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「歴代最強だと思う阪神に移籍したピッチャー」ランキング!同率2位「大竹耕太郎」、「西勇輝」を抑えた1位は?【野球ファン108人に聞いた】

  • 2024.3.11
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写真:PIXTA

昨季、シーズンで85勝を挙げた阪神タイガース

そのうちおよそ約25%を占める21勝を移籍してきた投手が挙げたなど、以前より移籍してきた投手が活躍しやすい傾向があります。

古くは村山実投手江夏豊投手といった生え抜き投手がエースとして活躍していましたが、ことチームを優勝させる際にキーマンとなったのは外国人投手や移籍してきた投手など、新たな血を持った投手たちでした。そうした選手たちの活躍を見て、若手投手が育っていくという伝統があるチームだけに「移籍してきた投手」には多くの好投手が名を連ねています。

そんな名投手たちが多数ランクインした「阪神に移籍した投手」の中でファンが“歴代最強”だと思うピッチャーはいったい誰なのか? そこで、全国のプロ野球ファン108人にアンケートを実施し、「歴代最強だと思う阪神に移籍したピッチャーランキング」を作成。その結果をご紹介します!

なお、「最強」の定義は記録や数字だけでなく投票者に委ねていますので、投票理由も多岐にわたります。あくまで阪神に移籍してからの活躍を対象に回答いただいています。

一体、誰が「歴代最強の阪神に移籍したピッチャー」に選出されるのか……。投票結果を見てみましょう!

【同率2位】大竹耕太郎(24票)

同率ながら第2位に入ったのはなんと現役選手の大竹耕太郎投手

昨季はチーム勝ち頭となる12勝を挙げるなど、阪神の左のエースとして台頭しましたが実はもともとはソフトバンクに在籍していました。

育成選手としてソフトバンクに入団した大竹投手はプロ入り1年目の2018年にいきなり支配下選手登録をされて、その年の8月にはプロ初先発・初勝利をマークするというチーム期待のホープに。日本シリーズでも登板するなど未来のエースとして注目される存在となりました。

その後も5勝、2勝とコンスタントに勝ち星を挙げた大竹選手でしたが、選手層の厚いソフトバンクの中では次第に埋もれてしまう形に。2020年からは3年連続で3登板以下と出場機会に恵まれず、2022年オフに開催された現役ドラフトで阪神へと移籍します。

生まれて初めて九州以外の土地に住むことになった大竹投手は、出場機会に恵まれることで奮起したのか、2023年シーズン最初の登板で初勝利を挙げると5月には月間MVPを受賞。7月にはスター選手の証であるオールスターゲームに初出場を果たしました。

シーズン後半に入っても多彩な変化球を駆使した技巧派な投球で勝ち星を積み重ねていくと、そのままキャリアハイの12勝をマークして阪神のリーグ優勝に貢献しました。

元々良いピッチャーとの評判はあったがいまいち思い通りの成績を残せて無い中で、2023年阪神に移籍して一年目から12勝2敗という阪神優勝の原動力になったと思うから。(29歳・男性)
ソフトバンク時代はなかなか芽が出なかった選手でしたが育成ドラフトで阪神に移籍して大活躍したから。めげずに努力し続けた姿勢は尊敬できるし、すごい精神力だと思いました。勝率、防御率がよく優勝に貢献してくれたので近年の歴代最強に選びました。(41歳・女性)
技巧派投手。速球がそこそこでも制球力がよく、腕の振りもよい為、球の出所が分かりにくい。ソフトバンク時代とは比べ物にならないくらい思いきり投げている。変化球も多彩で、ブレーキの利いたチェンジアップがあるから、速球が生きていると思う。(25歳・男性)
やはりインテリジェンスで、頭でしっかり分析した内容を実践しているプレーが印象的です。(34歳・女性)

【同率2位】西勇輝(24票)

大竹投手と同じ24票を集めて第2位に入ったのは西勇輝投手

FAで阪神に移籍して昨季で5年が経ちましたが、アンケートを見ると安定して先発ローテーションを守っている点や安定したコントロールで抑えるピッチングが高く評価されました。

オリックスに在籍していたプロ入り3年目に先発ローテーションの座を掴んだ西投手はいきなり10勝を挙げる活躍をマーク。その後、Bクラスの常連だった当時のオリックスに在籍しながら10年間で5度の2桁勝利を記録し、4年連続で規定投球回を越えるなど故障とも無縁で安定した投球を見せ、オリックスが2位に食い込んだ2014年には自己最多となる12勝を挙げる大活躍を見せました。

その後、西投手は「もっと強いチームでプレーしたい」とFA権を行使して阪神へ移籍。移籍初年度の2019年から先発ローテーション入りを果たすと、いきなりチームトップの10勝を記録してチームのCS進出にも大きく貢献します。

翌2020年も11勝を挙げて、リーグ1位となるクオリティスタート17回を記録するなど安定感に磨きのかかった投球を見せるようになった西選手は2021年に通算100勝を達成。2022年は2桁勝利までは届きませんでしたが、リーグ2位となる防御率2.18を記録します。

そして昨季は6年ぶりに規定投球回にこそ届きませんでしたが、18試合で8勝を挙げてチームのリーグ優勝に貢献。古巣・オリックスとの対戦となった日本シリーズでも2試合に登板して念願の日本一を掴みました。

