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「最強だと思う昭和のショート」ランキング!「宇野勝」、「高橋慶彦」を抑えた1位は?【野球ファン111人に聞いた】

  • 2024.3.16
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写真:PIXTA

野球の“花形”とも呼ばれる遊撃手(ショート)

内野手の中では特に広い守備範囲が求められ、三遊間深くから送球するための強肩、俊敏なフットワークといった高い運動能力を兼ね備えた選手が守ることが多いポジションでもあります。

プロ野球の世界ではこれまでも多くの「名遊撃手」が生まれてきましたが、今回は時代を昭和に限定して全国の野球ファン111人に「最強だと思う昭和のショートは?」というアンケートを実施!

なお、「最強」の定義は記録や数字だけでなく、投票者に委ねていますので、投票理由も多岐にわたります。なお、前後でポジション転向をした選手も対象となります。また、平成をまたいで活躍した投手も昭和時代に出場・活躍をしていれば対象としました。

一体、誰が「昭和最強のショート」に選出されるのか? さっそく、ランキングを見てみましょう!

【同率2位】宇野勝(15票)

第2位は同票で2人という結果になりました。

まず1人目は、“強打の遊撃手”として鳴らした宇野勝選手

中日、ロッテで18年間プレーし、通算本塁打は実に338本を数えます。

遊撃手というポジションはその特性から、特に昭和の時代は小柄で器用なタイプの選手が多く、打者としてもスピードや小技を得意とする選手が守ることが一般的でした。

しかし、宇野選手は違います。180センチと言う遊撃手としては大柄な体格、さらには卓越したパワーでシーズン20本塁打以上を9回、30本塁打以上を3回、40本塁打以上を1回記録。昭和59年(1984年)には37本塁打でNPB遊撃手史上初となる本塁打王に輝き、翌年にはこれも遊撃手史上最多となるシーズン41本塁打をマーク。ちなみに、遊撃手によるシーズン40本塁打以上は、これまで宇野選手と坂本勇人選手しか達成していない記録です。

また、宇野選手といえばテレビで何度となく放映されている「ヘディング事件」の影響でどうしても“珍プレー”の印象が強い方もいるかもしれませんが、実は強肩を生かした守備も特筆モノ。投票理由にも打撃はもちろんその守備力を評価する声が目立ちました。

宇野選手は、華麗な守備で知られた遊撃手です。強肩と俊敏な動きで、どんな打球もさばいてしまう守備範囲の広さを誇っていました。(38歳・男性)
迷プレー、珍プレーでも有名ですが、昭和60年に遊撃手として歴代トップの41本塁打を、昭和59年にはホームラン王を獲得した通算338本塁打の大型遊撃手です。(60歳・男性)
守備が大変なポジションながら、ホームラン王を獲得、40本ホームランも記録。シーズン20本塁打以上の9回も記録している長距離打者というのは、素晴らしく最強打者と呼んでふさわしいと考えているため。(58歳・男性)
ショートでホームラン王を獲得した、一発長打の魅力のある選手だった。守備は上手だが、伝説の「ヘディング事件」で珍プレーでおなじみになってしまい、記録にも記憶にも残る選手だった。(44歳・女性)

【同率2位】高橋慶彦(15票)

2人目の第2位が高橋慶彦選手です。

昭和49年(1974年)ドラフト3位で広島に指名されて入団すると、プロ4年目の昭和53年(1978年)に一軍に定着。

そこから、当時黄金時代を築いていた“赤ヘル軍団”のリードオフマンとして、盗塁王3回、打率3割を5回、20本塁打以上を4回マーク。抜群のスピードに加え、打撃の安定感にパワーまで兼ね備えた「最高の遊撃手」としてファンに愛されたほか、甘いマスクで女性人気も抜群。当時は“地方球団”のイメージが強かった広島というチームにおいて全国区の人気と知名度を誇りました。

ちなみに、昭和54年(1979年)に記録した33試合連続安打は、今もプロ野球記録として君臨しています。

また、プレーはもちろん、酒豪ぶりや豪快な遊びっぷりでも知られており、多くの広島OBが後にYouTubeなどで「一番豪快だったのは慶彦さん」と証言するなど、プライベートでも「ザ・昭和の野球人」を体現した選手でもあったようです。

当時のショートというのは、あまり打撃で活躍する人が少なくったと思うのですが、高橋選手はパンチ力があって、ホームランを打てる俊敏な走攻守揃ったすごい選手でした。(42歳・女性)
遊撃手で一番打者、スイッチヒッターとスーパースターの要素をすべて持っておられたから。ファンだけでなく、選手も憧れた選手。(55歳・男性)
ショートは守備の負担が大きく、守備面で活躍した選手が多かったですが、赤ヘル黄金時代のショートとして、33試合連続安打を放ち、3回の盗塁王のタイトルを獲得するほど、攻撃面でも活躍していたので、昭和に活躍した最強ショートと考えました。(51歳・男性)
"昭和"における歴代最強遊撃手は高橋慶彦だと思う。映像でしかプレーを見たことないが、打撃に関してはスイッチヒッターで打率3割を5回、20本塁打を4回は素晴らしい数字だと思う。また、33試合連続安打記録は44年間破られていない。走塁に関しても盗塁数は歴代5位と素晴らしい記録である。個人的に好みなのが盗塁死が歴代2位のところ。果敢に攻めていたのだなと思う。(32歳・男性)

