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50代からでも遅くない!新NISAのキャッチアップ投資とは…

  • 2023.10.27
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「投資は若いうちから始めたほうがよい」という話はよく聞きます。たしかに、現行のつみたてNISAは若いうちから始めたほうが有利でしょう。

しかし、2024年1月から始まる新NISAでは、活用次第で50代からでも老後資金に備えることができるという、「キャッチアップ投資」が注目されています。

■新NISAのキャッチアップ投資とは

キャッチアップとは「追いつく」「遅れを取り戻す」といった意味合いで用いられる言葉です。これまで投資をしてこなかった50代でも遅れを取り戻せる投資の手法をキャッチアップ投資といいます。

これまで、NISAはつみたてNISAか一般NISAのどちらか一つを選択しなければならず、非課税期間がつみたてNISAなら20年、一般NISAなら5年と限定的でした。

しかし、改定後の新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の両者を併用でき、投資できる金額も大幅に増え、無期限で運用することができます。

50代からでも遅くない!新NISAのキャッチアップ投資とは…

■50代からの新NISAのメリット

現在のNISAでは、年間非課税枠の上限がつみたてNISAで40万円、一般NISAで120万円です。新NISAでは、年間でつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円まで非課税となります。

つまり、1年間に非課税で投資できる金額が増えることで、これまで預貯金として金融機関に眠っていた資産を、短期間で投資に振り分けられるようになります。これは、比較的余剰資金や貯蓄の多い50代にとって有利な制度改正だといえるでしょう。

■【事例】50の新NISA活用法

では、新NISAにおけるキャッチアップ投資の活用事例を2つ紹介します。

投資期間は50歳から70歳までの20年間。老後資金のため、70歳までに一生涯の非課税保有限度額の1,800万円を使い切ることを前提とします。

●例1:つみたて投資枠で月5万円、成長投資枠で600万円投資

つみたて投資枠で毎月5万円積み立てると年額で60万円、20年間で1,200万円の資産が積みあがります。一方、成長投資枠には年200万円の一括投資を3年間連続で行い、合計600万円の投資をするとします。

これを全て、年利4%で運用できたとすると、元本と運用収益の合計額はつみたて投資枠で約1,800万円、成長投資枠で約1,300万円となり、合算するとおよそ3,100万円となります。

●例2:つみたて投資枠で月75,000円、成長投資枠は使わない

一括投資に二の足を踏む人も多いと思います。そんな人は、つみたて投資枠のみを活用し、毎月7万5,000円積み立てると年間90万円、20年間で1,800万円分の資産が積みあがります。

年利4%で運用できたとすると合算で約2,750万円となり、成長投資枠に一時金を投資しなくても、およそ1,000万円増える計算になります。

■キャッチアップ投資の注意点

非課税枠が大幅に増えたことで、50代からでも新NISAで十分資産形成できることはわかりました。そうなると、資産形成のスピードを速めるため投資額を増やして期間を短縮させたいと考えるかもしれません。

しかし、万が一50代で投資に失敗すると取り戻すのが困難になります。投資は余裕資金で、5年〜10年は使う予定のないお金で行うことが鉄則です。

■新NISAで自分に合った資産形成を!

新NISAでは、自身の年齢や投資の考え方、拠出できる金額などによって、さまざまな活用方法がありますが、資産を増やす目的や期間なども踏まえて、自身に合った活用法を考えてみましょう。

文・馬場正裕(ファイナンシャル・プランナー) 高校教師・学習塾・予備校の講師を経て、現在は金融・保険などのマネー系Webライターとして活動中。主に、金融メディア、SDGsメディア、教育メディアに出稿している。

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