上品に聞こえる
ヒミツの言い換え
意味としては同じことを話しているのに印象が良い人と悪い人、品が良く感じる人とそうではない人、その違いは言葉遣いです。言葉遣いはその人の人格、キャラクターまでを表します。普段使っている言葉を少し言い換えるだけで上品な印象にがらりと変わります。美しい言葉を身に付けましょう。
Q.下記の場合、あなたならなんと言いますか?
お受けできません
→ ●●●●●お受けいたしかねます
楽しみにしていました
→ ●●●●●していました
すみません。分かりません
→ その件につきましては、●●●●●●●●●●●●●●●
大切なのは相手への思いやり!気持ちが伝わる言い方を知って言葉美人に
オフィスで「こんなときはなんて言うべき?」と迷うことはありませんか? 言葉を知らないと会話も仕事もスムーズに進みません。大人が知っておきたい言葉遣いを、ビジネスマナーの講師として活躍中の尾形圭子さんに聞きました。今日からさっそく使ってみて。
“急な仕事や確認をしてもらいたい”
なんて言う?
無理なら大丈夫です
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もし難しいようでしたら
お断りいただいて差し支えありません
解説 「大丈夫」はあいまいなのでビジネスではNGです。また「結構です」と言いがちですが、「結構」は目上の人に使うのは失礼にあたります。また、肯定にも否定にも感じる言葉であり、語感が強いためNG。気持ちが正確に伝わるように言葉を意識しましょう。
暇なときでいいので確認してください
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お手すきの際にご確認いただけますか?
解説 さらに丁寧に言うならば「ご都合の良いときで構いませんのでご確認いただけますか?」。少しカジュアルに言うならば「お時間があるときで構いませんのでご確認をお願いいたします」。なお、「構わない」「結構です」はこちらの都合になるので、目上の人には「お手数をおかけいたしますが、お時間があるときにでもご確認いただけますか」に。
これやっておいてください
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〇〇をお願いできますか?
解説 部下に向けた言葉だとしても「コピーしてもらえますか?」「会議の前日までに資料を準備してくれると助かります」など、具体的なお願いにすることがポイントです。さらに「〇〇さんが一番詳しいから」など理由があると配慮を感じます。
“断りたいとき”
なんて言う?
その日は予定があって行けません
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せっかくのお誘いですが
今回は参加することができません
解説 目上の人からの誘いなら「お誘いいただきありがとうございます。残念ですが、予定が入っているので、また次回お誘いいただければ嬉しいです。申し訳ありません」に。断りの言葉の流れはまずはお礼、次に残念な気持ち、可能な限り断る理由を添え、次回への期待を伝えましょう。
すみません。分かりません
▼
その件につきましては、
私ではお役に立てず申し訳ございません
解説 質問に答えられないとき、要望を断るときは、できるだけほかの方法を提案しましょう。「申し訳ございませんが、私では分かりかねますので確認のうえ今日中にご連絡いたします」「申し訳ございませんが、私では分かりかねますので担当者に代わります」など。
お受けできません
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誠に残念ですがお受けいたしかねます
解説 ほかにも「ぜひお受けしたいのですが、都合がつかないためお受けすることは難しいです」など、受けたいという気持ちを表す言葉を入れると柔らかい印象になります。ただし、はっきり断りたいときは「ご希望に添えず申し訳ございません」とはっきり断るのがスマートです。
“初対面の人と打ち合わせ”
なんて言う?
初めまして、山本です
▼
お初にお目にかかります。
山本花子と申します
解説 初対面ではフルネームで名乗るのがマナーです。また、自己紹介として丁寧であり、印象にも残り、名前から会話が弾む可能性もあります。フルネームで名乗る理由は、同姓の人もいる可能性があるため、というのもあります。
わざわざ来ていただきすみません
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ご足労いただき申し訳ございません
解説 謝罪よりも感謝の気持ちを伝えられる状況であれば「お忙しいところご足労いただきありがとうございます」に。
楽しみにしていました
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心待ちにしていました
解説 または、「心待ちにしておりました」。「楽しみに~」でもNGではないですが、「心待ちに」が謙譲の意を示す美しい言葉です。相手との関係性や状況により使い分けするといいでしょう。
後輩、同僚に使いたい気持ちが伝わる声かけ編
◎会議資料ができた
割と良かったよ
→ 想像以上にいいね。〇〇さんにお願いして良かった
◎プレゼンが失敗した
残念だったね
→ 挑戦するだけですごいよ。何かできることがあったら言ってね
◎アイデアを発表した
普通にいいね
→ 〇〇な点がすてきだね。気にいったよ
◎提案が通った
うまくいって良かったね
→ うまくいくって、ずっと信じていたよ
◎落ち込んでいる
大丈夫?
→ 大変だったね。何が手伝えることはある?お昼ご飯はぜいたくしちゃおうか
◎企画が成功した
頑張ったね
→ よく頑張ったね!本当にお疲れさま
Point 後輩、同僚との会話は少し砕けた表現でもいいでしょう。心掛けたいのは、いつもの言葉に気持ちが伝わる言葉をプラスオンすること。「お疲れさま」だけではなく、相手の気持ちや状況をくみ取った言葉を付けると、受け取った人は温かさを感じることができます。(尾形さん)
印象がアップするクッション言葉編
◎仕事の連絡先を聞きたい
連絡先を教えてください
→ 差し支えなければご連絡先を教えていただけますか?
◎会議の準備をお願いしたい
資料の準備をお願いします
→ お手数ですが資料の準備をお願いします
◎返事がほしい
〇日までにお返事いただけますか?
→ お忙しいところ大変恐縮ですが、〇日までにお返事をいただけますか?
◎謝罪をしたい
申し訳ございませんでした
→ 言葉が足りず、申し訳ございませんでした
日常的に使いたいやわらく、品よく聞こえる言葉編
不本意ですが
→ 大変心苦しいのですが
以前から
→ かねてより
おまけに
→ それに加えて
仮に
→ 万が一
言葉は使えば使うほどうまくなります
上品に聞こえる言葉遣いにはコツがあります。正しい敬語を使うことはもちろんのこと、自分の立場を理解し、謙虚さ、相手への配慮や思いやりが感じられる言葉を使うことです。
また、服装と同じように言葉もTPOに合わせて使い分けすることが大切です。そのためには、たくさん言葉を知っておく必要があります。また、言葉遣いというものは使えば使うほどうまくなります。勇気をもって、いろいろな言葉を使ってみてください。相手の反応を観察すると、そのとき使った言葉が正解だったかどうかが一目瞭然です。知識を広げ、言葉遣いがすてきな人を手本にしましょう。もし、失敗したら次に生かし、成功体験を積み上げることで誰でも「言葉美人」になれますよ。
教えてくれたのは 尾形圭子さん
ヒューマンディスカバリー代表取締役。航空会社、書店などの勤務を経て独立。ビジネスマナー講師や人材育成のコンサルタントとしても活躍中。著書に「新版電話対応&敬語・話し方のビジネスマナー」(西東社)など多数