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大人が意外と間違える算数「4の倍数はどれ?」→実は一瞬で分かります

  • 2024.1.10
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「倍数」というのは、小学5年生で習います。

その言葉の通り、ある数を何倍かした数のことを倍数というわけですが、数が小さければ九九を考えるだけで見分けることができます。

しかし、大きな数の倍数を見分けるには、かけ算・わり算だけでは少し大変です。

今回は「4の倍数の見分け方」についての問題に挑戦しましょう。

問題

次の中から4の倍数を選びなさい。
A. 12526
B. 34724
C. 75613
D. 98029

「4の倍数」ということは、「4で割り切れる数」を探せばよいということです。

もちろん地道にわり算をして、割り切れるかどうかを確認する方法もありますが、選択肢はすべて5桁の数です。少し計算が大変ですね。

簡単に4の倍数を見つける方法はないでしょうか。

さて、今回の問題の答えは「B. 34724」です。
(34724÷4=8681となり、割り切れます。)

解説

「2の倍数」や「5の倍数」の判定は、おそらく多くの人が意識せずに使っているでしょう。

例えば、どんなに大きな数になっても、2の倍数はすぐに分かります。一の位が偶数であれば、その数は2の倍数ですね。

また、一の位が5または0となっていれば、その数は5の倍数ですね。

実は、4の倍数もこのような見分けるポイントがあるのです。

4の倍数の判定法は以下のとおりです。

下2桁が4の倍数(もしくは00)のとき、その数は4の倍数である。

つまり、どんなに桁の多い数であっても、確認するのは下2桁のみでいいのです。

今回の問題の選択肢を確認してみましょう。

A. 12526 → 26は4の倍数ではない
B. 34724 → 24は4の倍数である
C. 75613 → 13は4の倍数ではない
D. 98029 → 13は4の倍数ではない

確かに下2桁が4の倍数のときに、もとの数も4の倍数になっていますね。

数学的な証明

以下では、今回の計算が成り立つ数学的な証明をしています。興味がある方は、ぜひ数式で確認をしてみください。
(今回は5桁の数の場合で証明しています)

元の数の
一の位をa、
十の位をb、
百の位をc、
千の位をd、
万の位をe
とすると、その数は

a+10b+100c+1000d+10000eと表すことができる。

このとき
a+10b+100c+1000d+10000e
=a+10b+4(25c+250d+2500e)
と式変形ができ、百の位より上は必ず4で割り切れる。

したがって、下2桁(a+10b)が4の倍数ならば、もとの数は4の倍数である。

まとめ

このようにちょっとした知識があるだけで、見分けるのがとても簡単になりますね。

4の倍数かどうかを見分ける際は、たくさんの計算をする必要はありません。下2桁だけを見ましょう。

ぜひ活用してください!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」