1. トップ
  2. 大人が意外とわからない数学「123×999の答えは?」→実は簡単に解けるんです

大人が意外とわからない数学「123×999の答えは?」→実は簡単に解けるんです

  • 2024.1.10
undefined

世の中には、計算がものすごく速い人がいますが、単純にたし算やかけ算が速いというだけではありません。

そのような人は、計算の工夫の仕方も上手なのです。

一見すると難しいそうな計算問題も、少し工夫するだけで簡単に計算ができてしまいます。

計算力を鍛えるには、「どうのように計算の工夫ができるか」を考えることも大切です。

今回は、計算の工夫の中でも基本となる「分配法則」について考えてみましょう!

問題

次の計算をしなさい。
123×999

3桁のかけ算なので、普通に計算をしようとすると、少し大変ですね。しかし、工夫をするだけで、暗算で、そして一瞬で、答えを出すことが可能です。

 

さて、今回の問題の答えは「122,877」です。

解説

999のかけ算をするというのが、今回の計算の難しいポイントです。

これが999ではなく、1,000だったら、とても簡単な計算になったのに!と思いませんか。

ということで、999を1,000にして計算してしまいましょう。もちろん勝手に数字を変えると計算結果は違ってしまうので、調整が必要です。

123×999というのは「123が999個」と考えることができます。

これを123×1000にするということは「123が1,000個」としたということです。
(123×1,000=123,000)

123がひとつ増えてしまいましたね。この分を引いておきましょう。

123000−123=122,877になります。

この考え方をひとつの式にまとめると、次のようになります。

123×999
=123×(1,000−1)
=123×1,000−123×1
=123,000−123
=122,877

途中の式変形で「123×(1,000−1) = 123×1,000−123×1」とありましたが、これは「分配法則」という式変形です。

通常カッコがあれば、カッコ内からの計算が優先されますが、「123×」をそれぞれ1,000と1に分配し、かけ算を2回しています。

中学数学の教科書では以下のような形で学習します。

a×(b+c) = a×b + a×c

展開・因数分解でもよく使うので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

このように、分配法則は日常の計算問題にも活用することが可能です!

まとめ

今回は999を(1,000-1)という形にして分配法則を利用しましたが、分配法則を利用した計算の工夫は他にもたくさんあります。

このような計算の工夫を知っていると、速く、そして正確に計算することが可能です。

ぜひ活用してみてください!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」