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「やっぱり俺には無理…!」あっという間にフラれた女性の「最悪な生活マナー」

  • 2023.10.19

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、シェアハウスに入居している21歳女性。シェア仲間と公認カップルになったが…。三松先生が、シェアハウス内での恋愛で気をつけるべきことを教えてくれます!

花梨(21歳)、シェアハウスに入居して絶好調! だが気遣いレスで最悪女のレッテル貼られる

【レスなひとびと】vol. 220

花梨は、メイク動画配信をしている。10万円台の月収から、コスメ代も捻出するのは結構キツイ。しかもそろそろ、今のボロアパートは取り壊し。

初期費用の安い引っ越し先として、花梨にピッタリなのがシェアハウスだった。4.5畳の個室はむっちゃ狭いけれど、キッチンやリビング、映画鑑賞部屋やテラスなど、共有スペースが広いので全く問題ないし。

引っ越しを機に自室で撮った「絶対かわちい おうちデート用すっぴん風メイク&部屋着」は、なんと初の7万回再生超え。ふんわり眉に、赤ちゃんみたいなぷるぷるリップ、ゆるポニーテールに、ショートパンツの部屋着がXでもバズった。いい調子。

ある晩、リビングで動画を編集していたら、シェア仲間で一番いいなと思っていた悠斗くんとふたりきりに。
「花梨ちゃん、いつも遅くまでがんばってるよね」って、ホットココアを作ってくれて、キュン。勇気出して「彼女いるん?」って聞いたら、「いない」って。

「…彼氏に立候補してもいいですか」に「うん!」とうなずいたら、頭の後ろに手を回されて、チュッ。
誰もいないリビングで、ふたりだけのヒミツの夜。ドラマっぽすぎるじゃないか。
そしてシェア仲間公認の仲に発展した。

「ねぇ、悠斗くん。動画も人気が出てきたし、ちょっと手を広げたいなって思って。カップル動画を撮るのって、どう思う?」

「いいけど。でも、他の入居者たちに迷惑かけないようにしないとだよ」

「大丈夫だよ。みんなも、花梨たちのこと見て、結構楽しんでるし」

花梨は「昼間ならいいっしょ」と言って、共有のキッチンで、ふたりが料理している様子を撮り始めた。料理の合間にチュしたりする、イチャイチャ系動画。その間、他の人たちは遠慮して入ってこない。

そんなことが何日か続き、周りがザワツキ始める。
なにも気に留めないKYな花梨にしびれをきらした悠斗が言う。

「ちょっと、まわりに気を遣わなすぎじゃない?」
「なんで? 悠斗は、花梨が人気配信者になるのがイヤなの?」
「いや、そうじゃなくて。みんな困ってるから」
「なんも言ってこないけど?」

「……」

悠斗はため息をつき、自室に戻っていった。花梨がノックしても、まったく返事をしてくれない。その後の動画も協力してくれないし。

共有のリビングで、悠斗をやっと見つけた花梨は
「ちょっと悠斗! あんた、なんなの。動画協力する約束っしょ」と叫ぶ。すると、リビングでPC作業していた同居人たちが、ついに口を開いた。

「ちょっと静かにして」
「っていうか、いい加減に迷惑だよ」
「あんた、シェア向いてない!」
と不満が大爆発。

挙句の果てに、悠斗がポロッと「別れよ。君みたいな無神経なひととはやっていけない」って。普通、みんなの前でフルか!?
プライドズタズタだし、みんなも怒ってる。この先ここで暮らすのは気まずい。でも、お金ないし、どうしよう。

【三松さんからのコメント】

シェアハウス内での恋愛、最近増えてきていると聞いています。20代前半の男女が多いシェアハウス内では、メンバーのうち3分の1がカップルだというケースもあるそうで。
一つ屋根の下で暮らす。長―い合宿みたいなものですよ。

恋も喧嘩も陰口もいろいろ起きることでしょう。確かに彼を探す“場”としてはアリアリな住み家です。家事できるひとかどうかチェックもできるしね! 部屋片付いてるなとか、手料理まめに作ってるなとか。

しかし大事なことを忘れてはいけません。共同の場では、相手の気持ちや、まわりへの配慮。

シェアハウスに入居してくる人の目的は人それぞれ。花梨さんのように、初期費用の安さから選ぶ人もいるし、人脈作りのために入居する人もいる。ひとり暮らしの寂しさが苦手で常に誰かといたい人もいる。夢を叶えることが第一優先で、恋愛をしたがらない人だっている。各自の背景を想像したり、空気を読むことが必要です。シェアハウスはみんなの生活の場。花梨さんのように、自分の目的だけのために共有部を占有する人は、疎まれて当然。カップル動画を撮りたいのならば、まずはお金を貯めて、悠斗くんと同棲を目指せ。

波に乗っている動画配信業をもっと盛り上げていきたいでしょうが、配信者として有名になるほど、気遣いレスなところが浮き彫りになってきます。人気と無視は紙一重。驕り高ぶるな。
現実でもネット界でも炎上を避けるべく、まずはまわりに気を遣える訓練を。世界は自分中心に回っているのではないと腹に据えて。

「シェアハウスの公共の場でエッチっぽいことしちゃって 追い出された住人がいるんだって! 気遣いレスどころかマナーレス。追い出されて当然。気をつけようシェア!」

三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。

©taka/Adobe Stock

文・三松真由美

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