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【内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように】 「第6回 秋色の紫陽花を楽しむ」

  • 2023.10.13

丁寧な暮らしぶりやセンス溢れる素敵な着こなしで人気を集める内田彩仍さん。週に一度、日々のなかで内田さんが見つけた小さな幸せや、暮らしの工夫をお届けします。第6回は、内田さんが一番好きなお花でもある紫陽花の楽しみ方について。「明日もいい日になりそう」と、皆さまが穏やかに前を向けますように。

内田彩仍さん Profile

福岡県在住。夫と愛猫そらと暮らす。雑誌などで紹介される丁寧でセンスのある暮らしぶりが人気。 『内田彩仍さんと作った 白のキャンバストートバッグBOOK』(宝島社)、『幸せな心持ち』(主婦と生活社)など著書多数。 2023年10月に、新刊『変えること変わらないこと: 人生後半を機嫌よく過ごせるよう見直した毎日の暮らし』(主婦と生活社)が発売予定。

朝夕めっきり涼しくなり、爽やかな秋風が心地よい季節になりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
いつも着ている部屋着はワンピースなのですが、つい先日まで半袖で過ごしていたのに、長袖でないと肌寒く感じるように。こんな時期は、油断するとつい風邪をひいてしまいそうなので、用心しないといけませんね。

誕生日を迎える10月には、よく紫陽花を飾ります。この時期に生花店に並ぶ紫陽花の色合いが好きなのと、一番好きな花でもあるからです。
月初めに、よく行くフラワーショップに出かけたら、たくさんの紫陽花が入荷していました。鮮やかな黄緑色のものから、シックな色合いのものまで彩りもよく、眺めているとどれもこれも飾りたくなり、たくさん抱えて帰りました。
紫陽花のような存在感のある花を飾るときには、まわりに置く雑貨を少なめにして、余白を楽しむようにしています。

玄関先やキッチンの窓辺に飾ったり、洗面所にある棚の上に、雑貨とともにしつらえてみたり。この時期に手に取ったものの中から、きれいな形のままドライになったものを、来年10月までの一年間、リビングに飾るようにしています。ここ10年ほど習慣になっているので、水落ちして萎れたり、枯らしたりしないよう、手をかけながらドライになるのを待つように。

以前は、庭に置いてある紫陽花のひと鉢を、花が咲いたら植木鉢ごと日陰に持って行き、秋色になるのを楽しみに待っていたこともありました。ここ数年の暑さもあって、秋まできれいに咲いたまま、持たせることができなくなり、ちょっと残念に思っています。

生花でも、ドライにしたものでも、丸い形の紫陽花が好きなのですが、購入時に、全体がしっかりとして水落ちしなそうなものを選んでも、暑かったり、水揚げが上手くいかなかったりすると、乾燥する前に萎れて形が悪くなってしまいます。
それで、買ってきたらすぐに茎の先端を斜めにカットし、中の白いわたを掻き出して、深水につけるようにしています。萎れそうだなと感じたら、花の表面と裏側にもまんべんなく霧吹きで、水が滴り落ちるくらいに吹きつけて。その作業を日々繰り返しながら、生花として愛でつつきれいに乾燥させることができたら、喜びもひとしおです。
私の経験上、大振りの紫陽花は、花瓶の口に頭をもたれかけさせるようにして生けると、萎れにくい気がします。

昨年は、好みの形のままたくさんドライにすることができたので、季節外れの服や花瓶を飾りながら収納しているクローゼットルームにも、飾ることができました。
北側の部屋なので、あまり日焼けすることもなく、今もいい状態のまま保てています。

10月も末頃になると、ようやく庭に蚊がいなくなるので、やっと庭のテーブルでお茶をすることができます。お互い忙しくてたまにしか会えない友人とお茶をするのもちょうどこの頃。水切りを繰り返して、短くなった紫陽花を庭に持ち出して、テーブルセッティング。まだそれほど寒くない気持ちのよい時季の庭で、すぐそばに緑を感じながらお茶を飲んで。紫陽花にも癒やされてほっとするのか、会話が弾みます。毎年、お互いのたわいない日常の出来事を話しながら「こんな時間も必要だな」と思うのです。

皆さまも私も、明日もいい日になりますように。

photograph: Kyoko Omori text: Ayano Uchida
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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