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なぜ野球は"9回"なのか?意外と知らない野球雑学…ルーツは試合後の打ち上げ!?

  • 2024.1.30
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写真:PIXTA

「野球は9回まで」

これは野球をしたことがある人、普段から観ている人にとっては当たり前のルールであり、特に疑問も無く野球に触れてきたのではないでしょうか。
コールドゲームや、延長戦の特例もありますが、少年野球や、中学野球などを除き、日本プロ野球でも、メジャーでも、WBCでも当然9回まで試合が行われます。

では、「なぜ野球は9回までなのか?」と問われると、野球経験者でも知らない人が多いのではないでしょうか。

サッカーでは前後半のハーフ、バスケットボールやアメリカンフットボールは4クォーター、テニスや卓球などはセットが変わるため3セットや5セットなどの奇数、カーリングは10エンドなど、どれも区切りがいい数字ばかりですよね。

今回、なぜ野球が9回になったか?をお届けします!そこには意外なルーツがありました。

野球の誕生と最初のルール

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写真:PIXTA

現代の野球ルールは、1845年にアメリカのニューヨークで、アレクサンダー・カートライトさんが考案したとされています。

カートライトさんは、16歳の時からウォール街の銀行の事務員として働いていましたが、銀行が火事で消失し職を失ってしまいます。その後、兄弟と本屋を営むことになりますが、同時にボランティア消防団にも参加していました。

消防団ではレクリエーションが開催されていましたが、その一環として野球の原型になった「タウンボール」を導入し、またタウンボールを楽しむ社交クラブとして「ニッカーボッカー・ベース・ボール・クラブ」を設立しました。

タウンボールは、厳格に決められたルールが存在しなかったため、試合の度や、プレーが起こるごとにルールを決めなければいけませんでした。その煩わしさから、カートライトさんを中心にルールを制定しました。

最初に考案されたルールは…


  • チームの人数を攻撃側と守備側それぞれ9人ずつにし、一方のチームが攻撃中には相手は全員がフィールドに散らばり守備につく
  • フィールドを菱形に設定し、ホームベースに鉄のプレート、その他3つのベースに砂を入れたカンバス地の袋を置く
  • 打者が3球を空振りし、その最後の球を捕手が捕球したときをアウトとする
  • 打球がノーバウンドまたはワンバウンドで捕球されたときをアウトとする
  • 打球が相手側に捕球され、走者よりも先に塁に送られるか、走者が塁に着くより先にボールでタッチされたときをアウトとする
  • 捕球しようとする相手の邪魔をしたときをアウトとする
  • 3アウトで攻守が交代
  • 一塁または三塁の外側に出た打球はファウルとなり、打者が塁に進むことやそれによって得点が入ることはできない
  • 21点を先取したチームが勝ち

今と多少の違いはあるものの、ほとんどがこの時に決められたルールばかりですが、大きく違う点が「21点を先取したチームが勝ち」というルール。今のイニング制と違い、最初はバレーボールやバドミントンのように、点数制でした。

点数制からイニング制へ変わったのは試合後の打ち上げ!?

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写真:PIXTA

イニング制へ変わっとされるルーツには、諸説ありますが、「ニッカーボッカー・ベース・ボール・クラブ」は社交クラブでもあることから、試合後には毎回、打ち上げパーティーを行っており、試合の終了に合わせて、料理人たちはパーティーの食事の準備をしていました。

しかし、当初のルールである“21点先取”だと、試合がいつ終わるか分かりません。時には1日では終わらないこともあり、食事を用意する料理人からすると、「早く料理ができると冷めてしまう。いつから仕込みをすればいいのか」と常に悩みのタネでもありました。

そして、ついに料理人たちが不満を爆発させます。「ある程度試合の終わり時間がわかるようなルールにしてほしい!」とカートライトさんに詰め寄ったことがきっかけとなり、点数制からイニング制へとルールが変更されました。

なぜ9回なのか?

1857年に9回制にルールが変更されますが、そうなった説が3つあります。

①当時のアメリカでは12進法で単位を決める影響が強く、12回で検討されたが、それでは長すぎるため、3/4にした9回にした説

②当時の21点先取の試合では6回で終了することが多く、この6回からバッターが一巡する“9回”にした説

③キリスト教の教えにある三位一体を元に、3を3回繰り返す9回にした説

9回になった説はいくつかありますが、9回制を決める際には、カートライトさんの独断ではなく、多数決で決めたと言われています。
ちなみに…カートライトさんは7回制を支持していたとのこと。

点数制からイニング制度に変わったルーツが打ち上げが原因で料理人が不満を爆発させた、というのは意外なルーツでしたね。


※本記事は1/30執筆時のものです

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