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ものを捨てられない親と「終活の断捨離」言ってはいけないNGワード①【親の「終活」を考える#2】

  • 2023.10.13
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「終活」という言葉がめずらしいものではなくなった、人生100年時代の今。

大切な人だからこそ、「最期」や「いなくなったあと」を想像することはどうしても後回しにしてしまいがち…。

だけど、大切な人だからこそ、大切に考えたい、大切なことが「終活」には詰まっています。

連載「親の終活を考える」では、Sitakke編集部も自分事で「親世代の終活」に向き合います。

2回目のテーマは「断捨離」 終活の断捨離は何が違う?

2回目は終活の「断捨離」について。

今回は一般社団法人「終活マイライフ」の理事で終活カウンセラー・整理収納アドバイザーの資格をもつ西藤博子さんにお話を伺いました!

実は西藤さん自身も2022年の12月にお父さんをがんで亡くしたばかりだそう。

収納の知識をもつアドバイザーとしての目線だけではなく、お父さんを自宅で看取った3か月と、そこに至るまでの家族とのやり取りの中で、西藤さん自身が直面した「終活の断捨離」を実感を伴って教えてくれました!

「私自身が実家で父のものを片付けたとき、今思ってもNGなことを連発していたなーと我ながら反省しているんです(笑)」と話し始めてくれた西藤さんに色んな疑問をぶつけてみましたよ。

いざそのときが来たら、「プロ」に任せればいい!…なんて現実は甘くない

Sitakke
終活マイライフ 西藤博子理事

「断捨離」というと、いわゆるものを捨てるイメージですよね。

実際、親が長く暮らしてきた家一軒を「断捨離」するというのはなかなか大変な作業です。

離れて暮らしていて、お仕事もしていたら、なかなか時間もとれないというのも現実。

親が亡くなったら、そのときにまとめて業者に頼んで片付けてしまおう、なんて考える方もいらっしゃるかもしれません。

では、一軒家でまるごと、家具も含めて処分するとなると、家財整理業者に頼むのに大体いくらかかるか…想像つきますか?
家一軒の家財をまるごと処分するのに、業者にお願いしてかかる費用は…

実は 50万円以上 。それも、もっと高くつく場合も決して少なくないと考えてください。

そのうえ、いざ頼もうとしても専門業者は多忙です。

見積もりを頼もうにも、実家の内部を把握していないと、実際の処分までにさらに時間がかかってしまうことがほとんど。

専門業者に頼むにしても、いるものといらないものを事前に分けておければ、処分の費用はずいぶん変わってきます。

ゴミ袋に入れられるものは自分で出せますし、リサイクル業者や清掃工場に自分でものを持ち込むという手もあります。

Sitakke

何より、まるごと捨ててしまうより、親の大切にしていたものは何なのか、処分するにしても他人ではなく子ども自身がわかったうえで処分した方が、気持ちの整理にもなります。

終活の断捨離は実は「捨てるにあらず」!?

では実際に親の終活の断捨離をするとき、まず心に留めてもらいたいことがあります。

「終活の断捨離」は実は 捨てることが目的ではない ということです。

終活の断捨離は「捨てる」というより 「把握する」「整理する」

この意識が実は一番大事です。

年齢を重ねると、気力・体力がともに落ちてきます。

片付けそのものができなくなってくるんです。

そして、私の父がまさしくそうだったんですが、高齢になると、絶対にといっていいほどものを捨てたがらないんですよね。

「捨てて」といってもちっとも取りかからなくて喧嘩になる…なんてこともしばしばでした。

私がセミナーなどでアドバイスをするときは、まず 「元気なうち、判断できるうちに片付けましょう」 ということをお伝えしています。

そして、それに加えて 「安全に暮らすために整理をしましょう」 とお伝えしているんです。

安全に暮らす断捨離って?①自宅の事故、大丈夫?

