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【珍奇の現場】〈リゾナーレ 大阪〉に、珍奇標本が詰まった巨大キャビネット登場!

  • 2023.10.12
「珍奇の現場」 ツーソン・ショー レポート2023「鉱物の道は、水晶に始まり、水晶に終わる」<前編>

星野リゾートが展開する「リゾナーレ大阪」に、珍奇な標本がズラリと並ぶ巨大キャビネットを備えた「アトリエカフェ」がオープンした。

幅7m近い専用キャビネットには、植物から鉱物、貝類、魚類、昆虫など、150点以上の標本がみっちり収まっている。

約7mある巨大キャビネット
約7mある巨大キャビネットはとても画角におさまらない!

例えば、フランク・ロイド・ライトがグッケンハイム美術館のモデルとしたとも言われる貝のチマキボラや(「珍奇貝類」特集も近い!?)、鏡のような反射率の殻で周囲の景色を自らに映し、光学迷彩のように風景に溶け込むプラチナコガネ、アーサー王の聖杯の素材だったと伝わるモルダバイトなど、好奇心をビシビシと刺激してくれる標本が解説ラベル付きで並ぶ。

チマキボラ
グッケンハイム美術館のモデルとも言われる貝「チマキボラ」。
プラチナコガネ
ピカピカの光学迷彩をまとう「プラチナコガネ」。
テクタイト「モルダバイト」
アーサー王の聖杯伝説にまつわるテクタイト「モルダバイト」。

さまざまな特別展示も開催!

そして、定期的にキャビネット内で特別展示も行われ、12月末までは珍奇鉱物特集でもお世話になったピーナッツミネラルズ・亀田和人さんによるファインミネラルコレクションの特別展示も開催中。

大迫力の大型標本にこだわった展示で、ジオード内に巨大な結晶が鎮座するニューヨーク産フローライトや、純白のスティルバイトに載った透明感溢れるアポフィライトなど、ミュージアムサイズの標本が楽しめる。

ニューヨーク産のフローライト
結晶のサイズ感が尋常じゃない、ニューヨーク産のフローライト。
アポフィライトやクォーツの標本
アポフィライトやクォーツなど、大ぶりのミュージアムサイズ標本がズラリ。

また、キャビネットとカウンターデスクが一体となった設計で、展示標本の一部を実際手にとってライトテーブルやルーペを使ってじっくりと観察できる。ヘリコプターのように回転してその生息域を広げたり、落下の衝撃を抑えているフタバガキや、植物の中で最も大きな翼を持ち、グライダーの原型ともなったアルソミトラ・マクロカルパの種子など、実際に飛ばしてみることもできるのだ。

鉱物標本
一部の標本は、ライトテーブルやルーペを使って手に取って観察できる。
アルソミトラ・マクロカルパ。
一番奥に見えるのが、グライダーの原型となったアルソミトラ・マクロカルパ。

実は、このキャビネットはSTRAIGHTでディレクションさせてもらったもの。什器施工は盟友的な標本好き家具工房「ソナワリラボ」にお願いした。こうした標本棚を作ることは、思いのほか本の編集作業と似ていて、どんな棚に、どんな標本を、どんな流れで陳列するかを考える日々は、とても高揚感のあるものだった。

この先、標本をどんどん充実させていき、この棚を育てていくことが今一番のモチベーションだ。

Information

星野リゾート リゾナーレ大阪

「創造力を遊びこむ」をコンセプトに、色鉛筆で壁や窓に絵を描くことができる客室や、興味・関心をかきたて、さまざまな表現方法で遊びこむ日本最大級のアトリエを備えるホテル。イタリアの乳幼児教育「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れ、創造力を育む滞在体験を提供してくれる。
HP:https://risonare.com/osaka

profile

川端正吾

かわばた・しょうご/珍奇植物、珍奇昆虫、珍奇鉱物などを特集する「珍奇シリーズ」の企画編集を担当。ADの小宮山秀明とともに、自然科学をテーマにした出版レーベル「STRAIGHT」も運営している。

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