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大人が意外と間違える算数「10人に5L分ける→1人何L?」→小6の半数が間違えた

  • 2023.12.23
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「計算はできるけど、文章題が苦手」という人は、少なくないのではないでしょうか。

算数・数学が苦手になった原因をさかのぼると、「文章題がよくわからなくて…」という子供もよくいます。

今回は、よく間違える文章題に挑戦してみましょう。

どのような間違いがあり得るのかを考えることで「文章題を読み解く力」を養いましょう!

問題

10人に、5リットルのジュースを等しく分けます。1人分は何リットルですか。求める式と答えを求めましょう。

さて、小学校で習う算数の文章題です。

「こんなの簡単!」と思っても意外と間違えてしまいます。

 

さて、今回の答えは次のとおりです。
(式)5÷10=0.5
(答え)0.5リットル

解説

実はこちらの問題、2021年度に行われた「全国学力・学習状況調査」の問題を改題したものです。(実際の問題と今回の問題は、数字が異なります)

全国の小学6年生が解いた問題なのですが、この問題の正答率はどれくらいだったと思いますか?

なんと正答率は「50.3%」です。小学6年生の半数は間違えたのです。

「5リットルあるジュースを10人で分ける」という状況なので、「5を10等分」しなければいけませんよね。

誤答として多かったのが、「10÷5=2だから、答えは2リットル」という解答。実に約30%がこの間違いをしています。

おそらく文章題の「10」「5」「分ける」という文字だけをみて、計算しやすい式をつくったと考えられます。

「1リットルのボトルが5本と、10人の人がいる」というイメージができていれば、1人分が明らかに1リットルより少なくなるというのがわかりそうですが、文章から状況をイメージするというのに、多くの小学生が苦戦しているようです。

「文章を読む力」の必要性

算数・数学と聞くと、方程式や関数などの数式を計算する力が大切と考える方もいるかもしれません。確かに計算する力が大切ですが、それ以上に「文章を読む力」が求められます。

文章で書かれていることを数式に翻訳し、そこでやっと計算することが可能になるのです。

では、「文章を読む力」はどのように養うのかというと、「試行錯誤」することが重要です。

公式を暗記し、数字を当てはめるという算数・数学の勉強は、目の前に迫った試験を乗り越える方法としてはいいかもしれません。

しかし、それでは本来の「公式(数式)の意味」を理解することはできません。

例えば、今回の「ジュースを分ける問題」であれば、実際にジュースとコップを準備して、手を動かしながら作業することで、「わり算の意味」を理解することができるでしょう。

まとめ

特に小学生の子供がいる方は、普段から意図的に考えさせる習慣をつけるとよいでしょう。

「家族みんなで分けると、1人分はいくつ?」「お釣りは何円?」など、日常には算数の文章題の題材になるような出来事が多くあります。

実際に経験することで、算数の力を伸ばしていきましょう。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」