実は高齢社会白書(内閣府)によると、高齢者が「事故」にあう可能性は自宅、それも「居室」が一番多いんです。

Sitakke
終活マイライフセミナー資料より 高齢者の事故は圧倒的に「自宅の居室」が多い

ものがいっぱいの部屋の中で、例えばトイレまで行くだけでも何かにつまづいて転ぶ…なんてことがあって、こういう結果になっているんですね。

安全に暮らす断捨離って?②災害のとき大丈夫?

あとは食器類で大きくて重くて普段使いしないものを上の方にしまっているなんてケースも危険です。

地震が起きたとき、それらは凶器となって飛んできますから。

Sitakke

これは防災面でもまずとりかかってもらいたい部分です。

安全に暮らす断捨離って?③カビにほこり…大丈夫?

それから、押し入れの中やたんすの上にダンボールをおいて、そのなかにアルバムやら服やら…色んなものが入っている。

そんなお家も、決してめずらしくないと思います。

でもダンボールってほこりなどをすごく吸着しやすいんですよ。

そこからカビの胞子が飛んで、呼吸器の中に入って、病気になるケースもある。

箱に入っているからいい、ではなくて、一度中身を把握して整理することが大切です。

元気に過ごすために「提案」を

こういう場合、「お父さんとお母さんの 体が心配だから、一緒に片付けない? 」と 「提案」 をしてみてほしいんです。

元気を維持するため、ケガや病気を予防するために整理をしましょうということです。

このとき絶対NGな言葉があるんです。

私も何度父とやりあったことか…(苦笑)

断捨離のときに、絶対NGなのは、 「使ってないでしょ」「いらないでしょ」 と言ってしまったり 「勝手にものを捨てる」 といった行為をしたりすること。

やっぱり、どんなに家族でも価値観はその人それぞれ。

周りの人がみて、「使ってない」「不用品」「ごみ」と思うものでも、本人にとっては何か思い入れがあって、捨てたくないものっていうのもあるんですよね。

私も父の私物を勝手に捨てたことがあり、晩年までずーっと恨み言を言われました(苦笑)。

みなさんは気をつけてくださいね。

捨てることを拒否されたら…?

じゃあ捨てるのを拒否されたら、どうするか。

まずは空いているスペース、部屋があれば邪魔にならないように移動します。

そして、できるだけほこりをはらうことができるプラスチックのケースにいれましょう。

Sitakke
100円ショップやホームセンターでさまざまなサイズが手軽にそろいます

透明だと、中に何を入れているかもわかりやすくておすすめです。

食器類であれば、上に重ねられているのを、安全な下の方に移動するだけでもいいです。

せっかく片付けにいっても、移動するだけ?でも「見える化」が大事!

正直、ここまで話を聞くと、それじゃあ結局ものが減らないのでは…と思うと思います。

それはもしかしたらそうかもしれません。

でも、 それでもいい! と割り切りましょう。

目的は、整理すること。把握すること。

捨てることが「ゴール」ではありません。

捨てられなくても、どれくらいのものがどこにあるのかは把握できる。

取っておくにしても親本人の優先順位もわかってくる。

これってすごく不思議で、子どもたちが「これってお父さん(お母さん)らしいよね」って思っているものと、本人が本当に好きで大切にしているものって意外と違ったりすることもあるんです。

さらに、一度整理することで、もう一度「これは本当にいる?」と聞いたときには、本人に捨てる気持ちの整理がついていることもあります。

親のものについて、どこに何があって、親って本当は何が大事でどんなものを大切にして生きてきたのか、私たちが把握できて整理できることが何より大事なんです。

とはいっても、せっかく始めた「断捨離」です。

あれもこれも捨てたがらない姿についイライラ…とってもわかります!

そんなとき気をつけたいNGワードが実はもうひとつあるんです。

つづきは…
▼いつかは訪れる「親の死」…断捨離中に言ってはいけないNGワード②【親の「終活」を考える#2】

***

文:Sitakke編集部あい

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