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もしも三冠王に近づいた「近藤健介」がメジャー挑戦していたら…"年俸はいくら"になる?"獲得しそうな球団"はどこ?

  • 2024.1.11
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写真:PIXTA

2023年オフはメジャーリーグで日本人選手の高額契約が大きな話題になりました。大谷翔平選手が10年総額7億ドル、山本由伸投手が12年総額3億2500万ドルでそれぞれドジャースと契約。メジャーの世界で日本人の実力が高く評価され、海外では「ネクスト大谷」「ネクスト山本」の候補としてすでに村上宗隆選手(ヤクルト)、佐々木朗希投手(ロッテ)の名前が挙がるなど、今後も注目の日本人選手のメジャー移籍が大きな話題になるのは間違いないでしょう。

その一方で、メジャー移籍を封印して日本のプロ野球界でプレーを続ける選択をした選手の中にも、ついつい「もしもメジャー移籍を目指していたら……」と妄想してしまうような選手は大勢います。

今回取り上げたいのは、昨シーズン、パ・リーグで本塁打、打点の二冠王に輝いた近藤健介選手(ソフトバンク)。WBCでも大谷選手の前を打つ2番打者として活躍した近藤健介は昨年オフ、海外FA権を行使して国内のソフトバンクへと移籍を果たしました。

もし、近藤健介選手が「メジャー移籍」を目指していたら、いったいどれほどの契約をつかめたのか?本稿ではそんな妄想を交えて検証していきたいと思います。

メジャーの"トレンド"と近藤選手の"プレースタイル"に大きな壁が…

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写真:PIXTA

2022年オフ、近藤選手がFA宣言した際には、古巣の日本ハムを含めて国内5球団が争奪戦に参加。結果としてソフトバンクへ移籍することになりましたが、メジャー球団からのオファーがあったいうニュースはありませんでした。近藤選手自身に「メジャー志向」がなかったことが最大の要因と考えられていますが、もうひとつ大きなファクターとなったのが近藤選手のプレースタイルです。

2022年までの近藤選手は、打率3割を4度、2017年から6年連続で出塁率4割超え(2017、2022年は規定打席未到達)を記録する球界屈指の成績を残す一方で、本塁打のキャリアハイは2021年の11本。本拠地が広い札幌ドームという点を差し引いても、典型的な「安打製造機」タイプの選手でした。

現在、メジャーでは「フライボール革命」と呼ばれる「長打を狙うスタイル」が主流となっており、近藤選手のようなタイプはあまり評価されにくいのが現状です。

しかし2023年、近藤選手は大きな進化を見せます。移籍1年目にしてキャリアハイの26本塁打、87打点をマーク。前述のとおりパ・リーグ二冠王に輝いています。また、長打が増えた一方で確実性は変わらず、打率.303はリーグ2位、出塁率.431、OPS.959(※OPS=出塁率+長打率で計算するメジャーでも重視される指標)はともにリーグトップをマーク。

それまでも「一流打者」として高い評価を受けていた近藤選手ですが、この結果でその評価をさらに確固たるものとしました。

モデルチェンジを果たした近藤選手の評価

ではもし、近藤選手のFA権行使が1年遅く、2023年オフだったら……「たられば」ではありますが、国内だけでなくメジャー球団も交えた争奪戦になった可能性は十分あったはずです。

年齢的にも現在30歳と、プロ野球選手として全盛期を迎えている近藤選手。通算本塁打は実働12年間で78本ですが、特筆すべきは通算打率.306、同出塁率.415という驚異的な確実性です。

ここで、近年メジャーに移籍した鈴木誠也選手(広島→カブス)、吉田正尚選手(オリックス→レッドソックス)と近藤選手の日本通算成績を比較してみましょう。


近藤健介 打率.306 出塁率.415 OPS.862

吉田正尚 打率.327 出塁率.421 OPS.960

鈴木誠也 打率.315 出塁率.414 OPS.985


「長打力」がカギを握るOPSでは分が悪いですが、打率、出塁率では遜色ないことがわかるはずです。

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写真:CTK Photo/アフロ

加えて、近藤選手は2023年のWBCで世界に名前を売っています。7試合の出場で打率.346、出塁率.615、OPS1.115。MVPの大谷選手や大会途中から4番を担った吉田選手と遜色ない数字を残し、国際舞台での強さ、外国籍投手への順応力も証明済み。

こうなると気になるのがその契約総額です。吉田選手、鈴木選手ほどの契約は現実的ではないかもしれませんが、今オフには韓国のイ・ジョンフ選手がサンフランシスコ・ジャイアンツと6年総額1億1300万ドル(約164億円)で契約。イ選手は韓国通算打率.340を誇りますが、近藤選手と同様に本塁打を量産するタイプではなく、通算OPSは.898。

日韓の違いはありますが、「スラッガータイプ」ではなくても高額契約が結べる前例が生まれたこともプラス材料になりそうです。

吉田選手が2022年にレッドソックスと結んだ契約が5年総額9000万ドル(約130億円)なので、年齢や通算OPSを加味すればそれよりやや低い5年総額8000万ドル(約116億円)前後が基準となるのではないでしょうか。

獲得しそうな球団は?

また、獲得球団としては外野の選手層に不安を抱えて、なおかつ資金力もあるパドレス、メッツや、イ選手の争奪戦にも名を挙げたジャイアンツ、ヤンキースあたりが候補になりそうです。

もちろん、この数字は「もしも今オフ、近藤選手がFAでメジャー移籍を目指したら……」という妄想ベースのお話。現実には起こりえないことですが、大谷選手、鈴木選手、吉田選手はもちろん、近年は韓国人選手の活躍も目覚ましいメジャーリーグ。

今後も日本人、アジア人野手の評価が高まれば、来シーズン以降海を渡る日本人選手の契約は、さらに天文学的な数字になるかもしれません。


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※現在のレートは1ドル=145円で換算。
※本記事は、2024年1月10日執筆時のものです

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