「たし算」は、計算の中でも特に基本であり、小学1年生から学習するものです。
そんなたし算であっても、100個の数字を足さなければならないとなると、とても大変な作業になってしまいます。
そこで「いかに工夫して計算するか」という計算技術が求められるようになってきます。
今回は、工夫して計算する方法を考えてみましょう!
問題
1から100までの自然数をすべて足すと、いくらになるか?
今回の問題を計算式で書くと次のようになります。
1+2+3+4+・・・+97+98+99+100
すべてたし算なので、地道に計算して答えを出すこともできますが、その方法だと時間がかかってしまいそうです。
どのように計算をすればいいか、計算方法を考えましょう。
さて、今回の問題の答えは「5050」です。
解説
どのように計算を工夫するか、というのが今回のポイントです。
「何度も繰り返したし算をする」というのは、かけ算を利用したいのですが、もちろん今回の式をそのままではかけ算にすることができません。
かけ算に変形ができるのは、「同じ数」を繰り返したし算するときです。
例えば、「3を100回足す」なら100回も計算しなくても「3×100」と1つの計算で済みます。
ということで、「同じ数」をつくるように工夫をしてみましょう!
ここでは、3つの解き方をご紹介します。式の作り方は異なりますが、本質的には同じ工夫をしています。
【解法1】
1+2+3+4+・・・+97+98+99+100の計算を逆順に上下並べて書きます。
縦にそろった数同士を足すと、すべて101となります。101が100個あるので、101×100。
ただし、これは1〜100までのたし算が2セット分になっているので、半分にすれば答えとなります。
101×100÷2=5050
【解法2】
1+2+3+4+・・・+97+98+99+100の計算を50、51のところで折り返して、上下に並べて書きます。
縦にそろった数同士を足すと、すべて101となります。101が50個あるので、101×50。これを計算すると答えとなります。
【解法3】
たし算の計算の順序を入れ替えます。
1+2+3+4+・・・+97+98+99+100
=(1+100)+(2+99)+(3+98)+・・・+(50+51)
=101+101+101+・・・+101
=101×50
=5050
解法2と解法3は、式の書き方が異なるだけで、やっていることは同じですね。
まとめ
今回は1〜100までのたし算でしたが、この方法を使えば1000や1万までのたし算でもできそうですね。
単純な「計算力」だけでなく、「どのように工夫するか」という知識やひらめきも算数・数学には大切です。
今回の問題は、ご紹介した解法以外にもさまざまな解き方があります。ぜひ他の解法も考えてみてください!
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」