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“落ち着きがない”を長所にするために親が身につけたい5つの対処法

  • 2023.10.13
出典:あんふぁんWeb

元気なのはいいけれど、静かにすべきところでじっとしていられなかったりするわが子に「落ち着きがない」と感じたことはありますか? 未就学児のときはいいけれど、これから入学を控えた時期になると、「こんなことで、小学校生活は大丈夫なのかな」と不安に思う保護者も多いかもしれませんね。

今回は、心理カウンセラーの立場から「落ち着きがない子」への対処法を紹介します。実は「落ち着きがない」ことはマイナス面ばかりではないんですよ。

「もうすぐ小学生」の年代の子はパワフル

もうすぐ小学校に上がる5~6歳ごろの子どもは、なぜ落ち着きがないのでしょうか? 落ち着きがない理由を探ってみましょう。

出典:あんふぁんWeb
感性が鋭いから

当然のことながら、大人の視点と子どもの視点は大きく違います。大人にとっては日常的な事柄も、子どもにとってはエキサイティングなものに感じることも多いでしょう。

とりわけ、小学校入学を目前にした5歳前後では目にうつる多くのものが新鮮で、四六時中刺激を受け、興奮している状態です。一つひとつが重要な刺激であるといえます。

ガマンする力が未発達だから

静かにしていなければならない場所でおしゃべりしたり、座っていてほしい場所でうろうろしたり…。それは、ガマンする力が未発達だからかもしれません。本人も、「ここでは座ってる」「お話しない!」とわかっています。しかし2つのことが一度にできるほど発達していないので、大人のように、興味のあるものを目で追いながら落ち着いた振る舞いをすることはできません。興味のあるものを見ると体が動くし、気になることがあれば口から出てしまいます。何らかの異常ではないかと心配する親も多いですが、単に発達段階の途中にいるだけのケースが多いのです。

親がそばにいて安心しているから

落ち着きがなく、親が子どもに対して「しっかりしていなくて心配」と感じてしまうのは、親の前だからかもしれません。目の前から親がいなくなると、急にしっかりする子は多いものです。

小さな子どもは、親がそばにいて安心だと感じていると、自制心を横に置き、自由な感性を思うままに発揮しやすくなります。親がそばにいないときは緊張しているため、自制心が強くはたらき、緊張感から感性の働きも鈍くなり落ち着いているように見えます。つまり、落ち着きがない行動をとるのは、安心している証拠ともいえるのです。

「落ち着きがない!」への5つの対処法

このくらいの年代の落ち着きのなさがある程度はしょうがないとわかっても、もう少しなんとかできないものか…と思っているのなら、以下の5つの対処法を試してみてください。

親自身が落ち着いて、根気よく教える

子どもに対して「落ち着きがない」と感じたとき、親のほうが取り乱して大きな声で子どもを注意したり、叱ったりしていることがよくあります。実はその環境をよく観察すると、日常的に親がイライラしていたり、せっかちに振る舞っていたりすることも多いものです。

まずは、親が落ち着いた振る舞いを子どもに見せることが大切。落ち着きがない子に対しては、叱るのではなく、静かに言って聞かせる工夫が必要になるでしょう。同じことを何度も繰り返し言い聞かせることになりますが、何度も言うこと自体が大切なのであって、何度言ってもわからない!とイライラする必要はありません。

子ども自身の力を信じる

子どもがもっている理解力や自制心など、子ども自身の力を親が信じてあげるのは大切なことです。子どもに落ち着きがないとき、何度でも親が子どもへ静かに言って聞かせることができるのは、「言って聞かせればわかるはず」と子どものことを信じているからです。その信頼が子どもへ伝わり、やがて成長が追いつけば、子どもは必要なときに落ち着いた振る舞いができるようになります。

しかし、親が子どもを信頼していなければ、子どもに落ち着きがないときに大きな声で叱ったり、場合によっては怒鳴ったりしてしまうでしょう。子どもも、親が自分を信頼せず、大きな声で威圧し、人格を軽んじて支配しようとしていることを感じとります。支配には反発しようとする力が働くため、なかなか落ち着かないという悪循環に陥りやすいでしょう。

落ち着きとはなにか具体的に指導する

「落ち着きなさい!」と言われても、子どもはどうしたら良いかわかりません。何もしないことかな、と思うかもしれませんが、たくさんのことを感じ取る好奇心の強い子にとっては、何もしないなんてムリな相談です。

そこで、具体的にどうするのが良いのかを、子どもに言葉で指導します。例えば、「たくさん人がいる中で走り回らない」「人が話しているときに他のことをしない」といったことなどです。今どのような態度や立ち居振る舞いでいるのが、この場にあっているのかを、入学前の子どもに分かるように噛み砕いて伝えましょう。

ゆっくりと子どもの成長を待つ

成長の段階が追いつけば、徐々に落ち着いてくる子どもがほとんどです。親の側には、ゆっくりと子どもの成長を待つ心構えが必要になるでしょう。特に、成長の段階が追いついていない状態でいくら声を荒らげて子どもを叱っても、落ち着きが出てくるわけではありません。子どもの自尊心を傷つけるだけの結果になってしまうため、控えるべきです。

親の目から見ると“わが子だけ”が落ち着きがないと思ってしまいがちですが、実はそうでもないんです。どの親も似たようなことを思っています。わが子を「落ち着きがない」と感じない親は、逆に「動きが遅くて困る」「みんなについていけないのではないか」と感じていたりします。どちらのパターンでも、子どもの個性を重んじつつ成長を待つのが得策です。

バランスの取れた食事や適度な運動を心掛ける

子どもも大人も、心理のはたらきは、脳や体の状態に大きく関わっています。好き嫌いもあるため一概にはいえませんが、体内の栄養バランスを整えるため、できるだけバランスの取れた食事や適度な運動を心掛けることが大切です。

落ち着きのなさは将来の行動力につながることも

親から見ると「困った性格」に感じられることが多いですが、落ち着きのなさは将来的に、好奇心の強さや、いざというときの行動力につながっていく可能性もあります。また落ち着きがないのは、頭の回転や、鋭い感性への反応が早いということでもあるでしょう。幼い頃の落ち着きのなさは、必ずしも短所ではないのです。

子どもの個性を、親がまず長所として認めてあげることはとても大切です。親が落ち着きのなさを、将来的な長所として扱えば、その部分は子どものなかで、長所として成長していくでしょう。

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