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【漢字】「不如帰=????」意外と読めない「文学作品」の漢字5選

  • 2023.10.29

秋の深まりとともに、夜も長く、一人静かに過ごせる時間も増えてきます。そんなとき、読書をして過ごす人も多いのでは?
「読書」の対象となる本は人それぞれですが、今回は、名作、しかもそのタイトルの読みを紹介します。意外と読めないものが多いものです。現行の高校教科書巻末の「文学史年表」に掲載されている作品から選びました。学生時代に戻って、挑戦してみてください。今回は前編として5つ紹介します。では、始めましょう。

1.「安愚楽鍋」

仮名垣魯文(かながきろぶん)作。1871~72年刊。文明開化の新風俗を滑稽に描いたもの。一頃、ニュースを賑わした某会社名で読めたかもしれません。

正解:「安愚楽鍋(あぐらなべ)」

2.「金色夜叉」

尾崎紅葉(おざきこうよう)作。1897年以降、新聞連載。「きんいろよまた」は誤読の定番。

正解:「金色夜叉(こんじきやしゃ)」

3.「不如帰」

徳富蘆花(とくとみろか)作。1898~99年、新聞発表。鳥の名「ほととぎす」は、「杜鵑・時鳥・子規・郭公」とさまざまな表記があり、漢字クイズの定番。

正解:「不如帰(ほととぎす)」

4.「高野聖」

泉鏡花(いずみきょうか)作。1900年発表。「高野」は和歌山県にある真言宗の霊地「高野山」のこと。

正解:「高野聖(こうやひじり)」

5.「虞美人草」

夏目漱石(なつめそうせき)作。1907年、新聞連載。「虞美人草」とは、「ひなげし」の花の別称。

正解:「虞美人草(ぐびじんそう)」

中身も読んだことのある作品はありましたか? ちなみに中国の唐の時代の文章家「韓愈(かんゆ)」が、「灯燈火稍可親(とうかようやくしたしむべし)」と詩に書きました。前後の内容と合わせて、「(秋の夜には)ようやく灯りに親しむ(読書を楽しむ)ことができる」というような意味ですが、これが、今の「読書の秋」という言葉のルーツと言われています(日本では、夏目漱石が自身の小説の中で引用しています)。
では、今回はこのへんで。

《参考文献》「広辞苑 第六版」(岩波書店)/「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)/「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)/「難読漢字辞典」(三省堂)/「できる大人の漢字大全」(三笠書房)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)

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