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大人が意外と間違える算数「1÷0.1の答えは?」《小学生でもわかる》

  • 2023.12.23
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「かけ算」は答えが大きくなり、「わり算」は答えが小さくなる、というイメージはないでしょうか。

同じものが何個もあるときにかけ算をし、何かを分けるときにわり算をすることが多いので、確かにそのような計算をする場面はよくあります。

しかし、すべての場合でそうなるわけではありません。

かけ算をして答えが小さくなることも、わり算をして答えが大きくなるということもあり得ます。

なぜ、そのような結果になるのか説明できるでしょうか。

今回は「答えが大きくなるわり算」に挑戦してみましょう。

問題

次の計算をしなさい。
1÷0.1

小学校で習う計算なので、多くの方は問題なく、計算ができるでしょう。

答えは「1よりも大きい数」になります。

計算ができた方は、「わり算なのに、元の数より大きくなるのはなぜか」を考えてみましょう。

 

さて、計算の答えは「10」です。

解説

まず計算の仕方は、いくつかの方法があります。

わる数が小数なので、小数点を動かして計算するといいですね。今回の場合は、わる数、わられる数をともに10倍しましょう。

1÷0.1
=10÷1
=10

もしくは、0.1を分数にして、分数のわり算をかけ算に直して計算した方もいるのではないでしょうか。

1÷0.1
=1÷(1/10)
=1×10
=10

さて、今回の計算ではわり算をしたにもかかわらず、答えは元の数である1より大きくなりました。

小学生で算数が苦手になってしまう理由のひとつが「わり算は、答えが小さくなるべき!」と思い込んでいることによって、今回のような計算問題がわからなくなってしまうからです。

「わり算でも、答えが大きくなることがある」という例をきちんと示してあげることによって、小学生の算数の躓きをなくすことが可能です。

「1÷0.1」という計算は、次のような状況をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。

1mのひもを0.1mずつに切ると、何本になりますか。

答えはもちろん「1÷0.1=10」なので10本となります。

これは「全体1の中に、0.1のかたまりがいくつ分か」を考えています。このような計算を「包含除」と言います。

実は、わり算と一口に言っても、その式によって「包含除」と「等分除」に区別することができます。
(等分除というのは、「◯人で等しく分ける」のような場合です。)

大人になると「包含除」と「等分除」は、意識せずに使い分けているかもしれません。

わり算の式にどのような意味があるかを考えると、「わり算でも、答えが大きくなることがある」というのがわかりますね。

まとめ

「計算はできるけど、文章題が苦手」という生徒がでてくるのも、このわり算の単元からです。

小・中学生のときに算数・数学が苦手だった方も、「計算の意味」を考えてみると、今まで気がつかなかったことに気づけるかもしれません。

ただ機械的に計算をするのではなく「なぜ」ということを考えながら勉強すると楽しくなりますね!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」