1. トップ
  2. もしも2006年の「斉藤和巳」が"今メジャー契約をしたら"年俸はいくら?山本由伸を超えた可能性も

もしも2006年の「斉藤和巳」が"今メジャー契約をしたら"年俸はいくら?山本由伸を超えた可能性も

  • 2024.2.27
undefined
写真:PIXTA

日本から海を渡り、メジャーリーグで活躍する多くの日本人メジャーリーガーたち。彼らには一部を除いていくつかの共通点があります。
・日本で圧倒的な結果を継続した
・20代前半から日本で活躍し、遅くとも30歳前後で渡米した

日本プロ野球界→メジャーリーグの進路を辿るうえで、「日本球界で一定の結果を残す」ことは必要不可欠です。自身の意思で移籍先を選択できるFA権を取得するには一定期間、一軍でプレーする必要がありますし(現行ルールだと累計9年間の一軍登録で海外FA権が取得可能)、ポスティングシステムを利用する場合も、所属球団からの許可を得る必要があるため、「ほとんど実績がない状況」でそれが認められるケースはほぼありません

その意味では、そもそも日本からメジャーへ移籍するだけで、かなり高いハードルがあると言えるでしょう。

しかし、過去のプロ野球界には、長く活躍こそできなかったが、短い期間で強烈な輝きを放った選手も大勢います。今回取り上げたいのは、そんな選手のひとり。福岡ソフトバンクホークスでプレーした斉藤和巳投手です。

斉藤和巳が残した強烈なインパクト

南京都高校から1995年ドラフト1位でダイエー(当時)に入団した斉藤投手は、現役通算15年間のうち、一軍での実働は11年間。“全盛期”と呼べる期間は2003~2006年までのわずか4年間ほどでしたが、その圧巻の投球は多くの野球ファンの脳裏に刻まれています。

度重なるケガで満足いくシーズンを送れた期間は短かったですが、松坂大輔投手、ダルビッシュ有投手といった同時期にパ・リーグでプレーした投手の多くが、その能力、才能を絶賛しています。

192センチという日本人離れした長身から放たれる150キロオーバーの威力ある直球、スピード、落ち幅、コントロールともに抜群だった決め球のフォークを武器に、2003年には20勝3敗、防御率率2.83で最多勝、最高勝率、最優秀防御率、ベストナイン、沢村賞を獲得。また、2006年にも18勝5敗、防御率1.75、205奪三振で投手タイトルを総なめしました。

通算79勝ながらわずか23敗、驚異の通算勝率.775を誇り“負けないエース”として知られる一方で、ポストシーズンでは勝ち星に恵まれず度重なるケガのイメージも相まって“悲運のエース”と呼ばれることもあった斉藤投手。

ただ、少なくとも全盛期に見せた投球は、松坂、ダルビッシュといったメジャーリーガーたちの日本時代に匹敵、もしくは凌駕するものだったのは間違いありません。

メジャーで活躍する要素を多く兼ね備えていた…

undefined
写真協力・産経新聞社

たとえば、平成唯一の“投手五冠”を達成した2006年オフ、29歳の斉藤投手が海を渡ったと“妄想”した場合、どの程度の契約が予想されるでしょう。ちなみにこの年、斉藤投手のライバルでもあった松坂投手はポスティングシステムでメジャー移籍。入札金は5111万1111ドル11セント(当時約60億円)、契約総額は6年5200万ドル(当時約61億円)となり「総額1億ドルの男」と話題になりました。

斉藤投手は同年、この松坂投手を抑えて投手タイトルを総なめにしています。年齢が3歳上であることを考慮すると、契約年数は松坂投手の6年より短くなる可能性がありますが、単年での年俸額は上をいく可能性も十分あったはずです(もちろん、ポスティングかFAかで契約内容は大きく変動するはずです)。

その上で、“2006年の斉藤和巳”がもし2024年現在、メジャーリーグに移籍したら……を考えてみましょう。今季、2006年の斉藤投手同様に日本で“投手五冠”を達成した山本投手が海を渡り、その契約総額は12年3億2500万ドル(約465億円)という破格のモノとなりました。山本投手はまだ25歳と若いため、12年という長期契約を結んでいますが、斉藤投手の場合はもう少し契約年数が短くなることも考えられます。とはいえ、残した数字は“圧巻”の一言ですから、現在であっても5年総額1億6000万ドル(約238億円)程度の契約も不可能ではなかったはずです。

なぜなら、斉藤投手は、

・長身(192センチ)
・力のあるストレート
・コントロール
・三振を奪える決め球

という、現在メジャー各球団が投手に求めるあらゆる要素を高い次元で備えていたからです。

ちなみに斉藤投手は翌2007年シーズン中に肩を痛め、以降はリハビリに励み復帰を目指しながらも一度も一軍復帰を果たせず、2010年限りで現役を引退しています。

「斉藤和巳のメジャー移籍」は、あくまでも妄想上の“たられば”の話ですが、あれだけの投手がもし海を渡っていたら、どんな数字を残せたのか――。野球ファンであれば、おもわず想像してしまうのも無理はないでしょう。

なお、斉藤投手は現役引退後、コーチなどを経て今季から古巣ホークスの四軍監督に就任。未来のスターを夢見る若手選手たちを指導し、「第二、第三の斉藤和巳」育成を担っています。


undefined

※現在のレートは1ドル=148.75円で換算。
※本記事は、2024年2月14日執筆時のものです

の記事をもっとみる