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「置かれた場所で咲く」か、「逃げられる人になる」か。名門女子校長が教える女性の品格

  • 2023.11.2

ノートルダム清心学園は、学力と品格を両立する名門女子校として注目を集めている。前理事長の渡辺和子さんが書いたベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』で一躍有名になった。

「結婚しても、就職しても、子育てをしても、『こんなはずじゃなかった』と思うことが、次から次に出てきます。そんな時にも、その状況の中で『咲く』努力をしてほしいのです。」
(『置かれた場所で咲きなさい』より)

すぐに逃げ出さず、置かれた場所で努力する。そうしているうちに道はひらけていくもの――。そんなメッセージに勇気づけられた方も多いのではないだろうか。

一方、同じノートルダム清心学園で中・高等学校の現校長を務める神垣しおりさんは、「逃げることは悪ではない」「今を生きるために逃げてもいい」と説いている。

2023年10月25日、神垣さんの著書『逃げられる人になりなさい』(飛鳥新社)が発売された。

本書では、子どもの頃から気が弱く泣き虫だったという神垣さんが、自身の経験を交えて、自分の弱さや脆さが武器になること、時には逃げることも必要であること、そして、自分を愛することの大切さを教えてくれる。

「試練は喜ぶべきもの」
「進歩は傷つく言葉から生まれる」
「今ある居場所で満足しない」
「コミュニケーションは失敗からはじまる」
「かなわない夢をもち続ける」
「相手を思いやることを品格という」

など、つらさや苦しさの捉え方やコミュニケーション術、品格、生と死といった幅広いテーマで48のメッセージを収録。

「どんなときも進む道はひとつではなく、さまざまな道がある」と神垣さんは言う。もちろん、自分の力を試すことなく逃げればいいというわけではないが、「逃れる道」はその人の中に、すでに備わっているのだという。

「試練が訪れたとき、『逃れる道』をみつけるためには、時にはひと休みすることです。先を急がず一歩ずつ進むことです。
そうやって進んでいけば、その先に必ず自分という花を咲かせる道があります。」(本書より)

一見、渡辺さんとは正反対のことを説いているようだが、読み進むにつれて、根っこにある精神は共通していることが分かる。とくに、進むべきかとどまるべきか迷っている時は、自分にとって都合のいい情報ばかりを選びがちだ。フラットに判断するためにも、本書と『置かれた場所で咲きなさい』の両方を読み比べてみてはいかがだろうか。あなた自身の答えが、きっと見つかるはずだ。

■神垣しおりさんプロフィール
かみがき・しおり/ノートルダム清心中・高等学校校長
NGOサラーム(パレスチナの女性を支援する会)代表
広島県出身。ノートルダム清心中・高等学校卒業後、広島大学教育学部在学中に、香港大学人文学部留学を経験し、国際協力・支援も志す。広島市立中学校教員(臨時採用)を経て、1983年よりノートルダム清心中・高等学校社会科教員として勤務。仏教大学通信制により、宗教科の免許取得後、2004年より宗教科も担当。渡航した友人の後方支援としてNGOを立ち上げ、約30年間、パレスチナの女性が刺繍した製品販売を支援する活動にかかわる。

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