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【巨人】新助っ人が見せた、他の外国人選手とは違う"落ち着き"と"余裕"…王者奪還のキーマンとなるか

  • 2024.3.1

昨季、2年連続Bクラスに終わった読売ジャイアンツ。今季は原辰徳監督が勇退し、阿部慎之助監督が新たな指揮官に就任。“新生巨人軍”として再スタートを切る1年になります。

V奪還を目指す巨人において、「キーマン」を挙げるとすれば誰か?主砲・岡本和真選手、新エース・戸郷翔征投手、サード転向で復活を期す坂本勇人選手……数えだすとキリがないかもしれません。

大きな課題となったリリーフ陣のキーマン

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写真:産経新聞社

ただ、ここで“あえて”名前を挙げたい選手がひとりだけいます。それが、阪神から移籍した助っ人右腕、カイル・ケラー投手です。昨季までの2年間、阪神でプレーしたケラー投手ですが、多くのファンの脳裏に焼き付いているのは来日1年目の日本デビュー戦でしょう。開幕戦、リードした9回にクローザーとして初登板を果たしたケラー投手は、ヤクルト打線につかまっていきなりサヨナラ負けを食らいます。その後も投げるたびに炎上を繰り返し、開幕直後に“クローザー失格”の烙印を押されて二軍落ち……。

しかし、実はケラー投手はその後日本野球にしっかりと順応。数字だけを見れば1年目は34試合で防御率3.31、2年目の昨季は27試合で防御率1.71と、リリーバーとして確かな安定感を見せつけました。

直球はコンスタントに150キロ代をマークし、大きく曲がる縦のカーブと、来日後に習得したフォークのコンビネーションで三振を量産。阪神では“デビュー戦の悪印象”と家族の事情による途中帰国、さらには分厚い投手陣の壁に阻まれて登板数はそこまで増えませんでしたが、巨人では昨季以上の登板数も期待できます。

キャンプで見たケラーの"余裕"

2月に春季キャンプで投球を見ることができましたが、印象的だったのが“落ち着き”です。例えばブルペンでは並んで投げる他の外国人投手が力いっぱい、矢継ぎ早に投球をこなすのとは裏腹に、一球一球しっかりと間をおいて、なにかを確認するように淡々と投球練習をこなしていました。移籍1年目ながら、どこか“余裕”すら感じさせる佇まいに、日本で2年間プレーしてきた自信のようなものが垣間見えました。

また、阪神から巨人という“ライバル球団間”の移籍という点も注目です。この2球団の対戦は古くから伝統の一戦と呼ばれ、特に甲子園での巨人阪神戦のボルテージは日本球界でも最高レベル。もちろん、阪神ファン特有の“激しヤジ”も巨人戦ではさらに過熱します。

今季、甲子園での巨人戦でケラーが登板するようなことがあれば、当然ながらファンからも様々な声が浴びせられるはずです。ただ、ケラー投手は入団会見で「優勝するためには阪神を倒さないといけない。対戦が楽しみ」と語っており、古巣相手に闘志はメラメラ。

大勢投手の状態にもよりますが、新天地巨人ではセットアッパー、クローザーでの起用も予想されており、「巨人のケラー」が来日3年目で覚醒すればチーム飛躍の大きな力になるはず。

何かと因縁めいた対戦になりそうな今季の巨人・阪神戦。2球団によるバチバチの戦いはもちろん、新戦力・ケラー投手の活躍からも目が離せません。


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※本記事は、2024年2月27日執筆時のものです
※サムネイル:産経新聞社

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