1. トップ
  2. もしも全盛期の「天才・高橋由伸」が今の時代にメジャー挑戦していたら…契約金いくらになる?

もしも全盛期の「天才・高橋由伸」が今の時代にメジャー挑戦していたら…契約金いくらになる?

  • 2024.1.24

日本人選手のメジャー移籍が当たり前になった現在。近年も鈴木誠也選手、吉田正尚選手……今年は山本由伸投手、今永昇太投手、松井裕樹投手、上沢直之投手といった日本のプロ野球で超一流の成績を残した多くの選手が、海を渡りメジャー球団と契約しています。

しかし、過去には「メジャーでもやれるのでは?」「現代ならメジャー移籍間違いなし!」という評価を受けながら、日本のプロ野球界でプレーすることを選択した選手も大勢います。

そんな選手が「もしも今、メジャー移籍を目指したら……」一体どんな契約を結ぶことができたのか。今回は、そんな“妄想全開”の記事をTRILL読者のみなさんにお届けします。

アマチュア球界ナンバーワンバッターが1年目からスターの仲間入り

undefined
写真:PIXTA

今回取り上げるのは、1998年から2015年まで読売ジャイアンツでプレーした高橋由伸選手です。

高橋選手はプロ入り前、慶応大学時代から「天才打者」と呼ばれ、六大学リーグ新記録となる通算23本塁打をマーク。3年春のリーグ戦では三冠王を獲得するなどアマチュア球界ナンバーワンバッターとして大きな注目を集めました。1997年ドラフトでは争奪戦の末に巨人を逆指名しプロ入りし、プロ1年目からいきなりその才能を発揮します。

当時、松井秀喜選手、清原和博選手といったスーパースターをそろえた巨人でルーキーながらレギュラーを獲得。打率.300、19本塁打、75打点という素晴らしい成績を残し、たった1年でプロ野球界を代表するスター選手へと上り詰めました

以降はケガに泣かされながらも巨人の主力としてプレーを続け、プロ10年目の2007年にフリーエージェント(FA)の権利を取得。しかし、高橋選手はこの権利を行使せず、巨人に残留。結果的に現役を引退する2015年まで、一度もFA権を行使することなくプロ野球人生を終えています。

現役18年間、「巨人一筋」を貫いた高橋選手ですが、当時から「メジャーでもやれる」という評価を受けていました。2007年といえば、メジャーではイチロー選手や松井選手が活躍していた時期。もしFA権を行使してメジャー移籍を目指していれば、手を上げる球団は少なくはなかったはずです。

ではもし、2024年の現在に、高橋選手がメジャー移籍を目指したとしたら……。おそらく、同じように複数の球団が獲得に参戦するはずです。ここでは、「高橋選手がFA権を取得した2007年の成績」をベースに、契約内容を妄想してみましょう。

もしも「天才・高橋由伸」がメジャーに挑戦していたら…?

undefined
写真:アフロスポーツ

当時の高橋選手はプロ10年間で打率3割を7回、シーズン20本塁打以上を6回記録する“日本球界最強バッターのひとり”でした。特に2007年は主に1番を任され、プロ野球記録となる9本の先頭打者本塁打を含むキャリアハイの35本塁打(セ・リーグ2位)をマーク。出塁率.404に加え、リーグトップの長打率.579、OPS.982を記録するなど、充実した1年間を過ごしました。(※OPS=出塁率+長打率で導き出す指標でメジャーでも重要視される)

また、バッティングだけでなく守備も超一流で、7度のゴールデングラブ賞を誇る“守備の名手”としても知られていました。

これほどの数字を残す選手ですから、現代のメジャーリーグであれば契約総額も相当なものになるはずです。ただひとつ、ネックになる問題があります。それが、「年齢」です。2007年時点で高橋選手は32歳。もしメジャー移籍を果たしたとして、デビューは33歳の年になります。野球選手としては、一般的にピークを過ぎ、ここから緩やかな下降線を描く年齢帯。

ちなみに、近年メジャー移籍を果たした高橋選手と同じ“外野手”の鈴木選手は渡米時27歳、吉田選手は29歳とともに20代。そう考えると、彼らほどの長期契約は難しいかもしれません。

吉田選手の渡米時の契約が5年総額9000万ドル(当時約122億円)だったことを考えると、現実的なラインを考えて契約年数は3年から長くても吉田選手と同じ5年程度。年俸もやや低めに抑えられて1500万ドル(約22億円)程度が無難なラインかもしれません。

鈴木選手、吉田選手と比較して「低すぎる」と思われる方もいるかもしれませんが、メジャーでは契約時の「年齢」が契約年数、年俸に大きく影響する傾向があります。32歳でメジャー経験のない外野手と考えれば、この数字でも“破格”と言えるのではないでしょうか。

もし、20代でポスティング移籍していたら?

ただ、もしも高橋選手がまだ20代の段階で、たとえば「ポスティングシステム」を利用してメジャー移籍を目指していたら……契約内容も大きく変わっていたはずです。

仮に吉田選手同様、大卒7年目を終えた2004年オフの時点でメジャー移籍したと仮定してみましょう。当時でも、おそらく争奪戦になったはずですが、現在であればまだ20代という年齢、バッティングに加えて守備力も兼ね備えたスター選手の契約は、さらに巨額になったはずです。それこそ、契約年数は最低でも5年以上年俸も2000万ドル(約30億円)、総額では1億ドルを超える契約も夢ではないはずです。

史実ではメジャー移籍はせずに最後まで巨人でプレーした高橋由伸選手。もちろん、巨人の選手として最後まで日本球界でプレーし、通算1819試合、1753安打、321本塁打、打率.291をマークした高橋選手が「天才打者」なのは不変の事実です。

ただ、「もしも、メジャーリーグでプレーしていたら……」ファンがそんな姿を夢見てしまうようなスーパースターだったことも、間違いないはずです。


undefined

※現在のレートは1ドル=145円で換算。
※本記事は、2024年1月23日執筆時のものです

の記事をもっとみる