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貧乏こそがかくし味。ヤマザキマリさんが「創造の原点」をつづったエッセイ集

  • 2023.10.29

漫画家・文筆家として活躍するヤマザキマリさんのエッセイ集『貧乏ピッツァ』(新潮社)が2023年11月17日に発売される。

絵画を学ぶため17歳でフィレンツェに留学したヤマザキさん。本書では、極貧の画学生時代に食べたピッツァの味、ピッツァの経済格差、世界一おいしい意外な日本の飲料など、食への渇望がひたすらに綴られている。

さらに、世界の朝食や鍋料理、料理が苦手な母のアップルパイなど、食を通した人生のシーンを描き、「味覚の自由」を追求する。

本書の目次は次の通り。

第1章 「貧乏」が私のかくし味
私の貧乏メシ/貧乏ピッツア/パンに挟んで食べれば世界は平和/温厚で寛容な「悪魔」

第2章 やっぱりイタリアは美味しい
イタリア式長生きの秘訣/最高の創造物――プリニウスも夢中だったもの/真夏の菜園――イタリア人の血はトマトで出来ている/夏はメロンで乗り切るイタリアetc.

第3章 すばらしい日本の食文化
地下の天国/世界一美味しい日本の牛乳/素麺、シンプルななりをした手強いやつ

第4章 世界を食べる
世界の朝メシ/啜り喰ってこそ、醍醐味/鍋は食べる温泉である/たかが飴玉、されど飴玉/世界では酒を飲んだあとに何を食べるのかetc.

第5章 忘れがたき思い出メシ
お節料理か、豚足か/思い出のアップルパイ/味覚の自由を謳歌するetc.

ヤマザキさんが「創造の原点」と語る、味覚の記憶。これを読めば、ヤマザキさんの作品をより深く理解できそうだ。

■ヤマザキマリさんプロフィール

1967年生まれ。漫画家・文筆家・画家。東京造形大学客員教授。17歳でイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機にエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々に暮らす。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。2015 年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。著書に『プリニウス』(とり・みきとの共著)、『ヴィオラ母さん』『パスタぎらい』『CARPE DIEM 今この瞬間を生きて』『猫がいれば、そこが我が家』『扉の向う側』など。

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