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新NISAにも落とし穴がある!大損するかもしれない「非課税枠 再利用」の罠

  • 2023.10.21

2024年1月からスタートする新NISA。現在のNISA制度と比べて投資額や非課税保有期間などが大きく拡充します。なかでも大きく変更する点が「非課税枠を再利用できる」というものです。

基本的には非課税枠が再利用できることはメリットですが、使い方によっては有効性を発揮できない可能性があるので注意しましょう。

■現行NISAから新NISAへの主な変更点

まずは変更点についておさらいしましょう。主に5つあります。

・制度が恒久化する。 ・非課税で保有できる期間が無期限になる。 ・投資枠が大きく拡大する。 ・新たに生涯投資枠が設けられる。 ・一般NISAとつみたてNISAの併用が実質可能になる。

大きな変更点のひとつが生涯投資枠です。生涯にわたり1,800万円の非課税投資枠が利用でき、保有株を売却すれば非課税枠が復活する(=再利用できる)という仕組みになっています。

例えば、300万円積み立てて簿価ベースで200万円分取り崩した場合、残りの投資枠は「1,800万円-300万円+200万円=1,700万円」となります。

【新NISAの改正点】

新NISAにも落とし穴がある!大損するかもしれない「非課税枠 再利用」の罠

■非課税枠再利用のメリット

非課税枠が再利用できるメリットは3つあります。

●メリット1:臨機応変に取引できる

新NISAでは保有商品を売却すれば非課税枠を再利用できるので、経済状況の変化や地政学的な問題などが生じた時に、非課税枠を無駄にすることなく臨機応変に取引することが可能です。

なお、現行NISAでは非課税枠が復活しないため、非課税期間内に売却してしまうとそれ以上は投資できません。そのため、臨機応変な取引がしにくいというデメリットがありました。

●メリット2:銘柄選定の幅が広がる

株式投資では、一部のセクターが注目されて株価が上昇することがあります。セクターとは、業種や特性などで企業の株を振り分けたグループのことです。

たとえば、食品や日用雑貨などの生活必需品の製造が主要の企業の株は、「生活必需品」のセクターに分類されます。また、銀行などの株は「金融」のセクターに分類されます。

非課税枠が再利用できるようになることで、これまで持っていた株を売却し、上昇したセクターに分類されている株を購入するといったことも、これまでより気軽にできるようになります。

●メリット3:ライフイベントに応じて気軽に売買できる

結婚や出産、住宅購入、教育といった出費があるライフイベントに対応しやすいというのも新NISAのメリットです。

保有商品を売却しても非課税枠が再利用できるため、非課税枠のことを気にすることなく、ライフイベントに応じて保有商品の売却によりお金を用意することができます。

売却の翌年以降に復活した非課税枠はまた余裕ができた時に利用することができるので、ライフイベントなどに応じて気軽に売買することが可能です。

■非課税枠再利用のデメリット

基本的には非課税枠を再利用できることにはメリットが多いですが、使い方によっては損する可能性もあります。注意すべき点を確認していきましょう。

●デメリット1:短期売買の罠にはまる

非課税枠が復活することで、必要以上に売買をしてしまうというリスクがあります。

たとえば、短期的な株価の動きに一喜一憂して売買を繰り返した結果、かえって損失を招くこともあります。

売却すれば非課税枠が再利用できるからといって、安易な売却には気をつけなければなりません。

なお、非課税枠が復活するのは売却した年の翌年です。年間投資枠は最大360万円(つみたて投資枠年間120万円、成長投資枠年間240万円)なので、この枠を超えて新NISA口座で投資することはできません。

●デメリット2:相場から目が離せなくなる

「売却しても非課税枠が再利用できる」という意識があると、長期投資のつもりで買った商品でも目先の値動きが気になることがあります。

そうなってしまうと、株式市場から目が離せなくなり、仕事や日常生活にも悪影響が出る可能性があります。

●デメリット3:本来の投資目的を忘れてしまう

長期投資するつもりだったにもかかわらず、非課税枠を再利用できることでかえって売却を促してしまうことが予想されます。

■新NISAの非課税枠を上手に再利用しよう

新NISAは恒久化や保有期間の無期限化、非課税枠の大幅な増加、非課税枠の再利用など、現行NISAに比べて大幅に内容が拡充しています。

その一方で、使いやすくなったがゆえに、安易な短期売買で損失を招いてしまうリスクがあります。自身の投資スタイルやリスク許容度、投資の目的などを明確化して、新NISAを上手に活用しましょう。

文・fuelle編集部

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