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「歴代最強だと思う西武のエース投手」ランキング!「工藤公康」「西口文也」「東尾修」を抑えた第1位は?【プロ野球ファン100人に聞いた】

  • 2024.2.6
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写真:PIXTA

昨季は5位に終わりましたが、パ・リーグを代表する強豪として名高いチームと言えば埼玉西武ライオンズ。前身の西鉄ライオンズ時代から含めるとリーグ優勝23回、日本一13回を誇ります。

そんな強豪チームだけに、球団の歴史を彩ったエース投手も数多く存在します。黄金時代に輝きを放った投手もいれば、精密なコントロールを武器にした投手、強気な投球でチームを鼓舞した投手や豪速球でファンを驚かせた投手など、それぞれの時代を代表するようなエース投手がチームを牽引してきました。

そんな名投手が多数ランクインした西武のエース投手の中で“歴代最強”はいったい誰なのか? そこで、全国のプロ野球ファン100人にアンケートを実施し「歴代最強だと思う西武のエース投手ランキング」を作成。その結果をご紹介します。

なお、「最強」の定義は記録や数字だけでなく、投票者に委ねていますので、投票理由も多岐にわたります。また、今回は「先発」経験のある投手を対象としています。クローザーへの転向などで一時期先発だった投手も対象です。更に、プロ入りから引退まで西武一筋ではなくても、一時期西武に在籍していた投手も対象となります。

一体、誰が「歴代最強の西武のエース投手」に選出されるのか……。投票結果を見てみましょう!

【同率2位】工藤公康(7票)

名門チームならではと言えるかもしれませんが、同率2位にランクインした投手が3名。

その中のひとりが工藤公康投手。1980年代後半から1990年代前半までの西武黄金期を支えた活躍ぶりがファンの記憶に強く残るレジェンド左腕です。

名古屋電気高校(現愛工大名電)時代から注目の左腕投手として話題になっていた工藤投手はプロ入り1年目から一軍に定着。ルーキーイヤーの1982年は1勝1敗という成績でしたが、日本ハムと対戦したプレーオフでは当時のプロ野球界を代表する大投手・江夏豊投手と投げ合って勝利を収めるなど、弱冠19歳にして強心臓ぶりを発揮しました。

工藤投手が本格化したのはプロ入り4年目の1985年。アメリカ野球留学を終えた直後のシーズンとなったこの年は故障で出遅れたものの、8勝3敗という成績を収め、防御率はリーグ1位となる2.76。翌1986年には自身初となる2桁勝利を挙げて西武のリーグ優勝に貢献。広島と対戦した日本シリーズでも大活躍を収め、日本一の原動力に。さらにシリーズMVPに選ばれて工藤投手の存在は全国に知れ渡りました。

工藤投手が西武ファンの記憶に残る理由のひとつに底抜けに明るいキャラクターがあります。好投してヒーローインタビューに選ばれるとおどけてみせたり、優勝した際は胴上げに加わらずにカメラに向かってはしゃぐといった明るいパフォーマンスは当時流行した「新人類」を象徴する存在として、1986年の新語・流行語大賞で表彰されました。

その後も工藤投手はコンスタントに活躍し、西武黄金期の左のエース投手として君臨。1994年までに113勝を挙げて翌年にダイエーへFA移籍。その後、巨人、横浜とチームを転々としながらも息の長い活躍を続け、2010年には西武へ復帰。2011年に現役を引退するまでに通算224勝を挙げる大活躍を収めました。引退後はご存知の通り、監督として福岡ソフトバンクホークスを7シーズン指揮し、5度日本一に導いています。

80年代後半から長きにわたって活躍。200勝した実績だけでなく、日本シリーズの大舞台で活躍したピッチャーとしての印象も強い。西武ライオンズ退団後も他のチームでも優勝に貢献していますが、西武ライオンズでの活躍がとても印象に残っています。(49歳・男性)
巨人との日本シリーズで3者3球見逃し三振。こんなの見たことない。(43歳・男性)
西武時代に3回の最多勝率のタイトルを獲得し、常勝西武を支えた一人と言えます。(47歳・男性)

【同率2位】西口文也(7票)

同率2位、2人目は西口文也投手。現役の21年間を西武一筋に捧げた“フランチャイズ・プレイヤー”として知られ、ファンに愛される存在でした。

プロ入り1年目のシーズン後半戦から先発ローテーション入りを果たした西口投手は、翌1996年にはリーグ2位となる16勝を挙げてエース投手として名乗りをあげます。自身初となる開幕投手に選ばれた1997年には15勝、192奪三振、勝率.750で最多勝、最多奪三振、そして最高勝率の投手三冠に輝き、チームの3年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献。この活躍でリーグMVP、さらに投手最高の栄誉である沢村賞も獲得します。

