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【ドラマどおりの名君】『イ・サン』と『赤い袖先』が描いたイ・サンの功績とは?

  • 2023.10.15

人気ドラマの主役となった『イ・サン』のイ・ソジンと『赤い袖先』のイ・ジュノは、22代王のイ・サンを象徴的に演じていた。二つのドラマを見ていると、主人公になっているイ・サンが本当にすばらしい名君として描かれている。

これは、歴史的な事実としても同じであった。イ・サンは、まさに国王の中のきらめく存在であり、その業績は非凡であった。ドラマにおけるイ・ソジンやイ・ジュノの存在感と同様に、史実のイ・サンは思慮深く、学識も豊かで、政治的なセンスが抜群であった。

そうした業績の中でも、特に称賛されるのは、公平に優れた人材を登用したことである。即位前より彼は社会の階層に囚われて出世の道を塞がれている人々を熟知していた。それは国としても計り知れない損失であった。

そんな状況を特に憂いていたイ・サンは、身分制度の問題を解消するための策として、奎章閣(キュジャンガク)という施設を活用した。この場所は、王朝の資料を保存する場所としての役割を持っていたが、彼はそれにとどまらず、政治改革の拠点にした。

そして、優秀な人材……特に身分が低くて不遇な人々を集め、研究に専念させる場として奎章閣の役割を強化した。この施策は見事に実を結び、奎章閣は王宮の固定観念から解放され、生気あふれる場となった。それによって、人材育成の新しい風が吹き、派閥争いを乗り越えた公正な人事が実現された。

イ・ソジンとイ・ジュノは名君イ・サンを颯爽と演じた(右の写真=NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)
開放的な時代

それは、なんと誇れる成果であったことだろうか。本当に才能ある人が自分の職能を最大限に発揮できるという環境の中で、さまざまな分野が育っていった。それを促したイ・サンの政治改革は、庶民の暮らしを豊かにし、文化の面でも開放的な時代を築き上げた。その結果、彼の時代は、文芸がどんどん隆盛を迎え、名君のもとで芸術も華麗に花開いたのである。

そうした時代を華麗に描いたのが『イ・サン』であり『赤い袖先』であった。二つのドラマには、名君としてのイ・サンの魂が存分に表現されていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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