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「円安だからドル保険は解約したほうがオトク」は本当?

  • 2023.11.2
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1米ドル150円を超える円安水準の中で、米ドル建ての保険の解約を勧められている人もいるでしょうが、どう判断すればよいでしょうか。

■解約返戻金の使い道・預け先がなければ解約しないほうがよい

まず考えるべきは、解約して戻ってくるお金を何に使うかということです。使い道がないとあまりメリットはありません。

生命保険の中には、解約すると解約返戻金を受け取れる商品があり、中には支払ってきた保険料を上回るお金を受け取れる場合があります。米ドルのような外貨建ての場合、円安になるとさらに円で受け取る解約返戻金が増えます。

たとえば、1万米ドルの解約返戻金を受け取る場合、1米ドル120円であれば日本円で120万円ですが、1米ドル150円なら150万円となり、30万円も多く受け取れるのです。

しかし、解約返戻金に使い道がなく、より条件のよい預け先がないなら、続けたほうが有利です。なぜなら、ドル建て保険の運用の利率は円建ての保険より高いからです。そのまま続けていれば、預貯金や円建ての保険よりお金を増やす効果を期待できます。

■解約返戻金には為替手数料や税金がかかる

解約の際に検討すべきこととして、手数料や税金がどれくらいかかるのかということです。

手数料については、たとえばドル建て保険を解約して日本円で受け取ると、1米ドルあたり0.01円から0.5円程度の為替手数料が差し引かれます。

税金については、解約返戻金と保険料の合計との差額(利益)が50万円を超えると、所得税がかかります(利益がなければ税金はかかりません)。

■保障がなくなって困るなら解約はしないほうがよい

考えるべきは、以上のような金銭的な損得だけでなく、その保険を解約して保障がなくなっても困らないかということもあります。米ドル建て保険を解約して、死亡保障がなくなって困るなら、円安であっても解約すべきではありません。解約するなら、入っている保険を見直して、必要な保険金額が足りているかどうかを確かめる必要があります。

一度保険を解約すると、同じような保険に新しく入ろうとしても、健康状態によっては契約できないかもしれません。

このようにして考えると、近いうちにまとまったお金が必要で、その保険の保障がなくなって困らず、為替手数料や税金を差し引いても十分な利益が残るのであれば、円安の今はよい解約のタイミングといえます。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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