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日本の世界遺産【11】琉球の栄華と独自の文化を物語る 「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」

  • 2023.10.19

国内旅行先として人気の沖縄には独自の文化や習慣が息づいています。なかでも沖縄に点在する「城(グスク・グシク)」は、15世紀頃に建てられたとされ、中国・朝鮮・日本・東南アジアといった国々との交易をもとに栄えた琉球王国の文化の特色を表しています。今回は、そんな「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」に注目。概要や見どころはもちろん、行き方、周辺の人気スポット・グルメもご紹介します。

 

 

当時の日本とは異なる、国際色豊かな独自の文化の表れ「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」

首里城

琉球王国時代の文化をうかがい知れる文化遺産群として、今帰仁城跡(なきじんじょうあと)、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡(なかぐすくじょうあと)、首里城跡、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、玉陵(たまうどぅん)、識名園、斎場御嶽(せーふぁうたき)は、2000年に世界文化遺産に登録されました。

日本列島南端に位置する琉球列島は、14世紀中頃に中山・北山・南山の3王国が分立。しかし、15世紀前半に中山王(ちゅうざんおう)の尚巴志(しょうはし)が首里を本拠地にして、統一政権をうちたて、琉球王国が成立しました。これを機に、中国・朝鮮・日本・東南アジア諸国との貿易を積極的に行い、それが経済の基盤に。国際色豊かな独自の文化が形成されました。

座喜味城

沖縄では「城」のことを「グスク・グシク」と読みます。これらは、当時の沖縄文化の特色を顕著に表しています。今帰仁城・座喜味城・勝連城・中城城は3王国の時代から、琉球王国が成立した時代にかけて創建された城です。首里城は14世紀の半ば頃、琉球王がその居所と統治機関を設置するために築かれました。これらの城壁は、主に珊瑚石灰岩を用いて、曲面を多用しているのが特徴的です。加えて、円覚寺跡、玉陵、識名園(別邸)が王室関係の遺跡として残っています。

見どころは?

正殿基壇の遺構は2026年に公開予定「首里城跡」

国王とその家族が暮らす王宮であり、王国統治の行政機関の本部でもあった「首里城」の正殿基壇(きだん)の遺構は一度は鑑賞したいスポット。首里城跡を象徴する極めて貴重な文化財です。基壇とは、建物を支える土台のこと。これらの基壇遺構は、ほかの瓦などの埋蔵物や歴史的な情報と合わせて、首里城の正殿建物が少なくとも7回建て替えられたことを伝えています。

残念ながら2019年10月31日未明に起こった火災により、この遺構は2023年10月現在、非公開。2026年に完成する正殿の内部で再び公開予定になっています。とはいえ、世誇殿にあるタッチパネルで、解説映像を自由に拡大したり、さまざまな角度から見ることは可能なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

城壁の総長は1,500mにも及ぶ「今帰仁城跡」

沖縄本島の北部を治めていた北山王が住んでいた「今帰仁城跡」も必見です。自然の地形にあわせてつくられた6つの郭からなり、城壁は総長1,500mにも及びます。戦時に備え馬を養い、兵馬を訓練した場所といわれる「大隅(ウーシミ)」は、最も高い石垣が築かれた堅牢な城郭です。

また、平郎門から入って右手にある「旧道」は、曲がりくねった大きな岩盤の谷間を利用した狭く急なのぼり道で、防衛機能を備えています。

琉球王国最高の聖地「斎場御嶽」

©️beeboys / Shutterstock.com

琉球王国最高の聖地「斎場御嶽」もぜひ訪れたい場所。琉球国王や聞得大君(きこえおおきみ)の聖地巡拝の行事を今に伝えます。敷地内には大庫理、寄満、三庫理、チョウノハナという拝所があり神秘的な雰囲気が漂っています。

ただし、神聖な場所なので、肩や背中、お腹などを過度に露出した服装では入らないようにしましょう。

首里城跡・今帰仁城跡・斎場御嶽への行き方

今回、見どころとしてご紹介した3カ所への行き方は下記の通りです。

首里城跡

那覇空港から「ゆいレール」に乗車「首里駅」下車、徒歩約15分

首里城跡

住所:沖縄県那覇市首里金城町1-2

電話:098-886-2020

開園時間:

■4月~6月、10月~11月(無料区域)8:00~19:30

有料区域開館:8:30~19:00(入館締切18:30)

