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「歴代最強のカーブだと思う投手」ランキング!3位「桑田真澄」、2位「星野伸之」を抑えた1位は?【プロ野球ファン100人に聞いた】

  • 2024.1.21
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写真:PIXTA

投手の要とも言える変化球。野球界ではこれまでに様々な変化球が生み出されてきましたが、今回はそんな中でももっとも代表的な球種である「カーブ」に注目してみました。

その名の通り、投手の利き腕と反対方向へと大きく曲がりながら落ちていくという変化をするのが特徴のカーブは、球界でもっとも代表的な変化球のひとつ。ストレートよりもはるかに遅い球速で落ちていくため、ストレートとの緩急の差が付けられ、打者を打ち取るのに効果的な球種となっています。

長きにわたる球史の中でカーブは多くの投手に愛用されてきましたが、同じカーブと言っても球速が遅くて変化量の大きい「スローカーブ」と呼ばれるモノや、近年流行している球速が速く力強く曲がる「パワーカーブ」など、カーブは様々な派生を見せて、現在でもあらゆる投手たちが得意技としています。

プロ野球界では、そんな「カーブ」を得意とする投手たちは過去、そして現在も数多く中存在していますが「歴代最強のカーブの使い手」はいったい誰なのか?

そこで全国のプロ野球ファン100人にアンケートを実施し「歴代最強・カーブの使い手投手ランキング」を作成。その結果をご紹介します!

なお、「最強」の定義は投票者に委ねていますので、投票理由も多岐にわたります

一体、誰が「歴代最強のカーブの使い手投手」に選出されるのか……。

投票結果を見てみましょう!

【第3位】桑田真澄(13票)

第3位に選ばれたのは、読売ジャイアンツの2軍監督を務める桑田真澄投手です。

最近ではタレント・Mattさんの父としても知られていますが、現役時代は決め球のカーブを武器に通算173勝をマークし、背番号18を背負う巨人のエースとして君臨しました。

身長174センチとプロ野球選手としては小柄な体型の桑田投手ですが、マウンドに向かうと大エースの風格を漂わせ、相手打者から恐れられていました。そんな桑田投手の代名詞となったのがカーブです。

桑田投手のカーブが野球ファンの間で話題に上がったのはなんと高校生のころ。当時はPL学園(大阪)のエース投手として活躍していた桑田投手でしたが、一度浮き上がってから急激に落ちるという独特な変化を見せたカーブは“魔球”と称され、そのキレ味はプロも顔負けのモノ。

そんなカーブを擁した桑田投手は高校時代、甲子園に春夏併せて5度出場し、全国優勝2回を記録。甲子園での通算勝利数の20勝は今でも歴代2位となる圧倒的な成績です。

桑田投手のカーブの威力は巨人入団後も健在。プロ入り2年目の1987年にはシーズンで15勝6敗、防御率2.17という素晴らしい成績を挙げてチームをリーグ優勝に導いただけでなく、自身も最優秀防御率のタイトルを獲得し、さらに先発投手最高の栄誉である沢村賞を受賞しました。

この年を皮切りに6年連続2桁勝利をマークし、94年には14勝を挙げてリーグMVP、巨人を日本一へ導くなどエースとして大活躍を収めました。

さらに桑田投手は右ひじの故障で低迷した30代に新たなカーブを会得。これまでよりも山なりに緩く落ちていくスローカーブを投げるようになり、34歳で迎えた2002年には4年ぶりの2桁勝利となる12勝をマークして復活。さらに防御率2.22で15年ぶりに最優秀防御率のタイトルを獲得するという不死鳥のような活躍を見せました。

ちなみに桑田投手が30代以降に覚えた山なりの緩いカーブは、2007年にメジャーリーグ、ピッツバーグ・パイレーツへ移籍した際には「レインボーカーブ」と称され、メジャーリーガーも打ちあぐねるほどでした。