好不調の波は激しいが、安定したコントロールが精密できわどいコースで勝負する投手。昨シーズンの日本一も陰ながら貢献した力は今まで移籍してきた投手の中ではナンバー1だと思います。(51歳・男性)
移籍していきなりゴールデングローブ賞に選ばれ、紆余曲折がありつつも日本一に貢献してくれた選手です。(53歳・女性)
過去にFAで加入した投手は大半が満足した成績を残せないまま退団していったが唯一西だけが常時1軍で先発ローテーション投手として例年200イニングに近い回数を投げているから。(51歳・男性)
自分自身としては最速149km/hのストレートを中心にシュート、スライダー、カーブ、フォークのように逃げ沈むチェンジアップをテンポよく投げ込むところが魅力的であるからです。(41歳・女性)

【第1位】小林繁(33票)

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提供:産経新聞

そんな現役の2投手を凌いで堂々の1位に輝いたのは小林繁投手

現役を引退して40年以上が経過し、引退後は阪神のユニフォームを着ることなく2010年に突然の死を迎えたため、若いファンにはあまり知られていない選手ですが、アンケートを見ると、小林投手の現役時代を知る40代以上の圧倒的な支持を得てのランクインとなりました。

社会人野球を経て巨人に入団した小林投手は、プロ入り2年目の1974年から一軍に定着。1976年には18勝を挙げて、長嶋茂雄監督に替わってから初のリーグ優勝に貢献。翌年も18勝を挙げて沢村賞を受賞するなど、巨人のエースとして押しも押されもせぬ存在となります。

しかし、1978年。この年も13勝を挙げた小林投手でしたが、オフに巨人は江川卓投手を獲得するため球史に残る「空白の1日事件」という事件を起こし球界を騒然とさせます。ドラフト会議を根底から覆す大騒動を終結させるために取った措置が「江川投手はドラフト会議で指名権を獲得した阪神に入団。その後、巨人にトレード移籍をする」というもの。そのトレード相手として選ばれたのが小林投手でした。

前年まで巨人のエースとして活躍してきた投手が、プロで1球も投げていない投手のために有無を言わずにライバルチームへ移籍させられる……当時のプロ野球界は大騒ぎになりましたが、小林投手はこの仕打ちに反発心を燃やし、「巨人には負けない」とばかりに奮起。翌1979年は自己最多となる22勝を挙げて最多勝を獲得し、沢村賞も受賞。対巨人戦8戦全勝と意地を見せました。

その後、小林投手は阪神のエースとして圧倒的な投球を披露。流れるようなアンダースローから放たれる多彩な変化球をセ・リーグの強打者たちは打ちあぐね、阪神移籍後は優勝にこそ無縁だったものの、5年連続で2桁勝利を達成。引退した1983年も13勝をマークするなど、その安定感は歴代のエース投手と比べても遜色のないものでした。

細身の体からムチのようにしなりながらのサイドハンドから繰り出す魂のこもった投球。江川問題解決のため移籍した阪神で22勝をあげる大活躍。最強と呼ぶにふさわしい投手だと思っているため。(58歳・男性)
巨人のエースだったところからの電撃移籍で、初年度に22勝。この執念というか信念がすごい。そして移籍会見が男らしく、素晴らしい。(45歳・男性)
巨人と阪神の2チームで沢村賞を受賞した偉大な投手です。王さんを抑えるために投球フォームを変えてキラーぶりを発揮していたところにプロフェッショナルな印象を感じました。(32歳・男性)
アンダースローのエース。まさか、あんな形で巨人を去るとは夢にも思っていませんでした。(56歳・男性)
ドラスティックな交換トレードからの活躍には痺れました。投球も見事に巨人打線を手玉に取っていました。気持ち良かったですねぇ。(63才・男性)

4位以下の選手とコメント

下柳剛(19票)

緩急の使い方も上手いし、ベテランならではの制球力も見事な投手でした。また、タフで身体が強く、他の投手にも大きな影響を与えた名投手です。(41歳・男性)

伊良部秀輝(3票)

元祖、剛腕ピッチャーのイメージで、メジャー経験もありワールドチャンピオンにもなっている。(49歳・男性)

星野伸之(2票)

2年連続で開幕投手を務めるなど、エースとして活躍しており、最強だと思います。(45歳・男性)

結果はこちら

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現役投手2名がトップ3にランクインしたように、比較的最近の投手の名前が目立った今回のアンケート。19票を獲得して第4位に入ったのは下柳剛投手でした。

ダイエー、日本ハムなどで先発、中継ぎを問わずにタフに投げてきた下柳投手は、2002年オフにトレードで阪神にやってくると翌2003年は星野仙一監督のもと先発で起用され、相手をのらりくらりと交わす投球で10勝をマークし、阪神のリーグ優勝に貢献。2年後の2005年も規定投球回に届かなかったものの、15勝を挙げて自身初タイトルの最多勝を獲得してまたもチームをリーグ優勝に導きました。

大竹投手、西投手の今季以降の活躍次第では順位が変わるかもしれない今回のランキング。今シーズンは大竹投手、西投手のプレーに目が離せません!


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査実施日:2024年2月9~13日
調査対象:全国の20代~70代
有効回答数:108

※記載している回答は原文ママ

※2024年2月15日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※現役・引退をした選手に関わらず敬称は「投手」で統一しています。

文:福嶌弘
1986年横浜生まれ。フリーライター。幼少期より競馬・野球に興味を持ち、ヤンキー向けバイク雑誌、中古車雑誌などを経て2005年からフリーライターとして独立。以降は野球、競馬のスポーツを中心に街、クルマ、グルメ、アウトローetc…とジャンルを問わずに各媒体で執筆。生来の巨人ファンのため、主な出没場所は東京ドーム、横浜スタジアムそして後楽園、関内の居酒屋など

アンケート集計:TRILLスポーツ

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