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大人が意外と間違える算数「時速3kmで5分→何m進む?」→15mではありません!

  • 2023.12.27
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算数の速さの問題は「はじき」の公式に当てはめればいいんだと考えている方はいないでしょうか。

当てはめるだけで答えが求められる公式は、確かに簡単なように感じますが、「当てはめるだけ」と考えてしまうと、間違えてしまうことがあります。

公式に頼るのではなく、きちんと意味を理解した上で計算ができるようになりましょう。

問題

時速3kmで5分間進んだときの距離は何mですか。

「はじき」の公式は、次の頭文字を取ったもので、これらをかけ算・わり算することで、必要な情報を求めることが可能です。

は:速さ
じ:時間
き:距離

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学習指導要領や教科書では記載されていないにもかかわらず、多くの小学校や学習塾で「公式の使い方」が指導されているので、ご存知の方も多いでしょう。

今回の問題も、この公式を使って「速さ=3、時間=5だから、距離=3×5=15m」と解いていないでしょうか。これは間違いです。

 

今回の答えは「250m」です。

解説

公式によると「距離=速さ×時間」であるのに、なぜ「3×5=15m」では間違いなのでしょうか。

「時速3km」というのは「1時間に3km進む速さ」です。これに「5分」をかけたところで、意味のある値を得ることはできません。

ということで、今回は「速さの意味」をきちんと考えながら、問題を解いてみましょう。

「1時間に3km進む速さ」で「5分」進みます。

まず、この速さは「1分間で何m進む」のかを考える必要があります。

1時間で3km
=60分で3,000m
=1分で50m (3000÷60=50)

よって「時速3km=分速50m」ということがわかりました。

「1分間に50m進む速さ」で「5分」進むわけなので、50×5=250m進むことができます。

したがって、答えは250mです。

公式に当てはめるというのは、簡単に計算ができて便利に見える一方、「ただ当てはめるだけ」と考えていると間違ってしまいます。

特に、速さの学習をはじめたばかりの小学生は、「公式通りの計算した」のに答えが合わず、より算数を苦手にしてしまうことがあるので注意しましょう!

まとめ

算数の単元の中でも、苦手な方が多いのが「速さ」。公式を覚えるのではなく、きちんと意味を理解することで、問題も解けるようになるでしょう。

「公式でしか解いたことがなかった」という方は、この機会に学び直しをしてみてください!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」