いつかはやってくる、親との永遠の別れ。それはとてもつらく悲しいことですよね。しかし、悲しみに浸る間もなく、慌ただしく葬儀などが続きます。ゆっくりと後悔がないように見送るためにはどうしたらよいでしょうか。そして親を見送るとき、皆さんは何を思うのでしょうか。20代で母親の介護と看取りを経験したキクチ│片耳なんちょー(@kkc_ayn)さん。今回ご紹介する作品はキクチ│片耳なんちょーが経験した母親とのお別れを描いています。『20代、親を看取る』をご紹介します。
限られた母親との時間を有意義に
キクチ│片耳なんちょーさんの母親は、病気のため寝たきり。状態もあまりよくありません。キクチさんは悔いなく母親と過ごすため、実家に戻り父親と介護をすることにしたそうです。
なるべく自宅での時間が母親にとって楽しいものになるように、と工夫をするキクチさん。徐々に状態が悪くなっていく母親との時間を、有意義なものにしたいと願います。
ついにやってきてしまったその時…
母親との会話や、思い出話を大切に過ごしていたある日、ついにそのときがきてしまいました。
キクチさんは父親と一緒に母親の旅立ちを見届けます。とても悲しい瞬間ではありますが、母親が最期まで頑張る姿を近くで見て、そして家族3人で過ごした時間はかけがえのない思い出でしょう。
いつかはやってくる親との永遠の別れ。皆さんはそのときどんな言葉を親にかけるのでしょうか。考えさせられるシーンです。
家族という大切な人が旅立つ悲しい瞬間。キクチさんのように手を握ってしっかりと声をかけることができたらいいですよね。お母さまもうれしかったことと思います。
「消えていなくなる」そのときまで
親しい人が亡くなると悲しみに浸る間もなく、慌ただしく葬儀の準備が始まります。ゆっくりとお別れをするためにも、話し合えることなどは事前にしておくとよいですよね。キクチさんと父親は、母親をていねいに心を込めて送り出そうと決め、いろいろな話し合いを重ねてきました。悲しい現実から目を背けるのではなく、限られた時間をどう過ごすかに重きをおけることは素晴らしいですね。
そのおかげか、母親の体が「消えていなくなる」そのときまで、じっくりと母親に向き合うことができたようです。
人の死とは、きっと何度経験しても慣れるものではありませんね。遺骨を待つ間、母親の死について改めて考えを巡らせるキクチさん。この作品を読むことで、命について考えさせられます。いつかやってくるその時。後悔がないように毎日、家族として愛情を伝えていきたいですね。
著者:ゆずプー