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日本の世界遺産【13】流氷が育む希少な動植物の宝庫!北海道「知床」

  • 2023.11.1

北海道東北端の知床半島に位置する「知床」は、世界有数のヒグマが生息している場所として有名です。また、長い年月をかけて流氷により形成された断崖絶壁の海岸が目を引きます。今回は、そんな雄大な自然が望める知床にフォーカス。概要や見どころはもちろん、行き方、周辺の人気スポット・グルメもわかりやすくご紹介します。

 

 

希少な動植物の宝庫!海氷がもたらす豊かな自然が見られる「知床」

火山活動などによって形成された標高1,000〜1,500m以上の山々が連なり、切り立った海岸断崖、湿原、小沼群などで構成されている「知床」は、豊かな生態系が見られる場所です。

オホーツク海の知床沿岸域は、海氷ができる海洋の中では最も低緯度に位置します。その海氷の下で育まれた大量のプランクトンが食物連鎖の出発点となり、海・川・陸とつながる知床に豊かさをもたらしているのです。

そのため、シロザケ、カラフトマスといったサケ科魚類をはじめ、オオワシや幻の神鳥と呼ばれるシマフクロウ、クジラ、シャチ、トド、アザラシ、ヒグマ、エゾシカのほか、知床連山にはシレトコスミレなど希少な動植物が生息しています。

動植物ともに北方系と南方系の種が混在しているのも特徴的です。渡り鳥を含め260種以上もの鳥類が見られるのも知床ならでは。

さらに知床連峰は、トドマツやアカエゾマツといった北方性の常緑針葉樹と、ミズナラやセンノキなどの落葉広葉樹が混じり合った豊かな原生林に覆われています。

このように、流氷の影響を受けた海と陸の多様な生態系が高く評価され、知床半島の中央部から先端の知床岬にかけての陸地と、その周辺の海を含む約7万1,100haが、2005年に世界自然遺産に登録されました。

見どころは?

ダイナミックな知床八景のひとつ「オシンコシンの滝」は、一度は訪れたい場所です。落差約30mの滝で、水の流れが途中で2つに分かれているため、「双美の滝」とも呼ばれています。滝の中ほどの高さまで階段で登り、滝を間近で見ることも可能です。

滝の上に設置された展望台からは、勢いよく落下する迫力満点のオシンコシンの滝や、オホーツク海、知床連山を眺めることができます。見渡す限り白い海原になる、流氷の季節は特におすすめです。

原生林の中にある幻想的な5つの湖「知床五湖」は魅せられるスポット。知床連山や周りの樹林が湖面に写り込み、静寂を感じながらゆったりと過ごせます。日常を完全に忘れることができそうですね。また、多くの野生動物が生息しているエリアでもあり、希少な動物に遭遇できるかもしれません。

知床五湖には、高架木道と地上遊歩道の2つの歩き方があります。高架木道はシーズンを通して誰でも自由に散策でき、展望台からは第一湖と知床連山を見渡せます。一方の地上遊歩道は時期により有料ですが、ネイチャーガイドの解説を聞きながらの散策が可能です。

北海道の斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ国道334号の峠「知床峠」も必見! 知床横断道路の最頂部にあたる標高738mのビュースポットで、正面に羅臼岳、眼下に樹海、天候に恵まれれば、根室海峡とそこに浮かぶ国後島まで一望できます。

しかし、降雪により北海道内の国道で唯一通行止め(11月初旬~4月下旬)になるため、晩春から初秋に訪問してくださいね。日本一開通期間が短い国道ともいわれているそうですよ。さらに例年4月に、開通前の1日だけ高い雪の壁に挟まれた車道を歩くことができる「知床雪壁ウォーク」も開催されています。

フレペの滝

そのほか、川全体が流れる温泉のようになっている「カムイワッカ湯の滝」や、高さ約100mの断崖の割れ目からオホーツク海へ流れ落ちる「フレペの滝」など、知床には一度では訪れきれないほど多くの魅力的なスポットが点在しています。

オシンコシンの滝・知床五湖・知床峠への行き方

今回、見どころとしてご紹介した3カ所への行き方は下記の通りです。

オシンコシンの滝

JR「知床斜里駅」から斜里バス知床線で約42分「オシンコシンの滝」下車、徒歩すぐ

オシンコシンの滝

住所:北海道斜里町ウトロ西

電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)

知床五湖

JR「知床斜里駅」から斜里バス知床線で約1時間30分「知床五湖」下車、徒歩すぐ

知床五湖

住所:北海道斜里町 知床国立公園内

電話:0152-24-3323(知床五湖フィールドハウス)

営業時間:8:00~18:00(季節により変動あり、要問い合わせ)

休業日:11月中旬~4月中旬

料金:【地上遊歩道利用の場合】レクチャー受講料250円~500円+ガイド料

知床峠

JR「釧路駅」から標津経由阿寒バス羅臼行きで約3時間20分「羅臼営業所」下車、斜里バス・阿寒バスウトロ行きに乗り換え約25分「知床峠」下車、徒歩すぐ

知床峠

住所:北海道羅臼町

電話:0153-87-2126(羅臼町産業創生課)

休業日:(冬期封鎖)11月初旬~4月下旬

2023年1月にリニューアルオープン!本物の流氷が置かれている「オホーツク流氷館」

©︎公益社団法人 北海道観光振興機構

流氷とオホーツク海の生きものをテーマにした「オホーツク流氷館」は、年間を通して厳寒のオホーツクの冬を体感できる展示館です。「流氷の天使」とも呼ばれるクリオネのほか、フウセンウオ、ナメダンゴなども飼育展示されていますが、一番の見どころは、マイナス15度に保たれた「流氷体感テラス」に置かれた本物の流氷! 流氷に360度囲まれて、神秘的な世界を満喫できます。さらに流氷の下に広がる、驚きの色彩豊かな世界にダイブできる「流氷海中ライブ」も見逃せません。

また、展望テラスからは、網走湖、能取湖、濤沸湖、藻琴湖、オホーツク海をはさんで知床連山、阿寒の山並みの大パノラマを楽しめますよ。

©︎BeautifulBlossoms / Shutterstock.com

知床のグルメといえば、新鮮な海産物を使った料理の数々。なかでも鮭児や時鮭(トキシラズ)を使った料理は絶品です。お刺身や丼など、お好みの料理を選んで味わってみてくださいね。お土産にもぴったりです。

オホーツク流氷館

住所:北海道網走市天都山244-3

電話:0152-43-5951

営業時間:5月〜10月 8:30~18:00、11月~4月 9:00~16:30、12月29日~1月5日 10:00~15:00

休業日:無休

入館料:大人990円、高校生880円、小・中学生770円

交通アクセス:JR「網走駅」から網走バス天都山行きで約12分「オホーツク流氷館」下車、徒歩すぐ

[Photos by Shutterstock.com]

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