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頼れる男を待つ女は幸せになれない!

  • 2016.1.10
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頼れる男を待つ女は幸せになれない!

仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。「マメでセンスのいい男っていないよね…」と、不満をたれる女子諸君。もう頼れる男を求めるのはやめにしませんか? ドンカンな男に期待を膨らませるよりも、実は女が引っ張る恋愛は幸せがいっぱい。2016年版の幸せのカタチは、女次第かも!
【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.22

好みの男について質問すると、きまって必ず「頼りがいのある男」という注文がついてくる。私もその場で「だよね〜」と相づちは打つものの、改めて考えると「ハテ、大人の女にとって“頼れる”とは、なんぞや?」と疑問が残る。

たとえば、自称頼れる男が好みという美人OLのS子に、リーダーシップバッチリの男性を紹介すれば、「イイ人だけどちょっと押しが強い…」と難色気味。それならタイプを変えて、しっかり者だけど控えめな男性をあてがえば、「なんだか盛り上がらない」とまた断りモードなのだ。

「紹介するこっちの気持ちを考えろ!」とまではいわないけど、頼れる人がいいと言うのに、頼りがいのある男を前にすると「なんか違うんだよね〜」とリアクションする女子は多いものだ。

ハードル高すぎ、女基準の頼れる男

この前もルノアールでお茶をしていたら、2人組の婚活中らしい女性が恋バナトークに花を咲かせていたのだが、その内容がまた凄かった。

「彼氏さ、本当頼りないんだよ!!!!」と、前のめりでショートカットの女性がまくしたてる。

「この前私誕生日だったんだけど、プレゼントは何だったと思う!? しょっぼいアクセサリーみたいな時計だったんだよ!!!」

(わかるわかる。男からのプレゼントでドンピシャな物が来ることって、まずないよね)

「別に数十万の時計が欲しいなんて思ってないよ! ル●アとかク●ッシーで十分なのに、よりによって雑貨屋で売ってるような時計でさ、本当この人との将来が心配になっちゃった」

(ん〜でも、男からしたらそもそもル●アを知らないと思うけど)

「私もう失望しちゃってさ、改めてネットでその時計の値段調べちゃったの。そしたらたったの5,000円!!! 私ってそんな安い女なのかな? もう本っ当信じらんなくて、結局自分で時計買い直しちゃった(笑)」

と、話はズレていくのだが、値段を調べるのはどうかと思うものの、失望した後に自分の欲しいものを自分で手に入れる姿は、なんと頼もしいではないか。ちなみに相手男性の職業は聞いていると公務員だとか。経済力は十二分に頼れそうだけど、そこじゃないんだな…。

そういえば昨年のクリスマスの翌日には、オークションサイトに大量のブランドのアクセサリーが出品されるという悲しい事件が発生したそうだ。そのプレゼントがどういう理由で出品されたか分からないが、女の好みではなかったのだろうと思うと、女が望む“頼れる男”という像は、やっぱりエベレスト級に難しい理想像なんじゃなかろうか。

男の気持ちになってみる体験

この頼れるという当たり前のようで高いハードルは、どう乗り越えていったらいいのだろう。よくノウハウ本には「相手のイイトコロを見つけるようにしよう♡」なんて書かれているが、そんなぬるい解決策では納得できない時代だと思う。そこで私は、クリスマスにあるチャレンジを試みたのだ。それは、

「“頼れる男”になりきると、何が見えるかチャレンジ!」

このチャレンジは、その名の通り「今まで“男のもてなし力”に頼って満足感を得ようとしていた甘ったれた女(というか私)が、改めてもてなし力を男のために全力で発揮してみて、その苦労と難しさを噛み締める」というものである。

決戦は2015年12月25日。7年ぶりのハナキンのクリスマスである。ひとまず、都内人気ケーキ屋でクリスマスケーキを予約するところから始めるが、この後が思った以上にツラかった。

まず、レストランの予約は当然取れないし、探すのがかったるい。そもそも忘年会シーズンに入ってから探しているのがダメなのだが、年末手前の忙しさの中で、雑誌を読んだり食べログをチェックする時間は取れるわけもない。結局25日はデパ地下グルメでちょっと贅沢なディナーにプラン変更。が、この決断がさらにまずかった。

25日、仕事を終えて渋谷のデパ地下へ向かった私は硬直した。そこは大混雑のカオス!

老若男女がギッチギチで、チキンやらオードブルやらを押し合いへしあいながら買い求めている。人とぶつかり「スミマセン!」を1分間に5回くらい繰り返しながら、楽するためにデパ地下を選択したのに、行列に並ばなければいけないし、買い物袋は重いし、終始売り込みの大声が響く店内で、この企画を相手の誕生日に実行しなかったことを大変後悔し、絶望する。

「クリスマスなんて爆発しろ(怒)」

人ごみにパワーを奪われ判断力を失った私は、チキンもどこで買ったらいいか決められない無能モードに。その結果、やみくもに店と店の前をうろうろし、小一時間消費。「こんなことなら、無理やりお店を予約するんだった」と反省しながらデパ地下の戦いに敗れるのだった。

こんな調子でプレゼント購入やケーキの受け取りをし、全力で普段使わないもてなし力を発揮した結果、「イベント事ってちゃんとやったらクソ大変じゃん!」とディナー前にげっそりする自分がいたのだった。

恋愛は頼れる女が幸せを掴む!

がしかし、ヘトヘトの体をいたわりながら自分勝手なクリパ開催が終了すると、気持ちは一転。けっこう楽しかったのである。というか、今までいろんなクリスマスを過ごしてきたが、その中でも特に楽しかった!

まず、食べ物も酒も、全部自分の好きなものが食べられる。そして頑張って仕事の合間に準備したという満足感が、最後はそれなりのやりきった感に変わっていた。そして何より、欲しいプレゼントを相手にメーカーから指定したため、本当に欲しいものがもらえた。

プレゼントは天下のAmazon様から直送されたため、そこにロマンチックさは皆無であったが、当初、男の苦労を体感するという目的で始めたチャレンジも、こんな自分好みに恋愛が運べるのなら、もうイベントに限らず恋愛自体、ぐいぐい女が引っ張ったほうがうまくいくのではないか。

見渡せば、外食知識やトレンド知識は、男よりも女のほうがうんと高い時代である。そんな女子が満足する食事やプレゼントなんて、毎日牛丼ばっかり食ってる男が(これは偏見)、ある日突然叶えてくれるハズがないのだ。

「それでもトクベツな日は彼に頑張って欲しい」

という乙女心もあるけれど、それはつまり、普段電車にしか乗らない現代男に、今日はトクベツだから白馬に乗れと命令する無茶ぶりだ。

結果、コケてかっこわるい彼氏の姿に「やっぱこの男ダメだわ…」とムダにゲンナリするのなら、「私が乗れるから」と白馬にでも自転車にでも二人乗りして、恋愛道を進むほうが、こだわり強めの私たちは、幸せが掴めるかもしれない。

ただし、個人的には大きな収穫であったクリスマス大作戦も、1つだけ課題を残した。それはプレゼント含め今回合計30,000円くらい使ってしまい、年末を前に財布がさみしくなったことである。外食していたらプラス1万円くらいしたと思うと、今まで頑張っていた男性の苦労に頭が下がる。

今後も女が引っ張るのはいいのだけれど、お金の問題はやっぱり男に頑張ってほしいものだ。って、この精神が「女はどうしようもない!」とか言われるのかもね。

おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。

HP:http://oshimarie.com

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