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「歴代最強のフォークだと思う投手」ランキング!3位「千賀滉大」、2位「野茂英雄」を抑えた1位は?【プロ野球ファン100人に聞いた】

  • 2024.1.24
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写真:PIXTA

投手にとって大きな武器とも言える「変化球」

野球界ではこれまで様々な変化球が生み出されてきましたが、今回はそんな変化球の中でももっとも代表的な球種のひとつである「フォーク」に注目してみました。

人差し指と中指でボールを挟むように握ることでボールの回転数を減らし、打者の近くで落ちていくという変化を見せる球で、途中まではストレートとほぼ同じ軌道を描くため、対戦する打者からしたら見分けるのが難しく、空振りを奪う球種として重宝されてきました。

プロ野球界では、そんな「フォーク」を得意とする投手たちは過去、そして現在も数多く中存在していますが「歴代最強のフォークの使い手」はいったい誰なのか?

そこで全国のプロ野球ファン100人にアンケートを実施。「歴代最強・フォークの使い手投手ランキング」を作成しました。本記事ではその結果をご紹介します!

なお、「最強」の定義は記録や数字だけでなく、投票者の方に委ねていますので、投票理由も多岐にわたります

一体、誰が「歴代最強のフォークの使い手投手」に選出されるのか……。

投票結果を見てみましょう!

【第3位】千賀滉大(20票)

第3位にランクインしたのは千賀滉大投手

現役メジャーリーガーとして、昨季はニューヨーク・メッツでチーム最多となる12勝を挙げるなど、渡米1年目でいきなり実力を発揮し大活躍を見せました。自慢のフォークはその落差から「お化けフォーク」と称されるほどの威力を誇ります。

今でこそ現役最高のフォークの使い手と称される千賀投手ですが、プロ入り直後の武器はフォークではなくスライダー。フォークを投げることはほとんどありませんでした。

ところがプロ入り3年目の2013年のシーズン前に行った自主トレでフォークの握りを見直すと、それまで使うことがなかったフォークが劇的に落ちるようになり、セットアッパーとして台頭し始めました。

それから3年後の2016年、先発に転向した千賀投手は150キロ超のストレートと落差の大きいフォークを武器に勝ち星を積み重ねて12勝をマーク。この年から7年連続で2桁勝利を記録し、2019年と2020年には最多奪三振のタイトルを獲得。ソフトバンクのエース投手として3年連続日本一にも大きく貢献しました。

こうした活躍が決め手となり、2022年オフには海外FA権を行使してメジャーリーグ、ニューヨーク・メッツへ移籍。強打者を相手にしても千賀投手のフォークは冴え渡り、メジャー1年目ながらいきなり12勝7敗と2桁勝利を記録し、防御率2.98、202奪三振はリーグ2位という好成績を残しました。

日本で「お化け」と呼ばれたフォークはアメリカでも「ゴースト」と恐れられ、2024年も活躍が期待されています。

フォークが得意なピッチャーは多々あれど、球筋の良さ故に、球種自体にあだ名が付けられているのは千賀選手くらいだと思うため。おばけフォークがメジャーでも通用していますし。(44歳・女性)
代名詞のおばけフォークはメジャーリーグでも通用しているし、地元のファンも魅了していて最強だと思います。(53歳・女性)
過去、色々なピッチャーが魔球と言われてきたフォークですが、正直この方以上のものは見たことありません。大魔神や、佐々木朗希投手も素晴らしいと思いますが、どの高さからも低めのボールゾーンに沈むお化けフォークはレベルが違うように感じます。(22歳・女性)
お化けフォークとも言われていて、ソフトバンク時代は10回以上勝利していました。今はメジャーで活躍していますが、メジャーリーガーでも攻略している選手はほとんどいないので最強のフォークだと思います。(30歳・男性)

【第2位】野茂英雄(25票)

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写真:ロイター/アフロ

千賀投手を凌いで第2位にランクインしたのは“日本人メジャーリーガーのパイオニア”である野茂英雄投手

千賀投手は育成選手としての契約で、プロ入り直後は無名の存在でしたが、野茂投手はプロ入り前からソウル五輪の野球日本代表に選出され、エースとして銀メダル獲得に貢献するなど、アマチュアナンバーワン投手の座を欲しいままにしてきた大物投手。1988年のドラフト会議では史上最多となる8球団からの1位指名を受け、近鉄バファローズに入団します。