その後も縦と横に変化する2種類のスライダーを軸にした投球で西口投手は勝ち星を量産。毎年のようにコンスタントに2桁勝利を挙げて、西武どころかリーグを代表する投手へと成長を遂げましたが、ファンには悲劇性も記憶に残っているはず。

というのも、西口投手はノーヒットノーラン、完全試合をあと一歩のところで達成できなかったという試合を通算で3度経験。中でも2005年8月27日の対楽天戦では9回終了時点まで楽天打線にヒットどころか出塁すら許さないという完璧な投球を収めましたが、味方である西武打線も相手投手を打ち崩せずに沈黙。延長10回表にもマウンドに登った西口投手でしたが、先頭打者に安打を許してしまい、完全試合を逃してしまいました。

こうした惜しい投球を続けたことで「悲運のエース」と称されることもあった西口投手でしたが、そうした好投を支えたのは代名詞のスライダーと正確無比なコントロール。長年安定した投球を続けたことで通算182勝を挙げ、ファンの記憶に残ることになりました。

2005年のイーグルス戦で、9回までのノーヒットノーランで抑え、10回に打たれた試合が印象的だった。いろいろ記録にはめぐまれなかったけど、名投手だったと思う。(59歳・男性)
鋭く曲がるスライダーと通算182勝まさにエースだと思っています(34歳・男性)
ノーヒットノーラン未遂3回は悲劇的に語られますが、それだけ高い完投能力を有していた証だと思います(44歳・女性)

【同率2位】東尾修(7票)

50代以上の回答者から根強い支持を得たのが東尾修投手。西鉄ライオンズ末期から西武ライオンズの黎明期を支え、通算251勝を挙げた大投手です。

史上最高の当たり年と称された1968年のドラフト会議で西鉄ライオンズに1位指名を受けて入団した東尾投手でしたが、間もなく黒い霧事件が発生し、チームの主力投手のほとんどが永久追放されて西鉄は慢性的な戦力不足に陥ってしまいました。

そうしたチーム状況の中で東尾投手は主戦投手として孤軍奮闘。1975年にはリーグ最多となる54試合に登板して23勝15敗という成績で最多勝を獲得して、低迷するチームの中にあってエース投手として活躍します。

このころから東尾投手の代名詞となったのはシュート。死球すら辞さないと言わんばかりに打者の内角を鋭くえぐるボールで打者を打ち取っていく投球術はケンカ投法と称され、他球団からも恐れられる存在に。投球回4086と多いのもありますが、そうした投球の副産物として記録した通算165与死球は今もNPB記録となっています。

そんな東尾投手の活躍が報われるようになったのは親会社が西武に変わり3年目を迎えた1982年。2年ぶりとなる2桁勝利を挙げて自身初となるリーグ優勝を経験すると、中日と対戦した日本シリーズでもMVPを受賞してチームを日本一に導きました。

その後は後輩選手ばかりとなったチームの中で東尾投手はエース投手として、時には若いチームメイトたちの兄貴分として存在感を発揮。1988年に現役を引退するまでにリーグ優勝を6度、日本一を4度経験して西武黄金期を支えました。

ライオンズを代表する投手と言えばこの人しか思い浮かびません。決して大柄ではないのに闘志むき出しの投球で、見ているこちらも手に汗握るプレーが魅力でした。(55歳・女性)
長期にわたり埼玉西武ライオンズのエースとして活躍しました。切れ味鋭い変化球が凄くて、歴代最強だと思います。(51歳・男性)
肝心なところでは必ず相手打者を打ち取り、チームを勝利に導く独特の勝負強さがあった。(59歳・男性)

【第1位】松坂大輔(60票)

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写真:アフロ(写真はレッドソックス時代)

全世代から圧倒的な支持を集め、6割の支持で第1位となったのは松坂大輔投手

高卒で入団したプロ1年目から150キロを超える豪速球を武器にした圧倒的な投球で強打者を捻じ伏せる姿がファンに強烈な印象を与えたことが、支持を得る要因となりました。

横浜高校(神奈川)を甲子園春夏連覇へ導き、「平成の怪物」と称された松坂投手は鳴り物入りで西武へ入団。するとルーキーイヤーの1999年から先発ローテーション入り。中でもプロ初登板となった4月7日の対日本ハム戦では1回から片岡篤史選手を相手に最速155キロのストレートを投じて、ファンの度肝を抜きました。この豪速球を武器にした投球でいきなり16勝をマークし最多勝のタイトルを獲得。プロ入り3年目の2001年には沢村賞も受賞して、名実ともに西武のエースとして君臨します。

