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「ごめんなさい…」飲み物を床に落としてコップを割ってしまった娘。すると父と母は<新しい家族>

  • 2024.2.27

お菓子メーカーに勤める長束総二郎とその妻・真琴は子どもをつくることができない夫婦。里親として、4歳の少女・くり子を里子に迎えることに。不安と期待が入り混じる中、くり子を迎える日がやってきました。総二郎と真琴は緊張をしながらも笑顔でくり子に挨拶をします。するとくり子は、瞳をきらきらと輝かせ元気に自己紹介をしてくれました。

いよいよ3人での生活が始まったのですが、緊張をしているからなのかくり子に笑顔がありません。そこで総二郎はくり子がお菓子作りをしたがっていたことを思い出し、一緒にホットケーキを焼くことに。はじめての3人での共同作業でおいしそうなホットケーキが完成。しかし、さあ食べようとした矢先、あるハプニングが起こって――!?

これは、血のつながりのない親子が“家族”になるハートフルストーリーです。

頭の中に浮かんできた過去の記憶

総二郎がそれぞれのお皿にホットケーキを取り分けると……。くり子は総二郎の分のホットケーキをじっと見つめていました。

総二郎が「こっちがいいですか?」とくり子に尋ねると、「ん」と返事。しかしいざ総二郎のホットケーキを自分のものと取り換えてもらうと、また総二郎のホットケーキが気になる様子。

その様子を見た総二郎は「どれでも選んでいいですよ」とくり子に言います。くり子は、ホットケーキの大きさはほとんど変わらないのに、こっちでもない、あっちでもないと真剣。すると、飲み物が入っていたコップにくり子の肘が当たり、床に落ちて割れてしまいました。

割れたガラスに手を伸ばしたくり子を見て、危ないからと総二郎が止めに入ります。しかしくり子が「だいじょうぶ! くりこできるよ!」と暴れたことでホットケーキが乗ったお皿が1つ床に落ちてしまいました。

落ち込むくり子を見て「総二郎には私のを半分こするから大丈夫」と伝えた真琴。しかし、くり子は泣き出してしまいました。

そのとき総二郎は、ふと自分が忘れていた幼いころの記憶を思い出していました。くり子と同じように自分が失敗をして泣いているときの記憶です。総二郎は、自分のしてもらった記憶をたどりながら、気が付いたらくり子を抱きしめていました。

そして、総二郎がくり子を抱きしめたあとはどうすればいいのか迷っていると、真琴もくり子のことを抱きしめたのです。

総二郎は、自分だってできないことや失敗することがあるのだから、「一緒に一歩一歩立って歩いて走って登って踊りましょう」とくり子に笑顔を向けたのでした。

家族3人での暮らしが始まったことを実感した総二郎。ホットケーキをおいしいと食べるくり子に、あらためて「ようこそ」と伝え、そして「長束くり子ちゃん」と呼んだのでした。

◇ ◇ ◇

総二郎さんや真琴さんから抱きしめてもらい、そして前向きな声をかけてもらったくり子ちゃん。そしておいしいホットケーキを一緒に味わい、3人の心の距離はぐんと縮まったのではないでしょうか。まだまだ3人での暮らしは始まったばかり。きっと楽しいことも大変なこともお互いにあると思いますが、総二郎さん、真琴さん、くり子ちゃんで素敵な家族のかたちを築いていってほしいですね。

※里親制度…さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもを、自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育する制度のこと


著者:マンガ家・イラストレーター 雪本愁二

ベビーカレンダー編集部

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