヨンウンだ。2020年にオーディション番組『ミスター・トロット』に出場し、圧倒的な票数と支持率で1位に輝いた彼は現在、韓国では「イム・ヨンウンを知らない人はいない」と言われるほどの知名度を誇っている。

世論調査「今年を輝かせた歌手ベスト5」の常連で、2020年から3年連続して1位に輝いているのはBTSとイム・ヨンウンだけなのだ。

今年で32歳。早くに父が他界し、貧しい幼少期を過ごしたイケ・ヨンウンは、歌手としてデビューした後もしばらくは泣かず飛ばすで、焼き芋売りのアルバイトをしながら生計を立てていた頃もあったという。

そんな苦労人だけに、“売れっ子歌手”となった現在は慈善団体に寄付をしたり、人助けをしたりと美談が絶えない。2022年1月には、「交通事故の現場を目撃したイム・ヨンウンは救急車を呼ぶだけではなく、意識を失って倒れていたドライバーのA氏の心肺蘇生などの応急処置を試み、人命を救った」という事実もニュースで明らかになり、その誠実な人柄に誰もが惹かれるようなった。

甘いマスクでせ人気の“トロット界のサラブレット”

このイム・ヨンウンのように歌の実力だけでなく、その人柄で国民的人気者になったケースもあれば、トロット界のサラブレットとして根強い人気を誇るのがシン・ユだ。

シン・ユは、トロット歌手であり実の父親でもあるシン・ウンの影響を受け、歌手を志した逸材。2008年に1stアルバム『Luxury Trot of Shin Yu』でトロット歌手としてデビューすると同時に人気者に。

歌の実力だけでなく、ビジュアル面でもそれまでのトロット歌手とは一線を画する“ソフトさ”があり、トロット界の美形サラブレットとしてファンを増やしていった。

180cmという高身長と甘いマスクで女性ファンを虜にしたシン・ユ。11月10日で41歳を迎える現在も、女性たちからの人気は圧倒的だ。

Red Velvetウェンディとのデュエットもある実力派

そして、ソン・テジンである。

名門ソウル大学の声楽科を卒業しただけでなく、ソウル大学院の声楽科に進み、修士課程まで修了したという“音楽のプロ”である彼は、2022年12月に韓国で放映された『燃えるトロットマン』で1位のトロフィーを手にした逸材だ。

Red Velvetのウェンディとのデュエット曲も発表するなど、トロットの可能性を広げる活躍を見せている。

トロットの可能性を広げているのは彼らだけではない。個性的な歌姫たちが次々と登場していることも、韓国でトロット人気に火が付いた要因のひとつだろう。

現役女子高生のトロット歌姫

例えば現役高校生の女性歌手ジョン・ユジンだ。

2006年10月10日生まれで現在17歳のジョン・ユジンは、これまで数々のオーディション番組に参加し歌唱力を誇り、視聴者からは“トロットの神童”と呼ばれている。

2022年にはファンミーティングも開催し、年上の先輩歌手たちにも劣らない活躍ぶりを見せている彼女に刺激されて、トロット歌手を目指す若い世代も増えているとか。

トロット界の“美しきミューズ”

若い世代からも支持が多いということなら、チョ・ジョンミンのことも紹介せねばならないだろう。

170cm・49kgという抜群のプロポーションを誇るチョ・ジョンミンは、2009年にジョア（Joah）という芸名で歌手デビューしたが、当時は大きなインパクトを残せずその6カ月後には活動を中断していた。

その後2014年に本名のチョ・ジョンミンとして再び歌謡界に復帰。着実に実績を積みながら、2018年には日本で演歌を披露したこともある歌姫だ。

しかも、彼女は歌手としてだけでなく、作詞・作曲、編曲もこなし、女優やミュージカル俳優としても顔を持つ。トロット歌手の中でもビジュアル面が群を抜いて「美しい」と話題となり、広告モデルとしても活躍してるほどなどなのだ。

このように歌手としてだけではなく、多方面に活躍して老若男女に愛される韓国のトロット歌手たち。

日本でもこの冬、『トロット・ガールズ・ジャパン』というオーデション・プロジェクトが始動し、その模様はWOWOWで無料放送・無料配信されるとともに、YouTube、TikTok、Instagram、X(旧Twitter)といったSNSでも幅広い展開が準備されているそうだが、韓国のように国民的人気を集めるトロットの歌い手たちが続々と登場することを期待したい。

文=佐々木 夏美