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落雁や練り切りのような伝統的中華菓子。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】

  • 2023.10.16
出典 andpremium.jp

台湾の伝統菓子には「緑豆糕(リュィトウガオ)」や「花生糕(ホワセンガオ)」「芝麻糕(ツーマーガオ)」といった「糕」という文字が入ったものが見られる。原料はそれぞれ緑豆粉やピーナッツ粉、ゴマで、これにラードや油、砂糖などを加えてペースト状にし、木型に入れて作ったものだ。見た目は落雁のようで、材料は店によって異なる。しっとりとした食感のものもあれば、ホロホロと崩れていくものもある。さらに冷やして味わうタイプの「緑豆冰糕(リュィトウピンガオ)」は、中に餡が入っており、まるで練り切りのようなスタイルだ。今回は1981年に開業したベーカリー『一之軒』と、日本統治時代の1932年に創業した老舗『龍月堂糕餅鋪』の伝統菓子を食べ比べしてみたい。旅先のホテルで、または自宅で台湾茶と一緒に味わってみてはいかが?

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ベーカリーが生み出した創作緑豆糕。

パンや洋菓子を扱う『一之軒』。ここで隠れた人気を誇るのが「緑豆冰糕」だ。2代目オーナーの廖珮綺さんによれば、ここでは緑豆の皮を取り除いた中身の「仁」を低温で処理し、爽やかな風味を作り出している。豆ぐささは一切感じられず、口の中でふわっと溶けていくような食感がたまらない。餡にはトレハロースを使用し、甘さは控えめ。小豆餡のほか、ほうじ茶餡やタロイモ餡がある。これらは8個入りのほか、2個入りもあるので、気軽に試せるのが嬉しい。新作は梅の花の形をした梅味で、程よい甘酸っぱさがクセになる。冷蔵庫で1週間、冷凍庫では1か月間の保存が可能。台湾北部には30店舗あり、なかでも忠孝敦化店はヴィーガン向けベーカリーとして注目されている。

一之軒
イーズーシュエン

台北市大安區敦化南路一段197號(忠孝敦化店) 02−2711−5001 7:30~22:00 土日10:00~21:00 無休 緑豆冰糕8個入り140元~。

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フランス菓子の要素を取り入れた伝統菓子。

下町風情が色濃く残る大稲埕にある老舗。3代目の林士淵さんは東京の製菓学校で学んだ後に洋菓子の名店『ら・利す帆ん』で修業した経験をもつ。帰国後、祖先から受け継いだ味を現代風に改良し、白砂糖の代わりに、自家製フォンダン(洋菓子で用いられる砂糖と水を混ぜたもの)を使用している。また、花生糕と芝麻糕にはラードは用いず、ピーナッツ油やゴマ油を用い、蒸した小麦粉を混ぜ、軽くて歯触りの良い食感を作り出している。表面には長寿を意味する「寿」の字がかたどられており、寺廟の祭典時にはお供え物として用いられる。緑豆糕は親指第一関節ほどの大きさで、ホロッとした食感。こちらは6個一組で、紙に包む昔ながらのスタイル。今では希少な存在となっている。

龍月堂糕餅鋪
ロンユエタンガオピンプー

台北市大同區延平北路二段169號 02−2557−8767 8:00~20:30 土休 緑豆糕、花生糕、芝麻糕は各25元。賞味期限は約2週間。

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文/片倉真理
※この記事は、No. 119 2023年11月号「&Taipei」に掲載されたものです。

台北在住ライター・コーディネーター 片倉真理
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1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

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