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史上最高のセカンド「山田哲人」がもしもメジャー挑戦したら…"年俸はいくら"になる?韓国人野手の活躍が追い風に!?

  • 2024.1.17
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写真:PIXTA

プロ野球史上最高のセカンド”の呼び声も高い東京ヤクルトスワローズ・山田哲人選手日本人右打者シーズン最多安打(193安打/2014年)、シーズン本塁打王&盗塁王ダブル獲得(史上初/2015年)、トリプルスリー3度(史上初/2015、2016、2018年)といった数々の偉業を成し遂げているのですから、そう言われるのも納得です。

近年、日本でトップレベルの成績を残した多くの選手が海を渡り、メジャーリーグへと移籍を果たしています。しかし、山田選手は2020年オフにヤクルトと7年契約を結んでおり、事実上の“生涯ヤクルト宣言”。メジャー移籍を封印し、今も日本でプレーを続けています。

とはいえ、そこは「打って良し、守って良し、走って良しの」山田選手。WBCや五輪でもプレーした日本を代表する選手ですから、当然ながら過去にはメジャー移籍のウワサもちらほら……。

そこで本稿では、山田選手が「もし」メジャー移籍を目指していたとしたら、どの程度の契約を獲得できたのかを“妄想”してみようと思います。

パンデミックなど不運が重なり…

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写真:PIXTA

山田選手がヤクルトと7年もの大型契約を結んだのは2020年オフ。同年途中には国内FA権を獲得し、その動向が大きな注目を集めましたが、結果的にチームに残留。多くのヤクルトファンが胸をなでおろしました。

ちなみに国内FA権とは、日本のプロ野球であればどのチームとも自由に契約できる権利で、メジャーリーグは対象外。メジャー移籍が可能になる「海外FA権」を取得したのは翌2021年でした。

しかし、海外FA権を持っていなくても「ポスティングシステム」でメジャーに移籍することは可能です。そこでここでは、2020年の山田選手が「もしも」ポスティングでメジャー移籍を目指したら……を想定して、その契約額を妄想してみましょう。

まず、山田選手の2020年の成績ですが、94試合で打率.254、12本塁打、52打点とピリッとしませんでした。ただ、この年は新型コロナウイルスの影響でプロ野球の開幕が大幅にずれ込み、さらにはシーズンも120試合に短縮。メジャーリーグもパンデミックの影響で大きな混乱を見せていました。

そう考えると、山田選手のFA権取得時期は、かなり不運なタイミングだったと言えるかもしれません。同時に、2020年頃はメジャーリーグでは日本人野手の評価が“底値”だった時期といえます。大谷翔平選手(当時エンゼルス)が大活躍を見せたのは翌2021年からですし、鈴木誠也選手(カブス)や吉田正尚選手(レッドソックス)も海を渡る前。さらには同年からメジャーでプレーしていた秋山翔吾選手(当時レッズ)、筒香嘉智選手(当時レイズ)が期待されたような結果を残せていなかったのも日本人野手の需要が低くなっていた要因と言えるかもしれません。

加えて、山田選手はメジャーで順応がむずかしいと言われる「内野手」。そう考えると、もしポスティング移籍を目指した場合でも大型契約は難しかったかもしれません

ちなみに、2020年からメジャーでプレーした筒香選手は2年総額1200万ドル、秋山選手は3年総額2100万ドルで契約を結んでいます。

当時の山田選手は筒香選手よりもスピードと守備力があり、秋山選手よりもパワーのある選手でした。メジャーが重視するOPS(出塁率+ty投打率)でも3度の1.000越えを果たしており、(ちなみに筒香選手は1度、秋山選手はなし)契約総額ももう少し上乗せされたと予想されます。おそらく、3年総額2400万ドル程度の契約は勝ち取ることができたのではないでしょうか。

「底値」だった日本人野手の評価が高騰

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写真:CTK Photo/アフロ

 

しかし、あれから数年間で「日本人野手」の評価は高騰しています。大谷選手、鈴木選手、吉田選手らの活躍により、「日本人野手はメジャーでも十分数字を残せる」ことが証明され、さらにはメジャー全体の年俸高騰にも拍車がかかっています。

また、日本人以外でも2020年からパドレスでプレーする韓国出身のキム・ハソン選手がショートのレギュラーに定着。昨季は152試合で打率.260、17本塁打、38盗塁をマークし、さらには守備面でも高い評価を集めています。

内野手であるキム選手の活躍は、今後メジャー移籍を目指す日本人内野手にとっても大きな追い風になるはずです。たとえば、数年後のメジャー移籍もウワサされる村上宗隆選手(ヤクルト)や、岡本和真選手(巨人)といった選手の評価にも影響を与えるかもしれません。

山田選手の場合も、国内FA権を獲得した2020年当時であれば大型契約は見込めなかったかもしれませんが、「2024年の今」であれば、状況は大きく変わっていたかもしれません

日本人野手のメジャー移籍時の最高契約は吉田選手の5年総額9000万ドル(当時約122億3300万円)ですが、山田選手であれば「5年総額1億ドル(約145億円)」も夢ではないはずです。

守備での貢献度が高い二遊間というポジションに加え、山田選手にはスピードとパワーがあります。それこそ、メジャーでも5ツールプレイヤー(すべてが揃った選手の総称)として活躍できた可能性もあったはずです。

近い将来、山田選手のあとを継ぐようなスター選手が海を渡り、メジャーの世界で「日本人内野手が通用する」ことを証明してくれるかもしれません。

その日が来ることを、野球ファンとして楽しみに待ちたいと思います。


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※現在のレートは1ドル=145円で換算。
※本記事は、2024年1月16日執筆時のものです

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