首里杜館駐車場:8:00~19:30

■7月~9月(無料区域) 8:00~20:30

有料区域開館:8:30~20:00(入館締切19:30)

首里杜館駐車場:8:00~20:30

■12月~3月(無料区域) 8:00~18:30

有料区域開館:8:30~18:00(入館締切17:30)

首里杜館駐車場:8:00~18:30

休業日:7月の第1水曜日とその翌日 ※無料区域は年中無休

入場料:大人400円、高校生300円、小・中学生160円

今帰仁城跡

本部循環線やんばる急行バス(那覇空港・那覇市内まで乗り換えなしの急行バス)に乗車「今帰仁村字泊今帰仁城趾入口」下車、徒歩約15分

今帰仁城跡

住所:沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊5101

電話:0980-56-4400

時間:通常期間(1~4、9~12月)8:00~18:00(最終入場17:30)、夏期延長期間(5~8月)8:00~19:00(最終入場18:30)

休日:年中無休 ※ただし、予告なく館内燻蒸、施設管理などによって一部施設を閉館する場合もあります。

観覧料:大人600円、中高生450円、小学生以下無料

斎場御嶽

那覇バスターミナル7番のりばで東陽バス338番「斎場御嶽線」に乗車(約60分)「斎場御嶽入口」下車、徒歩7~10分

※入場券売場(南城市地域物産館併設の券売所)と斎場御嶽の入口は約500m離れており、移動は徒歩になります(7~10分)

斎場御嶽

住所:沖縄県南城市知念久手堅539

電話:098-949-1899

開館時間:3月〜10月 9:00~18:00(最終入場17:30)、11月~2月 9:00~17:30(最終入場17:00)

入場料:大人(高校生以上)300円、小人(小・中学生)150円、6歳以下無料

巨大水槽の中でジンベエザメが優雅に泳ぐ姿を観賞できる「沖縄美ら海水族館」

沖縄で大人気の観光スポットといえば、自然豊かな沖縄の海をそのまま展示することをコンセプトにした「沖縄美ら海水族館」です。「サンゴの海」水槽では、太陽の光が降り注ぐなか、大規模なサンゴを観賞できます。

迫力満点な巨大水槽「黒潮の海」では、世界最大の魚ジンベエザメや、世界初の繁殖に成功したナンヨウマンタの観賞が可能です。沖縄の深海を再現した神秘的な「深層の海」水槽もお見逃しなく。飼育が困難な水深200~700mで生きる深海の生き物を見ることができますよ。

さらにオキゴンドウやバンドウイルカによる「イルカショー」も! ショーを通じてイルカの生態や能力についても学べます。2023年9月1日からイルカショーはイルカラグーンで開催中です。

熱帯ドリームセンター

また、沖縄美ら海水族館がある海洋博公園内には、熱帯・亜熱帯の花や果樹、2,000株以上のランを展示している「熱帯ドリームセンター」のほか、熱帯・亜熱帯の植物を集めた「見本園」や都市緑化に関する情報が盛りだくさんの「熱帯・亜熱帯都市緑化植物園」、琉球王国時代の沖縄の民家や村落を再現した「おきなわ郷土村・おもろ植物園」、沖縄を含めた太平洋地域における海洋民族の歴史や文化を学べる「海洋文化館・プラネタリウム」といった見どころがいっぱいです。

沖縄に行ったら食べたいのが「沖縄そば」。そば粉を使わず小麦粉だけを使い、かん水で練って作る太めの麺、そして、豚骨やかつお節の濃厚なだしで仕上げたこってりとした汁が特徴で、トッピングは三枚肉、紅ショウガ、かまぼこ、島ねぎなどです。

沖縄そばのルーツは、 明治中期に唐人が那覇にそば屋を開いたのが始まりとされています。専門店やレストランなど気になるお店でぜひ味わってみてくださいね。

沖縄美ら海水族館

住所:沖縄県国頭郡本部町石川424

電話:0980-48-3748

営業時間:通常期8:30~18:30(入館締切17:30)、繁忙期8:30~20:00(入館締切19:00)

休館日:2023年の休館日は現在、調整中ですが、11月末までは、休館日の予定はありません。

入館料:大人2,180円、中人(高校生)1,440円、小人(小・中学生)710円、6歳未満無料

交通アクセス:那覇空港から空港リムジンバス、やんばる急行バス、117番系統高速バスに乗車「記念公園前」下車、徒歩15分

[参考]

沖縄生麺協同組合

[All photos by Shutterstock.com]

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