近鉄入団後、野茂投手はいきなり先発ローテーション入りすると、ルーキーイヤーの1990年には最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手四冠を獲得して沢村賞も受賞するなど、投手タイトルを総なめにする大活躍

腰を回転させて打者に背中を向けて投げる独特の「トルネード投法」から繰り出されるフォークで相手打者から三振の山を築き、中でも当時、常勝チームとされた西武ライオンズの主砲・清原和博選手との対決は“平成の名勝負”と称され、多くのファンの注目を集めました。近鉄在籍時は5年間で最多勝4度という圧倒的な成績も残しています。

そんな野茂投手ですが、1995年にメジャーリーグ、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍。日本人史上2人目のメジャーリーガーとなると、大男ぞろいのメジャーリーガーたちを相手に臆せず投げて、自慢のフォークで三振を量産。メジャー1年目から13勝を挙げて、236奪三振で奪三振王のタイトルを獲得。野茂投手が登板する日は「NOMOマニア」と呼ばれる地元ファンが熱狂的な応援を見せることでも話題になりました。

その後、野茂投手はメッツ、ブリュワーズ、タイガース、レッドソックス、ドジャース、デビルレイズ、ロイヤルズなど各チームを転々としながらもフォークを武器にした攻めの投球を見せて、メジャー12年で通算123勝、日米通算201勝を記録しています。

フォークを武器にした野茂投手の挑戦が成功したことで、現在のメジャーリーグには多くの日本人選手が在籍していますが、野茂投手はそうした選手たちのパイオニアとしても歴史に名を残しました。

トルネード投法から繰り出されるフォークボールで、数多の日本やメジャーのバッターを討ち取ってきた最強のフォークボール投手だと思います(22歳・男性)
近鉄に入団後、ストレートと落差のあるフォークボールでタイトルを独占。その後メジャーへ行き、フォークボールで三振の山を築く。メジャーリーガーでも打てないという印象が強かったです。(49歳・男性)
トルネード投法から投げられるフォークボール。手元がギリギリまで見えないからバッターは球種の判断が出来ないと言われ、三振をたくさん取っていた。日本人でも大リーグに活躍出来ると証明し、大リーグでの道を切り開いた選手。そういう意味でも凄い選手だと思う。(39歳・女性)
代名詞となるフォークボールを武器に、日本で数々の三振記録を更新、メジャーでも歴代上位となる奪三振率を築いたから。(48歳・男性)

【第1位】佐々木主浩(42票)

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写真:ロイター/アフロ

フォークの使い手ランキングで見事第1位に輝いたのは、“大魔神”こと佐々木主浩投手でした。

先発で活躍した千賀投手や野茂投手とは異なり、佐々木投手はほとんどリリーフのみの登板でしたが、そのフォークのキレ味、落差は圧倒的で、9回にマウンドに登り試合を姿は、今もなおファンの記憶に残っています。

大学時代からフォークの使い手として知られていた佐々木投手はプロ入り2年目の1991年から抑え投手として活躍。翌1992年には自身初のタイトルとなる最優秀救援投手のタイトルを獲得。87.2イニングで135奪三振を記録するなど、自慢のフォークはこのころから冴えわたっていました。

佐々木投手が本格化したのはプロ入り6年目の1995年以降。この年から毎年のように30セーブ以上を挙げる大活躍を収め、最多セーブ投手のタイトルを4年連続で獲得。所属する横浜ベイスターズがリードして試合終盤を迎えると必ず登板し、抑え込む姿はいつしか「大魔神」と呼ばれるようになり、佐々木投手のキャッチフレーズとなりました。

そして1998年、佐々木投手は45セーブを記録し、プロ野球史上初となるシーズン40セーブ越えを達成。防御率も30セーブ以上を挙げた投手の中では歴代最高となる0.64。横浜の38年ぶりとなる日本一に大きく貢献してリーグMVPを受賞しました。

