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もしも「超人・糸井嘉男」が今の時代にメジャー挑戦していたら…契約金いくらになる?

  • 2024.2.20
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写真:PIXTA

今季からドジャースへと移籍した大谷翔平選手、山本由伸投手の“高額契約”が話題となっています。大谷選手はもちろん、多くの日本人選手の活躍にメジャーリーグ全体の年俸高騰化が拍車をかける形で現在、メジャーリーグの世界では空前の“日本人バブル”が起きていると言っていいでしょう。

そんな日本人が高く評価されるようになって久しい現代のメジャーリーグで、もしも過去に日本で一流の数字を残した選手がプレーしたら、いったいどれほどの契約を勝ち取ることができるのか?

過去の記録や現在のメジャーリーグのトレンドなどを踏まえ、その年俸額を大胆に妄想してみましょう!今回取り上げるのは、2022年限りで現役を引退した超人・糸井嘉男選手です。

自由獲得枠で入団するも“崖っぷち”に…

糸井選手は2003年ドラフト自由獲得枠で近畿大から北海道日本ハムファイターズに入団。当時はピッチャーとして、最速150キロを超えるストレートと188センチの高身長、さらには日本人離れした身体能力が評価されていました。

しかし、プロ入り後の糸井選手はなかなか一軍昇格のチャンスをつかむことができません。二軍でも結果が残せず、2年間は一軍出場なし。そんな“崖っぷち”で迎えたプロ3年目の春、糸井選手に転機が訪れます。それが“野手転向”です。もともと、スピードやパワーには定評があった糸井選手。その能力を生かすため、ピッチャーからバッターへと転向を果たしたのです。すると、ここから糸井選手は一気に頭角を現し始めます。転向2年目には一軍初出場、3年目には63試合出場と順調に結果を残すと、プロ6年目、野手転向4年目の2009年に一軍レギュラーに定着。131試合で打率.306、15本塁打、24盗塁、リーグ最多の二塁打40本をマークしました。

日本人離れした身体能力に、高いコンタクト力、さらには強肩を生かした守備力と、まさに三拍子そろったプレースタイルで日本球界を席巻。この年からレギュラーでプレーした最後のシーズンでもある2019年までの11年間で、糸井選手は打率3割を9回(NPB史上9位)、10年連続オールスター出場、ゴールデングラブ賞7度、ベストナイン5度と、まさに日本を代表する選手へと成長を遂げました。

当時ネックになった“年齢”がもしも違っていたら

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写真:AP/アフロ

全盛期の糸井選手には、その能力の高さから幾度となく「メジャー行き」の噂が流れました。ただ、結果として渡米することはなく、日本ハム、オリックス、阪神とNPB3球団で引退までプレー。

糸井選手がメジャー移籍をしなかった理由はいくつか挙げることができますが、最大のネックとなったのは“年齢”でしょう。22歳でプロ入りし、24歳で野手転向、さらに一軍に定着したのが2009年と、この時点で糸井選手はすでに28歳となっていました。

たとえば大谷選手が渡米したのは23歳、今季、メジャー移籍を果たした山本投手も25歳と、過去の日本人メジャーリーガーの多くは20代で海を渡っています。そのためには、20代前半からプロの世界で結果を残し、ポスティングシステムやFA権を取得してからメジャーへ移籍する必要があります。

しかし、28歳でようやく一軍レギュラーを掴んだ“遅咲き”の糸井選手は、野球選手として全盛期と言われる20代後半~30代前半を日本でプレー。事実、初めてFA権を取得したのは2016年、糸井選手が35歳になるシーズンでした。

ちなみに、この35歳シーズン、糸井選手はNPB史上最年長(当時)で盗塁王に輝くなど、衰えぬスピードを発揮。とはいえ、この年齢からのメジャー移籍はやはり現実的ではなく(取得したFA権も国内移籍のみが許される国内FA権)、結果として日本の野球界に骨を埋めることになります。

ただ、「もしも糸井選手が全盛期に海を渡っていたら……」を想定するのであれば、相当な金額のオファーがメジャーからもあったはずです。

もしも「超人・糸井嘉男」がメジャーに挑戦していたら…?

たとえば、日本ハムからオリックスへ電撃トレードで移籍した2012年オフ、当時31歳だった糸井選手が、もし2024年の今、メジャー挑戦を果たしていたら……。この年、糸井選手は134試合で打率.304、本塁打9本、61打点、22盗塁をマーク。メジャーでも高く評価される出塁率は2年連続リーグトップの.404を記録しています。

吉田正尚選手が2022年オフにレッドソックスと結んだ契約が5年総額9000万ドル(当時約122億円)。吉田選手は当時29歳なので、年齢的にも2歳上の糸井選手は、これよりはやや総額は下がるでしょうが、現在であれば5年総額8000万ドル(約119億円)ほどの契約を結べた可能性は大いにあります。

優れたコンタクト力とスピード、守備に関しては間違いなく“メジャー級”だった糸井選手。現役時代から多くのチームメイトに“暴露”されてきた“天然”ぶりも、メジャーの気質に合っていたように思えます。

ただ、2012年は糸井選手自身、まだレギュラー定着4年目を終えた時期。やはりこのタイミングでのメジャー移籍は、今思い返してもむずかしかったでしょう。

“超人”と呼ばれ、ファンからもメジャー移籍待望論が多かった糸井選手。しかし、日本で40歳を越えても現役を続け、引退した今もなお、SNSなどで現役時代かそれ以上の肉体を見せてくれているだけに、「日本で現役を全うした」この結果も、ファンにとっては十分納得できるモノだったのではないでしょうか。


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※現在のレートは1ドル=149円で換算。
※本記事は、2024年2月14日執筆時のものです

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