松坂投手の代名詞は150キロを超える豪速球でしたが、そのストレートを生かす多彩な変化球も魅力のひとつ。変化量が異なる数種類のスライダーにカットボール、チェンジアップなどを駆使して奪三振王のタイトルを通算4度獲得しました。また、分業化が進んだ1990年代以降の投手としては珍しく、完投数が多い投手としても知られ、2004年から3年連続でリーグ最多の完投数を記録。先発したら最後まで投げ切るというところもエース投手としての印象を強く与えました。

そうした投球を見せることで勝ち星も量産し、故障した2002年を除き、在籍8年間で7度の2桁勝利をマークして西武時代には通算108勝を記録。プロ入り直後はなかなか優勝に恵まれませんでしたが、2004年にはエース投手として中日との日本シリーズで活躍して、チームを日本一に導きました。

西武のエース投手として圧倒的な成績を残した松坂選手は2007年からメジャーリーグ、ボストン・レッドソックスへ移籍。その後、2015年にNPBへ復帰するとソフトバンク、中日を経て2020年から西武へ復帰。現役晩年は故障に見舞われ、苦しいシーズンが続きましたが、2021年の引退試合では満員のファンから見送られるなど、最後までファンに愛されたエース投手でした。

西武入団1年目から16勝と大活躍し2年目以降も最多勝や最多奪三振や最優秀防御率といったタイトルを獲得するなど平成の怪物と呼ばれるぐらいのインパクトを残した投手だからです。(40歳・男性)
ライオンズに入団時から「大輔フィーバー」と呼ばれる社会現象を巻き起こし、人気もさることながらプロ初登板では被安打5、その年の1999年には16勝を挙げてとても新人とは思えないほどの活躍をしたからです。さらに西武でプレイした8年間のうち10勝以上が7年間と華々しい活躍をしたので松坂選手が歴代最強の先発投手だと思います。(48歳・男性)
速さと伸びのあるストレートと、抜群のキレのあるスライダーで三振をとりまくっていた印象があります。松坂世代という世代をつくった選手なので歴代最強だと思います。(39歳・男性)
西武在籍当時の投手の中で最高峰の投球のパワーとスピードを誇りました。イチロー選手を打ち取った事に対する「自信が確信に変わった」という発言も印象に残っています。(41歳・男性)
大舞台での勝負強さ、ファンを魅力する投球などプロ野球人気を跳ね上げた存在。イチローとの対戦は見応えがありました。(45歳・男性)

5位以下の選手とコメント

髙橋光成(5票)

防御率が2.21ととても良く、パフォーマンスもチームを牽引していけるぐらい安定しているからです!(28歳・男性)

涌井秀章(3票)

柔軟な身体から投げ出される精度の高い球は芸術品のようだったから(37歳・女性)

郭泰源(3票)

オリエンタル超特急と言われ、とにかく直球が早くて打者がきりきり舞いしていた印象があります(61歳・男性)

稲尾和久(3票)

1958年、巨人との日本シリーズで西鉄が3連敗からの4連勝で奇跡の逆転日本一に輝いたときに6試合登板しなんと4勝をあげた。実績としては通算勝利276勝、年間最多勝/タイ記録: 42勝、通算防御率1.98、「神様、仏様、稲尾様」、間違いなく稲尾が歴代最高投手だと思います。(61歳・男性)

菊池雄星(2票)

世代も近いので甲子園で見てた時からオーラがあったので。球場でも気迫を感じたので(31歳・女性)

結果はこちら

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松坂投手が圧倒的な支持を集め、2位が同率で3人がランクインするなど名門チームらしく多数のエース投手が名を連ねた今回のランキング。5位以下にも様々な名前が挙がりました。

また、注目したいのは第5位。現在の西武のエース投手である髙橋光成投手がランクイン。ここまでタイトルにこそ恵まれていませんが、2021年から3年連続で2桁勝利を挙げ、昨季は防御率2.21を記録。長い髪を靡かせる姿もファンに強烈な印象を残しています。

髙橋投手をはじめ、昨季より先発に転向して好投を続けた平良海馬投手ら現在の西武の投手陣を支える投手から新たなエース候補が現れるのを注目して見るのもオススメです!


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査実施日:2024年1月10日
調査対象:全国の20代~60代
有効回答数:100

※2024年1月29日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※現在現役・引退をした選手に関わらず敬称は「投手」で統一しています。

※サムネイル写真出典:PIXTA

原稿:福嶌弘
1986年横浜生まれ。フリーライター。幼少期より競馬・野球に興味を持ち、ヤンキー向けバイク雑誌、中古車雑誌などを経て2005年からフリーライターとして独立。以降は野球、競馬のスポーツを中心に街、クルマ、グルメ、アウトローetc…とジャンルを問わずに各媒体で執筆。生来の巨人ファンのため、主な出没場所は東京ドーム、横浜スタジアムそして後楽園、関内の居酒屋など

アンケート集計:TRILLスポーツ

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