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実は失礼!?「助かります」を敬語で伝えるときの正しい表現とは

  • 2024.2.29
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出典:PIXTA

日常だけでなくビジネスシーンでもよく使われる「助かります」という言葉。上司の仕事を手伝った時に「助かったよ」と言われると、やりがいを感じてうれしいものですよね。でも実は自分の仕事を目上の方に手伝ってもらった時に、「助かりました」を使うと失礼にあたることがあんです。

丁寧な言葉であっても、場面や相手との関係性によっては、ビジネスには向かない表現である場合があります。今回は筆者が元秘書として働いていた経験から、「助かります」を例に挙げながら、適切な使い方から言い換え表現などを紹介していきます。

「助かります」は上司に使えないって本当?

「助かります」は、「助かる」を「です・ます」に言い換えた丁寧語。相手への尊敬を表しているため、敬語としては問題ありません。しかし、もともと「助かる」という言葉には「労力・負担などが少なくて済む」という意味が含まれており、上から目線のように捉えられなくもない言葉です。また本来、労いの言葉は上から下へかけるものだという視点から、目上の方に対してはふさわしくないという意見もあるため、上司や取引先、目上の方には避けておいたほうがいい表現と言えるでしょう。

では上司や目上の方にサポートしていただいた場合、どんな言葉に言い換えるといいのでしょうか。

言い換えその1.「ありがとうございます」

多くは何か困っている際に助けていただいたり、サポートいただくことが多いと思うので、感謝やお礼を伝える言葉に置き換えてしまうのが、便利だと思います。例えば「ありがとうございます」であれば、使う相手もシーンも選ぶことなく使えるので、自分の中でいくつか表現パターンだけ作っておくと、いいと思います。

【例文】

  1. 御社には何かとご協力いただき、ありがとうございます。
  2. 先日は、お力添えいただき、ありがとうございました。
  3. この度は急なお願いにも関わらず、お引き受けいただき、誠にありがとうございます。
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出典:PIXTA

言い換えその2.「感謝申し上げます」

より丁寧に感謝を伝えたいシーンもあると思います。その場合は「感謝申し上げます」がおすすめです。文頭に「心より」「大変」のような言葉をつけることで、より強い感謝の気持ちを伝えることもできますよ。

【例文】

  1. ご尽力を賜り、感謝申し上げます。
  2. いろいろと助けていただき、心より感謝申し上げます。
  3. このたびは格別なご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。

言い換えその3.「幸いです」

相手に何か依頼をする際に、これをしてくれたらうれしいな、という自らの思いを添え伝える表現として「幸いです」があると思いますが、これも口頭であれば、使用するのもいいでしょう。しかしより改まった場面や最大限の丁寧さを込めて伝えたい場合、かつ文書やメールなどでの使用であれば「幸甚です」「幸甚でございます」といった表現を使うといいでしょう。

「幸甚(こうじん)」という言葉は、「大変ありがたいこと」「この上ない幸せ」といった意味合いを持つので、ビジネスシーンにおすすめの表現です。

【例文】

  1. ご都合のよい日時をいくつかお教えいただければ幸いです。
  2. お忙しいところ誠に恐れ入りますが、今週中にご返答を頂ければ幸いに存じます。
  3. 提案に対し、率直なご意見をいただけましたら幸甚でございます。

「助かります」と言われた時の返答は?

最後に、感謝の意味合いで相手から「助かります」と言われた場合の返答例も一緒に見ておきましょう。

【感謝された時の返答例】

  1. お役に立てて光栄です。
  2. 恐れ入ります。

相手の役に立てたことを喜ぶ気持ちを素直に伝える場合は「お役に立てて光栄です」と返答しましょう。「恐れ入ります」は謙遜しながら、感謝の気持ちを伝える際によく使われます。「恐れ入ります」「とんでもないです」のように、謙遜した受け答えをすることも可能ですよ。ぜひ言い換え表現や返答の仕方を覚えて、スマートで気持ちのいいコミュニケーションを叶えてくださいね!

 

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ライター:能美黎子(のうみれいこ/ @reikonohmi
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行っている。