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「恥ずかしい家の当主だから」西郷隆盛(原田泰造)が放った言葉に、和宮(岸井ゆきの)が切った啖呵がスゴすぎた…!

  • 2023.12.14
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(C)NHK

NHKドラマ10「大奥」最終回。家茂(志田彩良)の死後、大政奉還するも思い通りにならず、慶喜(大東駿介)は戦を起こし、ついには勝手に江戸に逃げ帰ってきてしまった。さらに、もろもろの責任を勝海舟(味方良介)に押し付け、命を狙われると天璋院(福士蒼汰)や和宮(岸井ゆきの)にまで助けを求める。どこまでも最低で嫌な奴として演じ抜いた大東の演技、憎らしいけどある意味素晴らしかった。

西郷隆盛(原田泰造)「恥ずかしい家…」発言に怒り

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和宮は上さんはあいつに殺されたようなもんなのに助けるなんて嫌だと言うが(観ているこちらも同じ気持ちだが)、天璋院にそれは自分も同じだが、民のために戦を避けたいと言われ、家茂が守ろうとした民、和宮は彼らにとって光だと言われたことを思い出す。勝とともに、西郷隆盛(原田泰造)との和平交渉に同席する瀧山・天璋院・和宮。慶喜の首を求める理由を「恥ずかしい家の当主だから。力のない女が将軍でい続けたことで世界から遅れた恥ずかしい国になった」と言う西郷に、心中怒りを覚える面々。観ているこちらも悔しい。

「江戸の町だけは傷ひとつつけんといて」和宮(岸井ゆきの)の啖呵に拍手

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(C)NHK

だが交渉の結果、西郷は将軍たちの名前も男名だし、女性が将軍だったことはなかったことにする、つまり歴史を書き換えるという方向で納得する。納得はいかないが、江戸を守るためには仕方がない。和宮は「列強にも劣らへんというこの町は、あんたが恥ずかしい言うた女将軍のお膝元でその町の女らが育ててきたんやで」「この江戸の町だけは傷ひとつつけんといて」と啖呵を切る。

こうして、江戸城の無血開城は実現したのだった。

「私はいつだって私です」女性の姿に戻った和宮(岸井ゆきの)の言葉

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(C)NHK

大奥最後の宴の日。和宮は家茂が京でお土産として買ってくれ、結果片見となった女物の着物を着て登場する。「それが誠のあなた様、なのですね」と声をかけた天璋院に「何を言うてはんの。私はいつだって私です」と返す。そうだ、和宮は自らの意志で男装し、降嫁してきたのだった。いない者として扱われた彼女は、大奥に来ることで自分の人生を生きることに繋がったのだ。

自分として生きられず苦しんだ人が多かったこの「大奥」という作品の最後にこのセリフが出ることに、大きな意味があると思った。ついにそう言える人が現れたのだ。でもその一方で、私たちが胸を打たれてきたのは、苦しみながらも生きたそれぞれの人々の”その人らしさ”だったようにも思う。そしてこの言葉は、この作品を観ている現代の人々に対するメッセージでもあると思う。現代においても「私はいつだって私」と言える自分でありたいし、そう言える人が多い世の中であってほしい。

大奥で仕えた者たちに「皆のもの、今までほんまにお世話になりました。今日は心いくまで楽しんどくれやす」と挨拶する和宮。一人、家茂と過ごしたこともある庭で空を見上げ話しかけた「これでよかった?上さん」という言葉に泣いた。その庭がまた、可憐で明るい花が咲いていて、家茂がそこにいるようだった。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:ぐみ
熱量高めなエンタメライター・編集者。ドラマ・映画・アイドル・アニメなどのコラムやレビュー・インタビューや書籍の執筆・編集も手がける。コンテンツ編集(人気少女漫画や芸能人の公式コンテンツ制作のほか、広告制作、メディアの編集・立ち上げなど)を経て現在フリー。音楽とアイドルと物語とかき氷が好き。X(旧Twitter):@gumililium