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グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉情緒に富む都心の古民家で、ゆるり蕎麦を手繰る

  • 2023.10.19
グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉「せいろ」

蕎麦おさめ(目白)

情緒に富む都心の古民家でゆるり蕎麦を手繰る

目白通りから裏路地に入る。石畳の道の脇に、フッと暖簾(のれん)が現れる。こんなところにこんな渋い仕舞(しも)た屋があったとは。

グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉「せいろ」
蕎麦は在来種に特化。西麻布の店でも在来種は手がけていたが、せいぜい3、4種だった。「土地土地の個性豊かな在来種が絶滅しないよう、サポートになれば」と、現在は20種ほどを扱う。なるべく畑を回るようにしているそう。今日は鳥取・伯耆(ほうき)在来の玄挽きそば1,320円。力強く香り豊かで味わい深い。
グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉「玉子焼き」
蕎麦前に玉子焼きは欠かせない。宗太ガツオとサバ節のだしをたっぷり含んでふわっとろの食感。かなりのボリュームなので、一体何個の卵を使っているのかと思いきや、「2個」とのこと。焼きたてを染めおろしで。880円。
グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉「とりもも肉の醤油麹焼き」
大山鶏を醤油麹に漬け込んでおき、オーダーが入ってからジューシーに焼き上げる。表面にも醤油麹をちょいとのせ、シシトウを添えて。メインディッシュといってもいいくらいの満足感。日本酒にもぴったり。1,430円。

「西麻布から移転する際、古民家がいいとは思っていたんですけど、まさか都心にこんないい物件が出るとは」と、店主・納(おさめ)剣児さん。元は茶道の先生宅だったそう。床暖房や二重サッシで防寒するなど、元の雰囲気を残しつつ、細やかな改装を施した。風情あふれる店内だ。

昼席ならば、きちんと手を入れた庭を眺めつつ、夜ならば、壁に掛かった浮世絵や骨董の壺を眺めつつ、一献。つまみは、「蕎麦屋の一品」と書かれたメニューから。焼き味噌や板わさなど、安心のスタンダード系ラインナップ。

日本酒、焼酎はもとより、シャンパーニュ、白・赤ワインとドリンクも充実。適度に飲んだら〆の蕎麦へ。冷たい蕎麦は、せいろ、粗挽き、玄挽き、と通好みの並び。温かい蕎麦も3種用意。蕎麦の余韻に包まれながら、店を後にしよう。

グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉店主の納剣児さん
納さんが蕎麦をゆで、すぐに氷水できりっと締める。
グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉店内
妻の兄は庭師の親方、父は骨董コレクター。しつらえの強力応援団だ。

Information

蕎麦おさめ

〈そばおさめ〉
住所:東京都新宿区下落合3-21-5
TEL:03-6908-2362
営:11時30分〜14時LO、17時30分〜20時LO
休:月曜・火曜

2023年4月28日オープン。店主は、〈竹やぶ〉〈大川や〉〈東白庵かりべ〉で修業。ぜんまい880円や汁なしそば(お代わりに)990円といったメニューに、〈竹やぶ〉出身の片鱗を感じる。昼は完全予約制のコースのみ5,500円、夜の蕎麦三昧コースは9,350円。蕎麦前は酒をおいしく味わう、王道を行くシンプルで渋いもの中心。日本酒は5勺660円〜、白ワインはグラス1,100円。蕎麦屋の一品は660円〜、蕎麦はせいろ1,320円〜。20席。個室4人1卓。

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