コントロールと配球で打者を打ち取っていた印象が強い桑田投手に中で最大の武器になっていたのはカーブだと思います。ストレートとの緩急差ももちろんですがその変化量はとても大きくカーブを待っていても打てない程の魔球だったと思います。(58歳・男性)
高校の時からカーブを極めてる感じでした。それもあり、甲子園で20勝したと思います。センスが最高でした。魔球と言われるだけあって、テレビで見ていてもカーブを投げた後は「おぉっ!」と声が出てしまいました。30代になっても魅力的なカーブを投げられていました。(40歳・女性)
バッターをおちょくったような変化球「カーブ」。ストレートをよりよく魅せる魔球だ。コントロールもよく自由自在に操る。あの魔球を高校(一年生)で覚えたなんて信じられない。(63歳・男性)

【第2位】星野伸之(14票)

第2位にランクインしたのは星野伸之投手

最高球速は130キロ前後というプロ野球選手としては遅いストレートを投げていた投手でしたが、現役19年間で176勝を記録し、阪急、オリックス、阪神で左のエースとして活躍しました。

星野投手のカーブの特徴と言えばその球速。ストレートでも最速130キロ台だった星野投手ですからカーブも通常のものよりも遅く、その球速は70~90キロほど。ストレートとは実に40キロほどの差があり、スローカーブと呼ばれるものでした。

しかし、このストレートとの球速差が星野投手の生命線に。しなやかに腕を振る投球フォームだったため、ストレートは球速以上に伸びがあり、カーブも通常以上に大きく曲がりバッターを翻弄しました。

このスローカーブを武器に星野投手はプロ入り4年目の1987年からなんと11年連続で2桁勝利をマーク。オリックスが日本一に輝いた1996年には22試合に登板して13勝5敗。勝率.722で最高勝率のタイトルも獲得しています。

星野投手の独特のカーブを生んだ要因となっているのは、手首の柔らかさ。投げると手首が返るというくらいに手首が柔らかかったため、星野投手のカーブは誰よりも大きくゆったりと曲がって落ちていきました。

このカーブを駆使した投球には、清原和博選手らをはじめとした当時のパ・リーグの大打者たちが、こぞって苦しめられました。

星野投手のスローカーブのすごさはキレや変化量というカーブ自体のすごさというのももちろんあるが、それ以上に最高球速130km/h台のストレートをプロのバッターが振り遅れるように速い球と錯覚させるという点でも他の投手のカーブとは一線を画す素晴らしい変化球だと思うから。(38歳・男性)
スローカーブの使い手、星野投手です。時速100km以下のスローカーブと130kmのストレートとの投球術で、のらりくらり打ち取る姿が印象的です。(37歳・男性)
星野は遅球で知られたピッチャーですが、遅いストレートを生かす更に遅いカーブで、球の出どころが分かりにくいフォームが投じられる山なりのカーブは一瞬打者の視界から消えていたそうで、視線もぶれて打ちにくかったそうです。その後に120km/h台のストレートを投げられたら、今度は豪速球に見えて、これもなかなか打てなかったそうです。(47歳・男性)
ストレートは130kmに満たないことがほとんどでしたが、スローカーブで多くの打者を苦戦させていたのがすごいです。球が速くなくても優れた変化球があれば戦っていけることを証明した選手の一人です。(32歳・男性)

【第1位】今中慎二(19票)

最強のカーブの使い手として第1位に輝いたのは、今中慎二投手でした!

現役終盤はケガに悩まされ実働12年で通算91勝でしたが、1990年代の中日のエース投手としてプロ野球ファンの脳裏に強く刻まれている投手です。

182センチ、73キロというやや細身の体型で、左手をまるで鞭のようにしならせて投げるのが特徴的だった今中投手。ストレートの最速は150キロに届くほどの速さを誇り、そこに100キロ前後のカーブとフォークボールらを加えた本格的な投球術でプロ入り1年目から一軍のマウンドを踏み、2年目の1990年には早くも10勝を挙げて中日の左のエースとして台頭します。

今中投手が代名詞となるスローカーブを覚えたのはプロ入り4年目の1992年のこと。左手首の骨折で3ヵ月の休養を余儀なくされ、そのリハビリの過程で習得。従来よりもさらに遅く、大きく曲がるようになったスローカーブを武器に今中投手はこの年、3ヵ月の休養期間がありながらシーズン8勝。

