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【プロ野球】「歴代最強だと思うルーキー」ランキング!3位「上原浩治」、2位「清原和博」を抑えた1位は?【ファン100人に聞いた】

  • 2024.2.10
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写真:PIXTA

プロ野球の世界には毎年、「新人選手」が入団してきます。今年も、昨秋行われたドラフト会議で指名された122選手(育成ドラフト指名選手を含む)が新たにプロの門戸を叩き、プロ野球人生をスタートさせました。

彼ら新人はみな、将来のスター選手を目標にプロの舞台に足を踏み入れるのですが、その中で「成功」をつかめるのは一握りの選手のみ。ましてや、プロ入りして1年目にいきなり活躍できる選手など、1年に数人現れるかどうかです。

そこで今回はプロ野球ファン100人に新人プロ野球選手についてのアンケートを実施。テーマはズバリ、「歴代最強ルーキー」。プロ1年目にもかかわらず、一流クラスの結果を残した過去のルーキーたちの中で「最強」は一体誰なのか?

アンケート結果をランキング形式で発表いたします!

また、投票対象はあくまでも「ルーキーイヤーの活躍」であり、新人王受賞者でもプロ入り2年目以降であれば対象外になります。

なお、「最強」の定義は数字や獲得したタイトルなどではなく投票者に委ねていますので、投票の理由も多岐にわたります。

さっそく、気になる結果を見ていきましょう!

【第3位】上原浩治(10票)

読売ジャイアンツやMLBでプレーし、アジア人として史上唯一となる日米通算100勝100セーブ100ホールドを記録している上原浩治投手が第3位にランクイン。1998年ドラフトで巨人の1位指名(逆指名)を受けた上原投手は、プロ1年目の1999年に球史に名を残す衝撃の活躍を見せます。

開幕から先発ローテーションの一角を担うと、前半戦だけで12勝をマーク。ちなみに前半戦での12勝は新人投手としては37年ぶりとなる快記録でした。上原投手の快投は後半戦に入っても衰えることなく、9月21日には歴代4位タイ、新人投手新記録の15連勝を記録。

結局、この年は1年間通してローテを守り、20勝4敗、防御率2.09、179奪三振。プロの世界でも1990年以来9年ぶり、新人としては19年ぶりのシーズン20勝投手となり、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手四冠を達成。あわせて、新人王、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、沢村賞とタイトルを総ナメしました。

当時の巨人は斎藤雅樹投手、桑田真澄投手、槙原寛己投手の「先発三本柱」がベテランの域に突入し、次世代のエース誕生が熱望されている時期。そんな中、1990年代最後の年に彗星のごとく現れたルーキー・上原投手の活躍は巨人ファンだけでなく多くのプロ野球ファンを驚かせました。

上原投手はその後、巨人のエースに成長してメジャーリーグでも活躍。長きにわたって日米でプレーしましたが、ルーキーイヤーの1999年の活躍は今なお、多くのファンの脳裏に鮮明に焼き付いています。

ルーキーで20勝到達は二度と出ないと思うほど、素晴らしい成績だと思います。しかも読売巨人で一年目からローテーション入りし完投型で大活躍したことが最強だと思います。(37歳・男性)
この時の上原はまさに無双状態。入団1年目から20勝で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最多勝率の4冠と新人賞、沢村賞も受賞するなど大活躍で大好きな選手でした。(36歳・男性)
新人で20勝するのはここ何十年もいないから(32歳・男性)
高いセーブ率で若い内からもチームに貢献した実力者だといえるから。(34歳・男性)

【第2位】清原和博(21票)

「最強のルーキー」第2位にランクインしたのは、プロ野球通算525本塁打を誇る清原和博選手

PL学園時代から怪物スラッガーとして注目を集めた清原選手は、今なお破られていない甲子園通算13本塁打という不滅の記録をひっさげ、1985年ドラフトで6球団競合の末に西武ライオンズに入団。

