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インボイスのよくある「勘違い」3選

  • 2023.10.17

インボイス制度が始まりましたが、制度の仕組みが複雑なこともあり、いくつか“勘違い”している人がいるようです。これからインボイス制度の登録を考えている人に限らず、既にある程度わかっている人も、改めて次のよくある勘違いの内容を確かめてみましょう。

■勘違い1 10月1日以降は登録できない・一度登録したら取り消せない

インボイス制度は10月1日から始まりましたが、今からでも15日以降を登録の希望日として申し込めば、課税事業者になれます。

また、既に登録が済んでいる課税事業者は「登録取消届出書」により取り消すこともできます。もし2024年中に取り消したい場合は、2023年12月18日までに届け出ることが必要です。

■勘違い2 登録番号がない領収書では経費で落とせない

インボイス登録番号がない領収書でも、経費として収入金額から控除して、“所得税など”を節税することはできます。あくまで、経費にできないのは“消費税”のほうなので注意しましょう。

ただし、登録番号がない領収書でも、基準期間(2年前)の売上げが1億円以下の事業者は、1万円未満の経費なら帳簿に載せることで、2029年9月30日まで消費税の経費にできます。当てはまる人は忘れずに領収書の金額を確かめるようにしましょう。

■勘違い3 「2割特例」と「経過措置」の2割負担は同じもの

インボイス制度が始まると同時に「2割特例」と8割控除(2割負担)の「経過措置」が設けられましたが、この2つは似ているようで違う制度です。

「2割特例」は“お金を受け取る”人に当てはまる制度です。本来、インボイスに登録した課税事業者は、売上げた金額にかかる消費税のすべてを納めなければいけませんが、この制度があるので2割のみを納めるだけで済みます。売り上げの消費税から仕入れの消費税を差し引く計算が不要で、2026年9月30日までこの制度が使えます。

それに対して、8割控除の「経過措置」(2割負担)は“お金を払う”(仕入れる)人に当てはまる制度です。本来、課税事業者は、仕入れる相手が免税事業者の場合、売り上げた金額にかかる消費税から、仕入れた金額にかかる消費税を控除できません。しかし、この制度があるため8割まで控除でき、2割の負担だけで済みます。

期間も2割特例と似ていますが、2026年9月30日まで8割控除、2029年9月30日まで5割控除、それ以降は控除がなくなるといった経過的な措置です。

文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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