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【歴史コラム】『ポッサム』が描く光海君の時代には何が起こっていたのか

  • 2023.10.12

テレビ東京の韓流プレミアで始まった『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』は、10月11日に第2話を迎えた。主役のチョン・イルが演じるバウが、クォン・ユリが扮するファイン翁主(オンジュ/側室が産んだ王女)を人違いでポッサム(寡婦を善意で誘拐すること)してしまい、大変な騒動が巻き起こってしまった。

それと同時に、ドラマでは王宮の権力闘争も大きく扱われることになった。この回では、キム・テウが扮した光海君が登場して、高官をまじえて重要な案件が論議されていた。この時に光海君が問題にしていたのは、彼が離宮の西宮(ソグン)に幽閉していた仁穆(インモク)王后の処遇についてであった。

当時の史実を詳しく見てみよう。1608年に即位した光海君は、政権を安定させるために不安材料をなるべく排除しようとした。それで標的になったのが、兄の臨海君(イメグン)と異母弟の永昌大君(ヨンチャンデグン)だった。確かに、2人は政権を転覆させる可能性があったのだ。

そこで光海君は無情にも臨海君を殺したあとで、さらに永昌大君の命も奪っている。それは1614年のことであった。その上で永昌大君の母親であった仁穆王后を西宮に幽閉してしまった。しかし、かなりの反対意見があった。

なんといっても、仁穆王后は光海君の父親である14代王・宣祖(ソンジョ)の2番目の王妃。つまり、形式的には仁穆王后は光海君の母親であり、国王にとっては大妃(テビ)にあたるのだ。そういう人を幽閉していいのかどうか、強硬な反対意見が出るのも当然だった。

キム・テウが光海君を演じていた(写真=© MBN All rights reserved)
光海君の悩みの種

こうした事態を受けて、果たして光海君はどのような対応をするのだろうか。血がつながっていないとはいえ、母親を殺したりできるわけがない。そこが光海君の悩みの種であり、彼は穏便な方法を模索しようとしていた。そんな課題を含めて、王宮内で波乱の要素が強かった権力闘争が、『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』においては重要な要素として物語の鍵を握っていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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