そして迎えたルーキーイヤーの1986年。清原選手は歴史に残る1年間を過ごすことになります。オープン戦こそプロの壁に苦しみ、本塁打が一本も出ない状況で開幕を迎えましたが、開幕2戦目に途中出場すると2打席目にプロ初本塁打。そこからレギュラーに定着すると、前半戦だけで11本塁打を記録してファン投票1位でオールスターにも出場。

さらに後半戦はわずか59試合で20本塁打をマークし、9月には高卒新人としては初となる月間MVPも受賞。最終的に126試合に出場し、打率.304、31本塁打、78打点を記録しましたが、これらはすべて今なお破られていない高卒新人のシーズン記録になっています。この活躍ぶりで当然のように新人王も受賞。ちなみに、高卒新人野手による新人王受賞は、2023年終了時点でも清原選手以来、誕生していません。

投手と比較して、プロへの順応に時間がかかると言われている野手ですが、「高卒入団」にもかかわらず異次元の記録を残した清原選手。まさに歴史に残るルーキーイヤーと呼ぶにふさわしい1年が、堂々ランクインを果たしました。

高卒新人で3割30本塁打の成績はとてつもない記録。31本塁打は未だに破られていない新人日本記録。18才で既にプロ野球の4番を務められる実力があった打者は他にはいないと思います。(58歳・男性)
高卒1年目の数値とは思えない成績も凄いですが、それよりも内容が素晴らしいです。相手チームのエース級の決め球を右方向にホームランする打撃技術はベテランの域です。(41歳・男性)
甲子園のスターがそのイメージのまま大活躍。高卒1年目で3割30本クリアは今後も現れない可能性大の記録。(48歳・男性)
ドラフトで悔しい思いをしたものの,入団後はそれを晴らすような超高校級の力強い打撃でさすがだと思わせられました。西武ライオンズの爽やかなブルーのユニフォームもよく似合い,ライオンズのイメージアップにもつながったと思います。(55歳・女性)

【第1位】松坂大輔(25票)

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写真:岡沢克郎/アフロ(写真は横浜高校時代)

上原投手、清原選手といった“レジェンド”を抑え、堂々の第1位に輝いたのは松坂大輔投手

日米通算170勝をマークし、2021年に現役を引退した“平成の怪物”はルーキーイヤーから怪物ぶりをいかんなく発揮しました。

横浜高校時代にはエースとしてチームを甲子園春夏連覇に導き、1998年ドラフトで3球団競合の末に西武ライオンズに入団した松坂投手。春季キャンプからその人気ぶりはすさまじく、マスコミやファンから逃れるために「影武者」が用意されたというエピソードもあります。

それだけ大きな注目を浴びれば、並みの18歳なら本来の実力を発揮できなくても不思議ではないはずですが、松坂投手は違います。プロ1年目の1999年4月7日。東京ドームで行われた日本ハムファイターズとの試合で一軍先発デビューを飾ると、初回に日本ハムの3番・片岡篤史選手を相手に自己最速となる155キロをマークして空振り三振を奪うなど、8回2失点でデビュー戦勝利を飾ります。

5月16日のオリックス戦では球界ナンバーワンバッターのイチロー選手と初対戦。全国のファンが注目する中、松坂投手はなんとイチロー選手から3三振を奪う離れ業を披露。投げるたびに伝説を作る圧巻の投球をシーズン最後まで貫き通し、終わってみれば25試合で16勝5敗、防御率2.60、151奪三振をマーク。16勝はこの年のパ・リーグ最多勝でした。高卒新人による最多勝獲得はプロ野球45年ぶりの快挙で、松坂投手以降はひとりも達成していません。同時に、高卒新人史上初のベストナイン、新人王、ゴールデングラブ賞を獲得。甲子園のスターから、わずか1年でプロ野球界を代表するエースへと上り詰めました。

ちなみに、1999年はランキング3位に入った上原投手のルーキーイヤーと同じ年。パ・リーグでは松坂投手が、セ・リーグでは上原投手が新人ながらタイトルを総ナメする活躍を見せましたが、数字だけを見ると上原投手のほうが松坂投手を上回っています。