【第1位】吉田義男(29票)

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提供:産経新聞

栄えある第1位に輝いたのが吉田義男選手です。

2位の2人は昭和後期に活躍した選手ですが、吉田選手が活躍したのは昭和30~40年代。昭和28年(1953年)に立命館大学を中退して阪神に入団した吉田選手(大学中退→プロ入りも昭和的な逸話です)は、プロ1年目からいきなりレギュラーに定着。

当時としても小柄な165センチという体格ながらスピード感あふれるフットワークと堅実な守備力、さらにはしぶとい打撃でプロ16年目まで不動のレギュラーとして活躍しました。

現役17年間で通算本塁打は66本と、スラッガータイプではありませんでしたが、プロ2年目の昭和29年(1954年)と4年目の昭和31年(1956年)には盗塁王を獲得するなどスピードと小技で存在感を発揮。

遊撃手としては史上最多となるベストナイン9度をマークしていますが、当時はダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)が制定される前。もし、当時同賞が存在していれば間違いなく受賞常連選手だったはずです。

華麗な守備は「牛若丸」と称され、昭和30年(1955年)に行われた日米野球ではニューヨーク・ヤンキースのケーシー・ステンゲル監督から「ヨシダの守備はメジャーで通用する」と絶賛されるほどでした。

また、現役引退後は阪神の監督を三度務め、昭和60年(1985年)には球団史上初の日本一に。名遊撃手としてだけでなく、名監督としても阪神の球団史に名を刻んでいるレジェンドです。

ショートに最も必要な守備の才能に輝いていた選手だと思うし、通算でも1800本打っていて最強にふさわしいからです。(33歳・男性)
阪神では牛若丸と称された守備は堅牢な守りだけでなく随所で華のあるプレーも披露していたのが印象的です。打者としても連続無三振記録の樹立、盗塁王など全ての面でチームに貢献する成績を残していたのも特徴です。背番号23は永久欠番になるほどで昭和のスーパースターでした。(32歳・男性)
遊撃守備の達人として複数回のベストナイン授賞など、日本プロ野球史上において類稀な成績を残したためです。(39歳・男性)
守備の名手中の名手。ベストナインを9度も受賞しており、実績ともに最高の遊撃手。ファインプレーも連発し、とにかく守備範囲が広いので最高傑作ショートだと思います。(27歳・男性)
若い頃から牛若丸と言われるような華麗なプレーで有名だったが、特に三遊間の打球の処理が出色で、今だとジャンピングスローをする選手が多いが、吉田はそれをせずにさばいてアウトにしていた。打球の正面に入るのがよっぽど速くないとできないプレーだ。(66歳・男性)

4位以下の選手とコメント

山下大輔(10票)

8年連続ダイヤモンドグラブ賞受賞や当時の連続守備機会無失策の記録保持者でもあったほどの華麗な守備が印象的だった。(54歳・男性)

池山隆寛(7票)

ブンブン丸と呼ばれた豪快な打撃が印象的だが、実は守備力も抜群。とにかく派手でスター性のある選手だった。(40代・男性)

川相昌弘(6票)

守備なら川相昌弘が歴代遊撃手で最も上手いと思います。捕球からスローイングまで全てで完璧でした。またバント職人として、今後も記録を破られることはないと思います。(35歳・男性)

結果はこちら

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昭和を代表するレジェンド遊撃手・吉田選手が1位を獲得したのは納得の結果だったのではないでしょうか。

また、4位以降には山下大輔選手、池山隆寛選手、川相昌弘選手といった面々が名を連ねました。池山選手は“ブンブン丸”と称された豪快な打撃スタイル、川相選手は犠打数世界記録保持者と、選手としてのタイプも多岐にわたったのが特徴的でした。

なお、現役選手では巨人の坂本選手を筆頭に、源田壮亮選手や紅林弘太郎選手といった遊撃手が活躍していますが(※坂本選手は昨季途中から三塁にコンバート)、彼らもまた“平成・令和のレジェンド遊撃手”になれる可能性を秘めた選手たち。今シーズンは現役の遊撃手たちの活躍にもぜひ注目してみてください!


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査実施日:2024年2月7~21日
調査対象:全国の10代~70代
有効回答数:111

※記載している回答は原文ママ

※2024年2月29日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※現役・引退をした選手に関わらず敬称は「選手」で統一しています。

文:福嶌弘
1986年横浜生まれ。フリーライター。幼少期より競馬・野球に興味を持ち、ヤンキー向けバイク雑誌、中古車雑誌などを経て2005年からフリーライターとして独立。以降は野球、競馬のスポーツを中心に街、クルマ、グルメ、アウトローetc…とジャンルを問わずに各媒体で執筆。生来の巨人ファンのため、主な出没場所は東京ドーム、横浜スタジアムそして後楽園、関内の居酒屋など

アンケート集計:TRILLスポーツ

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