この大活躍をひっさげて、2000年からはメジャーリーグ、シアトル・マリナーズへ移籍。メジャーでもフォークを武器にした投球を見せて、4年間で通算129セーブ。2001年にはマリナーズを地区優勝に導いています。

佐々木投手が他の投手たちよりもすぐれていたのがコントロールではないでしょうか。フォークはその球筋もあり、捕手からしたら捕りにくい変化球の代表格。ボールを指で“挟む”という特殊な握りもあって、コントロールするのが難しい球種でもあります。そのためフォークを武器にする投手には暴投や四球がつきもので、例を挙げると野茂投手は歴代最多となる日米通算160暴投、近鉄時代は4年連続最多勝となる一方で、与四球も4年連続でリーグワーストという成績でした。

一方、佐々木投手はプロ入り3年目の1992年こそ8暴投を記録しましたが、リリーフ投手として全盛期を迎えた95年から98年の4年間ではわずか11。中でも98年はわずか1回のみというほぼ完ぺきな投球内容を見せています。

コントロールしづらいフォークをほぼ完璧に制御して打者を打ち取ったことも今回のランキングに影響したのかもしれません。 

佐々木選手のフォークには、ストライクを取りに行くフォークと空振りを取りに行くフォークの2種類があったが、特に空振りをとるフォークの威力はすごかった。横浜ベイスターズの守護神をしていた頃は本当にすごく、テレビで見ていても応援しているチームのバッターが打てる感じが全くしなかったから。(58歳・男性)
大魔神というニックネームに劣らないほどのすごい投球で、特に落ちるボールを色々なバッターが簡単に空振りしていた記憶があります。(42歳・女性)
メジャーでも通用したフォークボールで、全盛期は9回に佐々木が出てきたら諦めるしかなかった。(48歳・男性)
おそらく、私と同世代の人のほとんどがフォークボール=佐々木主浩投手だと思っているはずです。今では多くの球種を操る投手が多いですが、ストレートとフォークの2つの球種であれだけ活躍されたのは凄いと思います。(34歳・男性)
全盛期は驚異的な落差のフォークを投げていて、握りやスピードで変化方向や変化量を微妙に変えたりすることもできました。抑えとして抜群の安定感があったので歴代最強だと思います。(38歳・男性)

4位以下の選手とコメント

村田兆治(4票)

落差だけでなく、打者の手元で突然ぐっと沈み込む変化のシャープさが凄かった。(59歳男性)

上原浩治(3票)

新人の時からカウントを取るフォークと三振を取るフォークがコースに綺麗に決まっており、子供の時からあんなフォーク投げれたらと思い練習してました。かなり印象に残っているので、私はフォーク最強は上原さんだと思います。(34歳男性)

結果はこちら

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千賀投手、野茂投手、佐々木投手の3人で全体の9割近くを占めるという結果になった今回のランキング。そのため、4位以下で名前が挙がった投手はごくわずかでしたが、その中でも4位にランクインしたのは村田兆治投手でした。

野茂投手も佐々木投手も平成の投手ですが、フォークを武器にした昭和の投手と言えば村田投手。マサカリ投法と称された独特な投げ方から繰り出されるフォークは落差が鋭く、数々の強打者を手玉に取っていきました。そうした姿がオールドファンの目に今でも焼き付いていることがわかります。

それに続いたのが、第5位に入った上原浩治投手です。同じフォークでも落差の大きなものと小さなものを投げ分けるというテクニックと抜群のコントロールを駆使して日米通算134勝を記録。メジャーリーグでも活躍し、2013年には抑え投手としてボストン・レッドソックスの世界一にも貢献しています。

ランキングに入った5投手のうち、4人がメジャーリーグでも活躍したように日本人選手の大きな武器となるフォーク。3位にランクインした千賀選手はもちろん、2024年シーズンも日米の野球界でフォークの使い手となる選手たちが活躍することは必至なので、注目してみるのもオススメです!


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査実施日:2023年12月25日、2024年1月4日
調査対象:全国の10代~60代
有効回答数:100

※記載している回答は原文ママ

※2024年1月23日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※現在現役・引退をした選手に関わらず敬称は「投手」で統一しています。

※サムネイル写真出典:PIXTA