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「自分だけが不幸…」つらい現実から逃げるため!?夏休みもゲームざんまいの小学生<統合失調症の母>

  • 2024.4.7
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統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母は、治療のため入院することに。その後、退院した母は、陽性症状(妄想や幻覚)がおさまり、陰性症状(元気がない、意欲低下など)が出ていました。

騒いでいた母とは一変し、やさしく語りかけてくる母に、戸惑いを感じていたわたしちゃん。

涙もろくなっているようで、わたしちゃんが初潮を迎えたことを黙っていたと知り、「教えてよ……」と涙するほど。

今まで母の異常な姿ばかり見てきたわたしちゃんは、母を信頼することができず、態度が一変した母に、怒りを感じるようになっていました。

子どもらしく甘えたいだけ

夏休みのある日、顔が赤くなり、痛みを感じるようになったわたしちゃん。

「お願いだから病院に行って」と涙ぐみながら懇願する母に背中を押され、渋々病院に行くことに。

ひとりで訪れた病院で、医師から病状の説明を受けるも、小学生のわたしちゃんは理解することができませんでした。

「大人に一緒に来てほしかったよねー!! 子どもなんだからもっと大人に頼りたかったよね」

そう振り返る大人になったわたし。

わたしちゃんは、困っているとき、子どもらしく気持ちを出したり、頼ったりしたいと願っていました。

このころ、つらい状況から現実逃避をするため、ひたすらテレビゲームをしていたわたしちゃん。夏休みにいたっては、朝方までゲームをしていることも。

夏休み明けの教室では、「海に行った」「家族で遊園地に行った」など、クラスメートが夏休みの思い出を話し合っていました。

「いいなぁ。みんな夏休み楽しく過ごして……」

ゲームばかりしていたせいか、視力が落ち、黒板が見にくくなっていたわたしちゃん。

「視力が落ちているのもショックだったよね。皆んなの夏休み、うらやましくて、なんかずるいって思っちゃうよね」

大人になったわたしは、「自分だけが不幸な気がしてつらかったよね」と、当時のわたしちゃんに寄り添います。

クラスメートをうらやむ気持ちから、我慢、諦め、そして「自分は悪くない」とわたしちゃんは、周りを恨む気持ちが強くなっていくのでした。

小学生ながらひとりで病院を受診したわたしちゃんは立派ですね。しかし、「子どもらしく周りの大人に頼りたかった」と感じさせてしまう環境は、小学生には酷な現実です。

わたしちゃんがつらい状況で生活している中、家庭の外でサポートできる大人がいなかったのか、考えてしまいます。皆さんは幼少期のころ、家族以外に、心を許せて頼れる大人は周りにいましたか?

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。


著者:マンガ家・イラストレーター HiKARi

ベビーカレンダー編集部

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