翌1993年には17勝7敗、防御率2.20、247奪三振という圧倒的な成績を収めて、最多勝、最多奪三振のタイトルを獲得して沢村賞も受賞するなど、セ・リーグ最強のエースとして君臨しました。

 今中投手のカーブはストライクゾーンから外れているように見えるほど高い軌道から落ちてくるように見えた上、キャッチャーミットに入る直前には止まって見えたというほどの急激な変化を見せたと、当時対戦した打者たちはこぞってこう語るほど。そのため、なかなか今中投手のカーブを攻略する打者は現れず、さらにコースの投げ分けもできたため、三振を奪う球としてとても重宝されました。

 そんなカーブを武器にした今中投手を誰も打ち崩すことができず、1993年から4年連続で完投数は2桁を越え、勝ち星も4年連続で2桁に。こうした酷使が祟り、1997年からは故障がちで引退までの2001年までにわずか4勝しか挙げられずに現役を引退。活躍期間こそ短かったものの、その強烈な活躍は当時のプロ野球ファンに大きなインパクトを残したことは今回の1位という結果が物語っているでしょう。

打者の視線から突然消える、落差のあるスローカーブはまさに無敵。(49歳・男性)
あの長身から角度のあるストレートからの緩急差50キロほどのカーブ、スローカーブを駆使しており、またストレートと腕の振り方が変わらず最強だなと思ったから(45歳・男性)
お手本の用な左投げのフォームからストレートと変わらないしなやかな腕の振りで投げるカーブは歴代1位だと思います。(39歳・男性)
キレのある速球に大きく曲がるスローカーブという印象がとても強いです。タイミングを外す事もでき、速球を活かすこともできるボールという印象です。(49歳・男性)
キレの良い直球に、100kmに満たないスローカーブを織り交ぜて打者を翻弄していたのが印象的。(48歳・男性)

4位以下の選手とコメント

山本由伸(11票)

足を上げないあのピッチングフォームで、緩急あるカーブを投げ分けるのが最強。(53歳・女性)

江川卓(9票)

いわゆるドロップカーブの使い手。軸になる球種がストレートとカーブという中で、相手打者がバットに当てるだけで歓声があがるという異常な投球ができたのは江川卓くらい。(39歳・男性)

工藤公康(8票)

主に縦に大きく変化するドロップカーブの使い手で、ストレートとの球速差で打者を手玉に取っていた印象があります。1番三振をとれるカーブを投げていたと思うので歴代最強だと考えます。(38歳・男性)

金田正一(3票)

2階から落ちるカーブと呼ばれ、400勝投手です。(57歳・男性)

武田翔太(3票)

カーブのキレはもちろんですが、縦への変化も強く落差がとてもあり、バッターは翻弄され空振りしてしまうからです。(22歳・男性)

結果はこちら

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惜しくもトップ3入りを逃した第4位には大谷翔平選手と同じくロサンゼルス・ドジャースに移籍した山本由伸投手がランクイン。親指でスピンをかけることで120キロ台中盤とやや遅めの急速ながら、緩急をつけて空振りを取ったりカウントを稼いだりするのに有効なボールとして活躍。3年連続の投手四冠を達成する原動力になったのは記憶にも新しいところです。

また球速の速いカーブで知られた江川卓投手も9票を獲得して第5位。メインとする球種はストレートとカーブのみという少なさでしたが、ブレーキが強くかかったカーブはドロップしていく独特な変化を見せて、右打者の内角をえぐる軌道で多くの打者を攻略していきました。

現役選手では山本由伸投手の他にも武田翔太投手が3票、ダルビッシュ有投手岸孝之投手がそれぞれ2票を獲得。他にもカーブを駆使する投手はたくさんいるので、来シーズンはカーブを活用して台頭する投手を探してみるのも楽しいですね!


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査実施日:2023年12月25日
調査対象:全国の10代~60代
有効回答数:100

※記載している回答は原文ママ

※2024年1月18日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※現在現役・引退をした選手に関わらず敬称は「投手」で統一しています。

※サムネイル写真出典:PIXTA