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一球も投げず兵役免除…韓国代表エースと期待された24歳、アジア大会金メダル獲得も“謝罪”したワケ

  • 2023.10.10
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杭州アジア大会の野球韓国代表エースとして脚光を浴びたクァク・ビン(24、斗山ベアーズ)が、結局1試合も登板することなく金メダルを獲得し、兵役特例の恩恵まで受けた。

そして、大会後に自身のSNSで謝罪の意も表明した。

今季の韓国プロ野球で11勝7敗、防御率2.97を記録していたクァク・ビンは、杭州アジア大会の韓国代表に選出されて以降、決然とした意志をあらわにしていた。

ヤン・ウィジ(36)やキム・ジェファン(35)など過去にアジア大会を経験した先輩たちにアドバイスを聞いて回り、台湾リーグ経験者のブランドン・ワデル(29)にも台湾打者の特性を聞いた。

報道陣にも「アジア大会金メダルに自分の魂を捧げる」という悲壮な覚悟を伝えたほどだ。

9月末に高尺(コチョク)スカイドームで行われた代表トレーニングでは、ムン・ドンジュ(19、ハンファ・イーグルス)やパク・セウン(27、ロッテ・ジャイアンツ)とともに先発陣の主力として分類された。

ブルペン投球時から優れた球威を発揮し、リュ・ジュンイル監督の信頼を勝ち取り、金メダルの分水嶺となるグループステージの香港戦での先発登板が有力視されていた。

筋肉弛緩剤注射、鍼治療も虚しく…

ところが、杭州到着後の10月初旬、クァク・ビンは不意の負傷に見舞われた。

香港とのグループステージ初戦に向けて準備していた途中、右の肩甲骨周辺に張りの症状が生じた。試合開始1時間30分前の出来事だ。

弱り目に祟り目で、翌日には体調不良も加わり、点滴や筋肉弛緩剤の注射を3本打ったこともわかった。

その後、韓国がグループステージを突破してスーパーラウンドに進出したなか、クァク・ビンは復帰を急いでいた。6日の日本戦前には筋肉を弛緩させる鍼治療も受けた。

そして、クァク・ビンはついに6日の中国戦からブルペン入りした。再び肩甲骨周辺に痛みが生じたが、鎮痛剤3錠を服用。7日の台湾との決勝でも2回からブルペンで肩を作り始めるなど、登板の準備を進めていた。

しかし、決勝が熾烈な投手戦となったことで、クァク・ビンがリュ・ジュンイル監督に呼ばれることはなかった。

いくら球威が良いとはいえ、大会期間に一度も登板していない選手を拙戦で投入することはできなかった。

こうして、クァク・ビンは一度も登板せず1球も投げることなく金メダルを獲得し、兵役特例の恩恵を受けることになった。

クァク・ビン
(写真提供=OSEN)クァク・ビン

クァク・ビンは大会後、自身のインスタグラムで集合写真とともに「本当に申し訳なく、感謝しています」と綴った投稿をし、チームメイトへの謝罪と感謝の気持ちを伝えた。

これに対し、パク・ヨンヒョン(19、KTウィズ)やチェ・ジミン(20、KIAタイガース)など代表メンバーの後輩たちが「お疲れ様でした」と慰労のコメントをし、ヤン・ヒョンジョン(35、KIAタイガース)やパク・ゴンウ(33、NCダイノス)ら韓国プロ野球の先輩たちもコメントを通じて拍手を送っていた。

クァク・ビンが所属する斗山(トゥサン)のイ・スンヨプ監督は、クァク・ビンの負傷を残念に思いながらも金メダルという成果に大きな拍手を送った。

イ・スンヨプ監督は「クァク・ビンにいきなり張りの症状が出た。我々も毎日チェックしていたが、そのせいで投げることができず残念だ」とし、「それでも、韓国代表が金メダルを獲得した。チームが上手くいけば、選手たちが不振でもすべてのことが忘れられる。一生懸命準備し、ダッグアウトで応援したと思う。みんなが同じチームだ」と伝えた。

であれば、クァク・ビンは斗山で残りのレギュラーシーズンの試合に出場できるのだろうか。

イ・スンヨプ監督は「選手本人と話して登板日程を決める」とし、「来週一度ぐらいは登板するのではないかと思うが、本人の意中が重要だ。また、チームとしては1試合は必ず投げなければならない。アジア大会には出場しなかったが、中国戦、台湾戦ともにブルペンで待機はした。試合で投げられる体にはなっていると個人的に判断している」と述べた。

(記事提供=OSEN)

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