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【日本オープン開幕直前】漂う緊張感の理由と、注目のアマチュア選手は?

  • 2023.10.11

10月12日(木)、日本最高峰の大会「日本オープンゴルフ選手権」が開催されます。会場は「茨木カンツリー倶楽部・西コース」(大阪府)。同コースでの開催は、1996年の第61回大会以来3度目。茨木カンツリー倶楽部は1923年に現在の東コースが開場され、今年で開場100年を迎えた歴史ある名門コースであり、今大会はその記念大会とも言えます。

◆いつもとは違う! 日本オープンならではの会場の雰囲気

テレビを通してではあまり感じられないかもしれませんが、トーナメント関係者にとって日本オープンや日本女子オープンは通常の大会とはかなり違う雰囲気があります。その理由としてあげられることは、まず通常の大会がJGTO(日本ゴルフツアー機構)やJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)が主管であるのに対して、JGA(日本ゴルフ協会)が主催であること。競技委員が普段の協会の方ではないというだけでも、会場がいつもと違う雰囲気になります。

そして、出場の権利が通常の大会とは違うこと。普段あまり見ないプロがいることや、アマチュア選手が多いことも、日本オープンならでは。他にも、放映局がNHKであること、ピンポジションの厳しさやラフの深さといったコースの難しさも、その理由と言えるでしょう。

そして、決勝に入るとより一層その違いを感じることになります。なぜなら、決勝は悪天候などの何らかの理由がない限り2サムによるプレーになるからです。通常の大会はほとんどが3サム。そのため、慣れない2サムでのプレーで、ラウンド中の雰囲気が大きく変わることになります。

◆得手不得手が分かれる? 2サムプレーの緊張感と面白さ

先日開催された日本女子オープンでは、原英莉花プロがツアー通算5勝目を挙げ、大いに盛り上がりました。最終日の戦いは、初日に首位に立った菊地絵理香プロとの一騎打ち。テレビ放送も、優勝戦線から完全に抜け出した2人を追いかける形となりました。

通常の大会であればもうひとりプレーヤーがいるはずですが、明らかに2人しかいない最終組に「あれ?」と思った人もいるでしょう。日本オープンや日本女子オープンは、予選は3サムプレーですが、決勝から2サムプレーになります。海外メジャーではよく見られる形ですが、国内では今のところ日本オープン、日本女子オープン、日本シニアオープンだけです。

通常の大会では、途中棄権が出た場合や、決勝に3の倍数ではない人数が通過した場合に2サムでラウンドすることがあります。しかし、他の組が3サムであることから、そのプレースピードはどうしてもゆっくりになりがち。ところが、全ての組が2サムとなると、そのスピードは格段に上がります。選手にとっても2サムでラウンドすることは珍しく、通常より早いプレー展開にルーティーンが早くなってしまうプロもいて、得手不得手が分かれます。しかも、順位順での組み合わせなので、最終組はマッチプレーのような様相になりがち。相手が見える方がプレーに集中できるタイプと、見えない方が良いというタイプとでは、明らかに前者に有利な状況と言えるでしょう。

ちなみに、決勝通過者数が奇数だった場合、ひとりぼっちになってしまうトップの組には「プレーイングマーカー」という立場のプレーヤーが入ることになります。そのひとりのプレーヤーのスコアをつけながら一緒にプレーをする人のことで、開催コースのクラブチャンピオンの方がその役を務めることが多いようです。

◆日本オープン2023、今年の注目のアマチュア選手は?

昨年の三甲ゴルフ倶楽部ジャパンコースで開催された日本オープンは、その時まだアマチュアだった蝉川泰果プロが第1回大会の赤星六郎選手以来2人目となるアマチュア優勝という快挙を成し遂げました。それから、早1年。蝉川選手はプロとなり、今年も既に関西オープンで優勝を果たしています。しかし、今年に入ってトップ10が7回、その内トップ3が5回。勝てそうで、勝てていません。ディフェンディングチャンピオンとして望む今大会、ぜひその鬱憤を晴らしてほしいところです。

蟬川泰果プロ(Getty Images)

その他にも、賞金ランキングを見てみれば、中島啓太プロや金谷拓実プロ、そして蝉川プロや平田憲聖プロといった20代の選手の活躍が目覚ましいのがわかります。まだ最近までアマチュアだった彼らの台頭を考えれば、今年もアマチュア選手に注目が集まるのは当然のこと。今年の日本アマを制した早稲田大学2年生の中野麟太朗選手を始めとして、予選会を勝ち抜いてきた東北福祉大の岡田晃平選手や高校3年生の本大志選手など、注目選手がたくさん! 今年も、日本一のゴルファーを決める戦いから目が離せません。

〈左から〉岡田晃平選手(提供:日本ゴルフ協会)、中野麟太朗選手(撮影:ALBA 鈴木祥)、本大志選手(提供:JGTO)

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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