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【ウエディング・パーティ最旬トレンド】vol.67 2024年に向けたウエディング・トレンド〈後編〉

  • 2023.10.29
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全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)小原義之さんが、花嫁たちに世界のウエディング状況をお届け。

Victoria Angela Photography

アメリカではコロナ禍の期間に挙式のみを済ませ、レセプション(披露宴)はコロナ収束後に延期したカップルが大半でしたが、中には日本と同様に少人数でレセプションまで行ったカップルもいました。欧米ではこうした少人数ウエディングをいつしか「Micro Wedding/マイクロウエディング(またはBoutique Wedding/ブティックウエディング)」と呼ぶようになりました。この少人数ウエディングがひとつのトレンドとなり、今も続いているのです。

アメリカでは1組のウエディングに対するゲストの平均人数は150名程度です。コロナパンデミック以前の日本の平均ゲスト数の約2倍というわけですが、圧倒的に日本と異なるのは、新郎の会社の上司や同僚といった社交辞令的なゲストはほとんど見られないということです。つまり、公私の線引きがしっかりとされているわけですね。「お付き合いで参加」といった慣習はない一方、「両親の高校時代の親友」のように新郎新婦とは直接関係のない方がひとつの家族のプライベートイベントのゲストとして招待されることは一般的でした。しかし、コロナ禍から続く少人数ウエディングでは、こうした方々の招待もやめ、ごく親しい人たちのみでレセプションを楽しむ傾向がひとつのトレンドにもなっているようです。

Yoshiyuki Kohara

ゲストが一緒に楽しみを見出せる演出として、さまざまなエンターテイナーがレセプション会場に呼ばれる光景はもうおなじみとなったようですね。

一口サイズの料理、ドリンク、そしてデザートを届けてくれるエンターテイナーのほかに、披露宴開宴から会場の様子を描き始め、終宴までに描き終えるスケッチアーティスト、マリリン・モンローのように誰もが知る有名人のそっくりさんと一緒に撮影が楽しめる演出など、今ではバラエティー豊かなエンターテイナーがたくさんいます。

Nisie’s Enchanted Florist

テクノロジーの進化を味方につけることは、今では大切な一日を素敵に演出するための実用的なツールとしてトレンドのひとつとなってきたようです。

カップルは自分たちを紹介するウェブサイトの作成をはじめ、インスタグラムでのオリジナリティあふれるハッシュタグを考え、挙式の様子を映すライブストリームを配信したり、そして様々なシーンを撮り逃がさないようドローンを駆使したり、ゲストのためのスマホ充電ステーションを設けたりすることも怠りません。

もちろん、招待状に印刷されたQRコードで当日の楽しみが増やすことも忘れていません。また、写真映えする撮影スポットとして人気の「Flower Wall/フラワーウォール」には隠しカメラを忍ばせて楽しむカップルもいます。皆さんが揃って、最高の瞬間を楽しみにしているようです。

Victoria Angela Photography

自分たちのプライベートイベントが環境に与えることへの責任を自覚し、環境に対する悪影響を減らすことに意識を向けるカップルも増えています。地元の食材で作る婚礼料理にこだわったり、婚礼衣装をユーズドで調達したりするなど、その方法は多様です。こちらは、あるカップルの再生紙で作られたさまざまなペーパーアイテムです。

さて、このほかにもアメリカではジェンダーに焦点を当てた演出もトレンド入りしています。新郎新婦が必ず依頼する男性陣(Ushers/アッシャー)と女性陣(Bridesmaids/ブライズメイズ)。親しい友人やいとこなど、新郎側・新婦側共に4~6人で構成され、彼らと一緒に撮った写真は大切な仲間との大切な思い出にもなります。このメンバーに選ばれることは、新郎・新婦にとってとても大切な存在であることの証ですが、ジェンダーレスな考え方が浸透する昨今、男女を問わずにアッシャー・ブライズメイズを構成するカップルが増えています。さらには、LGBTQの友人・いとこも分け隔てなくメンバーにすることで、理解を皆で共有する場を持とうとするカップルも増えているようですね。アメリカでは、カップルの実に多くがウエディングというイベントを通して、社会的な貢献をしたい、自分たちの社会に対する考えをアピールしたい、といった風潮は昔からあるようです。今後、日本でも個性的なウエディングが増えると同時に、こうした取り組みを婚礼に取り込もうとするカップルが増えるかもしれませんね。

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