にもかかわらず、ランキングでは松坂投手が上となったのはやはり「高卒新人」だったことが大きく影響しているようです。同じ新人でも、松坂投手は当時18歳、上原投手は23歳と上原投手が5歳年上。当時から「大卒投手」がプロで即戦力の活躍を見せることはありましたが、松坂投手のように「高卒新人」が1年目からエース級の活躍をするケースはほぼありませんでした。そういった意味での“インパクトの強さ”も、ランキング1位の要因かもしれません。

高卒ルーキーとして最多勝、ベストナイン、新人王受賞等、怪物ぶりを発揮。豪速球と持ち前の気の強さで、ルーキーとは思えないオーラと存在感があった。(44歳・男性)
ルーキーイヤーで16勝もして、ストレートの球速も当時の球界では最速級のスピードを誇っていたからです。(30歳・男性)
高卒ルーキーとして鳴物入りで西武に入団し、期待通りの活躍をした。その時すでに一流だったイチローから三振を奪った試合は特に凄かった。(43歳・男性)
高卒で入団していきなりプロの打者を圧倒して勝ち星を積み重ねていた印象があるから。今の高卒ルーキーでは考えられないくらいの試合数も投げていたところもすごいと思います。(29歳・男性)
高校生で怪物と言われ、プロに入ってもその実力をルーキーイヤーから遺憾なく発揮した投手なので、彼が最強のルーキーだったと思います。(22歳・男性)

4位以下の選手とコメント

野茂英雄(4票)

ドラフトから注目されていていましたが、想像以上に破天荒なフォームと投球内容はとても印象に残っています。彼の代名詞と言っても良いフォークボールだけでなく化け物じみたスタミナもあり、総合的に見てもずば抜けたものがありました。(48歳・男性)

森下翔太(4票)

プロ入り1年目とは思えない勝負強いバッティングは歴代最強の名にふさわしいです。特に日本シリーズ第5戦目の痛恨のエラーを払拭するタイムリースリーベースヒット! 感情を爆発させてサードベースをぶん殴る姿には感動を覚えました。(34歳・男性)

大谷翔平(4票)

プロ入りから二刀流を確立させ今や世界一の選手であるから(33歳・女性)

木田勇(3票)

日本ハム入団一年目に4月月間MVP、江夏豊に並ぶ23投球回連続三振、毎回奪三振に、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振、新人王にMVPを獲得した22勝を挙げた投手(60歳・男性)

門脇誠(3票)

坂本勇人の次の遊撃手として未来があるから。守備などが本当にうまいし、ルックスも良いです。もう少し身体が出来れば一年戦えると思います。(27歳・男性)

伊藤智仁(3票)

伊藤智仁の1年目から魅せた高速スライダーは衝撃的でした。今までに見たことがないような切れ味は未だに見たくなりユーチューブで観ることがあります。(51歳・男性)

結果はこちら

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上位3選手で得票数の50パーセント以上を占める結果となった今回のランキングですが、4位以下の顔触れを見ると1年目から投手タイトルを独占した野茂英雄投手、1年目に22勝をマークした木田勇投手といったレジェンド新人や、森下翔太選手、門脇誠選手といった昨季のルーキーも顔を並べました。

今年のプロ野球界にも、ファンから大きな期待を受けるルーキーたちはたくさんいます。果たして2024年のルーキーの中に、彼らのような活躍を見せる選手は現れるのか――。プロ1年目の新人選手の活躍にも注目しながら、プロ野球を楽しんでみてください!


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査実施日:2024年1月4日
調査対象:全国の20代~60代
有効回答数:100

※記載している回答は原文ママ

※2024年1月29日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※現在現役・引退をした選手に関わらず敬称は「選手」「投手」で統一しています。

※サムネイル写真出典:PIXTA

文・花田雪(Kiyomu Hanada)
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

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